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2007/12/08
【大長城計画訪中団】第2回日中交流協力機構会議を開催
外交安保、経済、文化の3部門で、活発な意見交換




 北京市内で8日午前、第2回日中交流協力機構会議を開催。2日目となるこの日は、外交安保、経済、文化の3部門の分科会にて、それぞれ活発な意見交換が行われた。

 外交・安保部門では、(1)台湾・チベット問題(2)エネルギー・環境問題(3)東アジアの安全保障問題――について議論。(1)については、中国側から原則論が示された上で、日本側の意見を聴取するかたちで展開され、内政干渉にならないことを前提に各議員が見解を述べた。(2)については、地球環境、再生可能なエネルギーといった観点から議論が交わされた。また、(3)については、北朝鮮の非核化、拉致問題をはじめ、中国の軍事力の情報公開を求めるなど率直な意見交換が繰り広げられた。

 経済部門では、農業、環境、都市開発、知的財産などをテーマに議論。最近何かと話題の食の安全問題にも言及すると、中国側からは、自国のみならず輸出国の安全基準を満たすよう厳しい規則が求められているとの説明がなされた。菅直人代表代行はこの中で、知的所有権制度、特許問題について、中国の技術推進、信用を高めるためにもより高度な制度設計の必要性を明示した。また、環境政策については「日本の失敗を繰り返してほしくない」とした上で、産業・自動車エネルギーについて、省エネ技術が進み効率が良くなっている一方でCO2の絶対量が増大している現状を指摘。「エネルギーそのものの質を変える必要がある」との認識を示し、問題解決に向けて中国の開発力に期待を寄せた。

 文化部門では、(1)伝統・芸術・宗教(2)北京オリンピック(3)生活・教育・子育て――の3つのテーマを軸に展開。(1)については、茶道や美術を例に中国文化が日本文化に与えた影響について言及。お互いに歴史や文化を正しく理解する必要性を確認するとともに、中国側からは、文化交流を深めるとともに文化産業プロジェクト作りの強化、マネジメントにおける人材の交流と協力等の提案がなされた。北京オリンピックについては特に活発な意見交換となり、オリンピックの意義から芸能オリンピックの実現、中国におけるサッカーの現状と将来像など幅広い内容を意見交換。「ワン・ワールド、ワン・ドリーム」のスローガンに賛同の意を述べ、北京オリンピックの成功を祈念して締めくくられた。