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2002/05/10
鳩山代表、領事館侵入事件で小泉首相に申し入れ
 10日夕、民主党の鳩山由紀夫代表と伊藤英成ネクストキャビネット外務・安全保障大臣は新総理官邸を訪ね、在瀋陽日本総領事館への中国武装警官侵入事件をめぐって小泉首相に申し入れを行った。

 鳩山代表、伊藤議員は、冒頭、今回の事件に対する政府・外務省の対応を厳しく批判し、危機管理体制の立て直しを求めた申し入れ文を小泉首相に手渡した。申し入れ文は、「中国側の行為は、ウィーン条約の趣旨を逸脱し、わが国の主権をないがしろにする行為であり、人道的立場から極めて重大な問題である」とする一方、「中国武装警官の侵入・連行の行為を漫然と許した現地館員の姿勢、その後の在北京大使館及び本省への不正確な情報伝達など、国家の主権を代表し、国民の安全と国益を守るべき外務省職員の責任感と倫理観が麻痺している」と断じたもの。

 鳩山代表は、特に、中国側に連行された亡命希望者の安全を確保し、日本側への引渡しを実現するよう、毅然として中国政府に臨むことを求めるとともに、外務省職員の人権意識の希薄さと情報収集態勢および危機管理体制の脆弱さを厳しく指摘した。また伊藤議員は、他国ではなく、なぜ日本の在外公館で今回の事件が起きたのか、総理の認識を質した。

 これに対して小泉首相は、「日本は危機意識が薄い」などと第三者的に答え、今回の事件に対しては、川口外相が中国の武大偉駐日大使を呼んで抗議した事実を述べるにとどまった。鳩山代表は、今回の事件で日本の信用が国際的に落ちたことを重く受け止めるよう重ねて忠告するとともに、外交官の人権意識の向上と再発防止に向けた態勢整備、亡命者の受入れに対する人道的配慮の徹底を厳しく申し入れた。小泉首相は、有事法制等の政策課題へ話題をそらすことに終始し、具体的な反論はできなかった。
関連URL
  (→ 在瀋陽日本総領事館への中国武装警官侵入事件に関する申し入れ )
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11335