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2004年度定期大会
2004年1月13日
民主党2004年度定期大会本会議

創憲へ 国民運動を主導
菅直人代表あいさつ(全文)


(はじめに)

皆さん、明けましておめでとうございます。
 2004年の定期大会をこうして開くことができまして、大変うれしく思っております。そしてきょうは本当にお忙しい中を労働界から連合会長の笹森清様、また経済界からはドトールコーヒー代表取締役鳥羽博道様、お二人の来賓にお出ましをいただきまして、ご臨席をいただいたことをまず民主党の全党員を代表して心からお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)
 さて、昨年は政権交代をめざして総選挙を戦いました。いま一歩、いやいま二歩届かず、政権交代を果たすことができませんでした。しかし、衆議院の37%を占める177名の仲間が当選し、二大政党の一方の柱としての認知を国民の皆さんからいただきました。安定多数を握った小泉政権は、総選挙で約束をした小泉改革宣言、つまり小泉マニフェストに掲げた地方分権、年金、道路公団などの改革に着手をしましたけれども、この2カ月間すべては中途半端に終わり、とても改革が進んだとは言えません。また、最も重視すべき雇用情勢も決して大きな改善は見られておりません。勝ち組と負け組との差が大きく開くばかりで、社会的な不安はますます高まっているのが現状ではないでしょうか。
 今後小泉政権が半年続こうが、3年続こうが、何一つ改革を進めることができないことをみずから証明してしまったわけでありまして、既に小泉政権は終わった、このように申し上げなければなりません。私たち民主党は、いつ政権を担当しても、本物の改革に取り組めるように準備をすることがいままさに重要だと考えております。

(年金財源を明確にしなけば与党と話しても意味がない)

特にこの間、年金制度については、自民党も総選挙で抜本改革を公約に掲げたにもかかわらず、政府与党の改革案は、抜本改革からはまさにほど遠いものであります。民主党は既にさきのマニフェストで国民年金、共済年金、厚生年金などの一本化と、将来の基礎年金の財源に消費税を充てる抜本改革案を示してまいりました。与党から話し合いの呼びかけもありますが、与党として「任期中消費税を上げない」という小泉総理の公約を前提にしての話し合いなのか、それとも消費税も含めての話し合いなのかはっきりしてもらわなければなりません。単に野党からの批判を避けるための話し合いというのでは意味がないからであります。

(高速道路無料化は地域経済の活性化に効果)

また、総選挙後、政府与党は、道路公団の民営化法案の取りまとめも行いましたけれども、小泉総理は、道路族議員と国交省の言いなりで、通行料は優先的に借金返済に充てるという民営化の目的は完全に骨抜きになり、民営化の象徴ともいえる民営化推進委員会は、みずから崩壊をしてしまいました。通行料を無料化して公団を廃止するという私たち民主党のマニフェストに私は一層の自信を深めたところであります。つまり毎年のこれまでの道路財源9兆円のうち2兆円を道路公団の借金返しに充てれば通行料は無料にでき、残りの7兆円の中で本当に必要な高速道路はつくることも可能です。無料化により流通コストが低下し、現代の関所とも言える料金所を全廃して、出入り口を大幅にふやすことで地域経済の活性化にも必ずつながると考えるからであります。

(このままでは財政破綻は必至、分権国家へ)

また、景気について、回復に向かっているという説が流れております。確かに輸出関連の大企業の業績は上昇しています。しかし、地方の経済、特に中小零細企業の現状は惨たんたる状態が続いています。財政に至っては改善どころか、国も地方も悪化の一途をたどっています。財政再建もかけ声だけで平成16年度の政府予算案もプライマリー・バランスからますます遠ざかるその場しのぎの予算になっており、このままではそう遠くない時期の財政破綻は必至の状況です。国のかたちを中央集権から分権国家に根本的に変える大改革が必要で、既に民主党のマニフェストにその改革の第1ステップを提示をしてきたところであります。

(参議院選挙までに農業再生プランを提示)

それに加えて、農業の再生を柱とする地域経済の再建プランを参議院選挙に向けてわが党として打ち出していきたいと考えております。G7各国の食糧自給率は、低いイタリアでさえ70%、多くの国は100%を超えており、日本が食糧自給率40%と最も低いのは、まさにこの間の農業政策の誤りの結果といわざるを得ません。
 もともと日本は水が豊かで農業や林業に向いた自然環境に恵まれています。そして最近は消費者のニーズをしっかり把握し、安全でおいしい農産物を供給する農業企業体が各地に生まれています。自民党のように補助金と公共事業漬けの農政から、日本の風土を生かした安全でおいしい食糧生産業としての農業の再生をめざします。幸いわが党にも農業専門家や農村地域の議員も大変ふえてまいりました。参議院選挙までには民主党の農業再生プランを国民の皆さんに提示したいと思います。
 そしてこうした農業を強化することは、単に農業の再生ばかりではなく、自由貿易協定、つまりFTAを推し進める条件整備にもなり、貿易立国日本を維持していく上からも避けて通れない、やらなければならない大改革だと考えております。

