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2005/08/04
鳩山ネクスト外相、中国遺棄化学兵器問題をめぐり被害者らと面会


 4日午前、鳩山由紀夫『次の内閣』ネクスト外務大臣は、2003年8月、旧日本軍が遺棄した毒ガス兵器イペリオットにより、中国黒竜江省チチハルの子どもら43名が傷害を負い、うち1名が死亡した事件の被害の早期救済を求めて来日している「チチハル毒ガス被害補償請求人団」やその代理人、弁護団と面会し、事件の経緯や被害の状況などについて被害者たちから話を聞いた。

 被害者のお一人は、両足に負った傷を見せて、「自分は27歳で若いが、足、太もも、気管支系や目を傷めており、痛みに苛まされて、夜中目が覚めることもしばしばである。妻や娘との関係も心配であり、6人の家族を本来なら支える立場だが、それもうまく出来ず不安だ。」と、切実な心情を語った。12歳の少女は、「被害を受けた後、苦痛が絶えず、体力も落ち、風邪を引きやすくなっている。毒ガスの被害者ということで、学校で周りの皆から嫌がられている気がして、行くのが苦痛だ。」と、訴えた。

 鳩山ネクスト外相は、「日本が過去に行った行為により発生した事件・事故に対しては、日本政府として当然のことながら対処していかないといけない。」と、政府の同事件に対する誠意の欠如した対応を批判した上で、最大野党として同問題の解決に取り組んでいくと、述べた。更に、「毒ガスによる被害に対して、治療は可能か。」など、具体的な質問に対し、「現在まだ治る治療方法がない。HIVも不治の病とされていたが、医学の発展で現在は治療もできるようになっているので、今後、治療方法が研究されることを期待する。毒ガス兵器イペリオットを製造していたのが、広島の工場であった関係から、広島大学に元日本兵などのケアができる医者もいると聞いているが、主に呼吸器系だと承知している」などの返答が、日本の弁護団側からあった。また、中国政府は、更なる被害の防止の観点から危険な地域を特定して、被害防止に努めたいとの立場だが、日本政府はきちんと対応していないとの指摘もあった。

 なお、この面会に同席したのは、武正公一ネクスト外務総括副大臣、大谷信盛ネクスト外務総括副大臣、首藤信彦衆議院外務委員会理事、金田誠一衆議院議員。