(曲がり角の2004年 健全な日本社会を取り戻す目標設定を)

2004年、ことしは世界的にも日本にとっても大きな曲がり角にあります。歴史上日本は、目標が明確であれば、かなり厳しい条件のもとでもその目標を達成してまいりました。しかし、目標達成後失敗をしてきた歴史があります。富国強兵を達成した後の軍国主義化による太平洋戦争への突入、あるいは経済大国を達成した後の官僚主導政治による財政破綻と急激な少子化がそれであります。私たちはみずからの手で健全な日本社会を取り戻す新たな目標を定めなくてはなりません。目標とすべき日本の姿を模索する議論の中で、過去の日本の伝統的価値を見直そうという機運が強まっています。
 しかし参考にすべき日本の伝統とは何でしょうか。明治維新において日本は列強に対抗して近代化を急ぐため、廃仏毀釈に象徴されるように神道イデオロギーを軸に天皇中心の中央集権国家を強引につくり上げてきた歴史があります。当時としてはやむを得ない選択であったかもしれませんが、その結果、江戸時代まで育まれてきた「八百万の神」といった多神教的な伝統は破壊されてしまいました。

(江戸時代の地産地消の「スローライフ」を参考に)

江戸時代は200年余り戦争のない平和な時代でありました。生活水準も水稲栽培が中心で、比較的豊かな社会で、秩序が保たれ、社会は安定して、高い識字率や庶民に親しまれた浮世絵に象徴されるように、文化的にも同時代のヨーロッパに比べて決してまさるとも劣るものではありませんでした。
 私たちがこれからの日本社会を考えるに当たって参考にすべきは、明治以来の近代化に合わせた大量生産・大量消費・大量廃棄の生活スタイルではなく、その前の江戸時代の地産地消の、最近の言葉でいえば「スローライフ」とも呼べる生活スタイルに私は参考のモデルがあるように思います。日本の農産物を食べ、日本で生産された木材を使うことが、ひいては日本の自然を守り、農山村を子育てに適した地域として復活させることになる、このように考えるからであります。

(アジア諸国との信頼関係を再構築し、アジア連合を構想)

戦後日本は焼け跡の中から奇跡的な経済復興を遂げ、世界第2の経済大国となりました。日本の外交は、朝鮮戦争以来、独立の後も日米安保条約を軸に、しっかりとアメリカの世界戦略に組み込まれてまいりました。日本自身も日米同盟を基軸として平和を享受してきましたけれども、アメリカを通して世界を見るという日本外交の基本姿勢は戦後60年近く変わっておりません。
 今後の日本外交を考える上で、21世紀の世界の中で日本をどのように位置づけ、どのように構想するかがいま問われております。私はまず日本をアジアの中でしっかり位置づけることが必要と考えます。
 日本と同様に敗戦国となったドイツは、戦後長い時間をかけて隣国フランスやイギリスとの信頼関係の構築に努め、米国との同盟NATOに属するとともに、ヨーロッパ連合(EU)の中で中心的役割を今日果たしています。今回のイラク戦争では、ドイツはアメリカの方針に追従せず、フランスとともにイラクへの先制攻撃に反対しましたが、それでもアメリカとの関係が決定的に悪くなってはおりません。
 日本はユーラシア大陸のすぐ東に位置する島国で、文字など文明の多くは大陸から伝えられ、人種的にも文明的にもアジアの一国であります。同時に、アメリカとは太平洋を挟んだ隣国で、本格的なアメリカとのつき合いもペリー来航以来既に150年になろうといたしております。この日本の地理的位置は今後も変わることはありません。
 しかし、日本外交は戦後アメリカ一辺倒の姿勢をとり続け、アジアの国々との信頼回復すら、「ビンのふた」論に代表されるように、アメリカによる保護観察が前提とされてきました。ドイツが近隣の国との間で努力したような、アジア近隣諸国との信頼関係を築く努力を怠ったことが、今日の日本外交を極めて弱いものにしています。アジア諸国との信頼関係を再構築し、遠い将来ではありますけれども、ヨーロッパ連合(EU)に並ぶアジア連合(AU)を構想すべきだと考えます。

(アジア諸国と協力し北朝鮮問題解決の道)

北朝鮮問題についても触れてみたいと思います。
 北朝鮮は、日本に比べてGDPでは200分の1、韓国に比べても20分の1以下の、経済的には小さな国ではありますが、その脅威は核ミサイルを除けば日本自身の防衛努力で十分対応できるものであると思います。拉致犯罪や不審船などに対して政府のこれまでの対応が十分できなかったのは、国としての危機管理意識があまりにも希薄で、その上、縦割り官僚組織の無責任な事なかれ主義が原因です。このことには私たち政治家の責任も大きく、反省をしなくてはなりません。イラクと違って北朝鮮は、韓国、中国、ロシアといった軍事的にも経済的にも大きな力を持つ国々が取り囲んでいます。北朝鮮問題については、核についてはアメリカの関与が欠かせませんが、他の問題はアジアの関係国が協力すれば、解決の道は開かれると思うわけであります。そして平和的に北朝鮮問題が解決されれば、東北アジアという地域は将来の経済発展の大きな可能性を持つ地域として再認識をされることになると思います。

(イラク問題 テロの原因となる感情解消へソフトな対策も必要)

イラク問題についても触れてみたいと思います。
 アメリカは戦後、世界の指導的な国家として、世界の安定や秩序維持に大きな貢献をしてまいりました。そうしたアメリカ外交が9・11連続テロ以来、かなり変わってきたと感じるのは私だけではないと思います。連続テロをアメリカに対する戦争と位置づけ、アルカイーダとそれを庇護するアフガニスタンのタリバン政権を攻撃し、さらにイラクに対して大量破壊兵器を理由に先制攻撃を行い、フセイン政権を崩壊させました。圧倒的軍事力でテロ組織や支援国を崩壊させ、世界を民主主義で統一するという一種の理想主義者である「ネオコン」の発想に沿った政策だと受けとめられています。
 しかし、冷静に考えますと、みずからの命を犠牲にする自爆テロが頻発し始めたのは、パレスチナ紛争が泥沼化してからであります。アメリカに対する自爆テロもパレスチナと無関係ではありません。自爆テロを抑えるためには軍事力も必要ですが、テロの原因となる感情を解消するというソフトな対策もあわせて必要です。ローマ法王ヨハネ・パウロ二世は、ことしの世界平和の日のメッセージで「テロとの戦いに勝とうとするのであれば、それはただ単に抑圧や制裁に訴える手段では不十分です。たとえ武力行使が必要な場合でも、そのときに伴わなければならないのは、テロ攻撃の背後にある動機の、勇気ある正確な分析です」と述べておられます。私はこのローマ法王の言葉にまったく同感するものであります。
 小泉総理は、イラクに対するアメリカの先制攻撃を支持し、フセイン政権打倒後には治安の回復を前提に自衛隊の派遣をブッシュ大統領に約束をいたしました。この間、小泉総理は、内政で低下した支持率を外交でもち直してまいりました。自衛隊の海外派遣で国民の目を外に向け、行き詰まっている国内の改革から目をそらそうとしているとしたら、これは大問題であります。民主党はイラクに対する先制攻撃に反対し、戦争状態が続くイラクに、イラク特措法による枠組みで自衛隊を派遣することには、これまでも反対してきましたし、これからも反対をしていくことをこの場であらためて申し上げたいと思います。
 アメリカも最近になって国際協調路線に舵を切る姿勢を示し始めました。イラクの治安回復は、戦争を始めた米英が第一次的には責任を持つべきですが、イラク人の理解を求めるには、統治機構は米英中心から戦争に反対したフランス、ドイツ、ロシア、中国、そしてできればアラブ諸国も含めた国連主導が望ましく、できるだけ早い時期にイラク人による暫定政権をスタートさせるべきです。

(国際協力を目的とする「国連待機部隊」の創設を検討)

自衛隊の海外派遣についても申し上げます。
 自衛隊はその名のとおり、日本の防衛に専念する「自衛のための実力組織」と位置づけられてまいりました。それが国際協力のため自衛隊の海外活動が拡大してきました。最初はカンボジアでのPKO、9・11連続テロ以降の米軍などへの燃料補給、そして戦争状態の続くイラクにまで復興支援の名目で自衛隊がいま派遣されようとしています。自衛隊をどういう場合に海外派遣することを認めるかの問題は避けては通れない課題であります。憲法第9条との関係で自衛隊を国権の発動として戦闘目的で海外に出すことはできません。しかし、国連軍やそれに準じる国際警察機能を目的とした多国籍軍に、国際公務員、あるいはそれに準じる立場で参加することは、必ずしも憲法上禁止されていないとの解釈もあります。
 そこで、国際協力を目的に海外で活動できる組織を、自衛隊とは別に「国連待機部隊」といった形で設けることを検討していきたいと考えます。ただし、たとえ国連決議による要請があったとしても、実際に国連待機部隊を派遣するか否かは、もちろんのことですけれども、諸情勢を勘案して日本独自で判断していくことはいうまでもありません。

(市民革命に代わる憲法制定の国民運動を主導し、06年に民主党案を示す)

また、憲法について申し上げたいと思います。  現在の日本国憲法は、1946年11月3日に公布され、翌年施行されました。公布の年は干支でいえば丙戌(ひのえいぬ)に当たりまして、実は私の生まれた年でもあります。2年後には暦は再び丙戌に戻り、日本国憲法も還暦を迎えます。この間、わが国では憲法に一切手を加えないでまいりました。もちろん国民主権、平和主義、基本的人権といったすぐれた内容の憲法であるから、手を加える必要がなかったという面もありました。
 しかし、明治憲法も現行憲法も一度も改正してこなかったのはなぜでしょうか。市民革命によって市民がみずからつくった憲法ではなかったため、不磨の大典にしてしまったのではないでしょうか。そしてその背景には、55年体制と呼ばれたイデオロギー対立と、憲法解釈まで官僚任せにしてきた官僚依存政治がありました。幸い私たち民主党が野党第一党となり、不毛なイデオロギー論争に終止符を打つとともに、法案作成もみずから行うようになりました。官僚主権の現状を本当の国民主権の国にするためには、市民革命にかわる幅広い憲法制定運動が必要です。私は広く国民の皆様に、憲法を創る運動を呼びかけていきたいと思います。
 民主党はさきの総選挙で、憲法改正の発議を阻止できる衆議院定数の3分の1を超える177議席を与えられました。それだけに責任は重く、単に批判するのではなく、日本の国のあるべき姿を示す新たな憲法を創る「創憲」を主導してまいりたいと思います。できれば憲法発布から60年目に当たる2006年までに、国民的運動を集約する形で民主党として新たな憲法のあり方を国民に示せるようにしたいと考えます。

(国民一人ひとりが実質的な主権者として行動できる憲法へ)

あるべき憲法の姿について少し私見を申し上げさせていただきます。  憲法を議論する上で国家と国民の関係、そして国と自治体の関係をどう考えるかが問題になります。国民が主権者であることを市民革命によって確立した経験のないわが国では、現行憲法によって初めて国民主権が国の原理とされました。しかし、実際には主権者である国民の権利は選挙権に矮小化され、明治憲法下の「天皇の官僚」と同様に、戦後も官僚組織は国家統治の権限を一手に握り、国民を統治の対象とみなしてまいりました。私が厚生大臣になった最初に、国民は公務員を選任し、また罷免する権限を持つとする憲法第15条を厚生省幹部職員の前で読み上げたのも、今日の日本では国民主権が形骸化しているということを強く感じていたからであります。
 国と地方自治体の関係も、本来は国民の主権を国、県、市といったそれぞれの政府に信託している、複数の機関に信託していると解釈すべきと考えます。しかし、実際には自治体は国の支配下に、より具体的にいえば中央官僚組織の支配下に完全に組み込まれています。国民一人ひとりが実質的な主権者として行動できる憲法がいま必要です。そのためには現在の選挙で代理人を選ぶ間接民主主義に加えて、国民投票や住民投票など直接民主主義をどのように取り入れるか、国民の意思が政治に反映しやすい制度改正を検討する必要があります。
 国と自治体の関係も、自治体ができることはまず自治体が一次的な責任を持つ、「補完性の原理」といわれる考え方をとる必要があります。自治体だけではできない外交、防衛、通貨、あるいは福祉などの基本的なルールづくりに国の権限を限定して、本格的な分権国家とすることが望ましいと思います。

(新憲法には自然と人間の共存など、人間と社会のあるべき姿も)

また、いまから1000年以上前につくられた聖徳太子の17条憲法には、人間としてのあるべき姿といった道徳律が含まれていました。現行憲法は、世界の理想や国の司法、立法、行政といった制度についてはかなり詳しく規定していますが、人間の倫理や日本文化の継承にはほとんど触れられていません。新しい憲法には自然と人間の共存など、人間と社会のあるべき姿も盛り込まれるべきと考えます。
 憲法第29条には、「財産権は、これを侵してはならない」とあり、続いて「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める」とあります。しかし、“公共の福祉”なる概念が不明確なため、財産権が「絶対的所有権」と拡大解釈され、自分の土地ならどう利用しても勝手と、京都のような1000年を超える歴史を持つ町にまでビルを乱立させ、景観を破壊してまいりました。イタリアの古い都市フィレンツェでは、外観を変える建物の改造は禁止されています。美しい景観を環境権の一つとして保護する規定が必要です。環境権の内容にかかわる決定には住民投票を導入すべきだと考えます。
 憲法第90条の会計検査院は内閣からも国会からも独立していますが、税金のむだ遣いを有効にチェックするには、予算を決定し、内閣を監督する権能を持つ国会自身に付随させたほうが効果的だと考えます。

(合意できるところからの順次改正が現実的)

民主党は、既に党内に憲法調査会を設け、創憲の方針のもと多くの議論を重ねていただいております。この時代にふさわしい憲法を国民の力で創ろうとするのが民主党の基本的な考え方です。民主党がリードすることで本当の意味での国民主権の原則、そして基本的人権、平和主義、さらには国際協調を基本とする憲法が実現可能となります。憲法改正において憲法全体を一挙に改める考え方もありますが、合意できるところから順次変えていくというほうが現実的だと考えます。

(日本の政治が公明党を通じ1宗教団体に支配されてはならない)

以上、憲法などについても申し上げましたけれども、最後に当面する政局を含むことについて触れさせていただきたいと思います。
 昨年の自民党総裁選挙と総選挙によって、小泉政権は大きく変質をいたしました。一つは、抵抗勢力の代表・青木参院幹事長と手を握り、小泉政権は名実ともに改革政権ではなくなったということであります。
 そしてもう一つは、公明党に首根っこを押さえられた政権になったということです。いまや公明党は、選挙を通して自民党内に入り込み、さきの総選挙でも公明党の支援を受けた200名にも上る自民党候補の多くは、「比例は公明党」と公然と国民に訴えました。こうした自民党が自立した国民政党とはたして言えるのでしょうか。自民党と公明党は、いまや連立ではなく、融合した政党になってまいりました。
 他方、公明党の浸透を嫌って自民党支持者の自民党離れが目立ってまいりました。例えば東京12区では、多くの自民党支持者や地方議員がわが党の候補者を一生懸命応援してくださいました。かつて公明党の委員長を長年務めた竹入氏は、朝日新聞のインタビューに答えて、公明党のトップ人事は創価学会のトップの意向によって決まる、と述べておられます。日本の政治が公明党を通して創価学会という一宗教団体に支配されてはなりません。このことをしっかり全国民に訴えれば、必ず良識的な保守層は自民党を離れ、民主党を支持してくれると私は確信をいたしております。

(参議院選挙の比例で2500万票の支持を)

ことし7月には参議院選挙が行われます。この選挙で一挙に民主党政権を実現させることは、参議院の性格からして難しいと思います。しかし、6年前の参議院選挙では自民党は改選議席の過半数を大きく割り込み、当時の橋本内閣は即日退陣表明をいたしました。今回の参議院選挙も、小泉政権に対する国民の審判であることは間違いありません。自民党と公明党を合わせた当選者が改選議席121の過半数61を超えるか、それを割り込むかが一つの目安となります。割り込ませるためには27の1人区が特に重要です。3年前の参議院選挙では、岩手県と三重県でしか野党の当選者は出すことができませんでした。今度は1人区で少なくとも10名を超える当選者をめざしてお互いに努力をしてまいりたい。
 また、昨年の総選挙で民主党は比例では2200万人の方からの支持を得、第一党の席を確保することができました。参議院選挙においても、自民党・公明党を合わせた、衆議院の場合には2800万票がこの両党であったわけですけれども、その2800万票から少なくとも300万人の皆さんの支持を私たち民主党が獲得することによって、わが党が2500万人を超える支持を受けられるよう努力をしていきたい、このように考えております。

(おわりに)

以上、年頭に当たって数多くのことを申し上げてまいりましたけれども、いずれにいたしましても、自民党政権が倒れればいつでも政権を担当することができるという、そういう責任ある姿勢を持ってことしも頑張ってまいりたいと思います。
 党員の皆様の一層のご奮闘と、支持者の皆さんのご支援を心からお願い申し上げまして、開会に当たっての代表のあいさつとさせていただきます。
 ご清聴どうもありがとうございました。(拍手)

※見出しはプレス民主編集部
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