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幹事長会見記録

岡田克也幹事長/記者会見要旨 
2011年5月2日(月)16時32分〜17時00分 
編集・発行/民主党幹事長室 
 
★会見の模様を以下のURLで配信しています。 
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110502okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
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■冒頭発言 
○平成23年度第1次補正予算の成立を受けて諸課題に対する党の取り組みを再始動
 
■質疑 
○第1次補正予算について第2次補正予算についてビンラディン容疑者の殺害について沖縄訪問について復興基本法について
 
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■冒頭発言 

○平成23年度第1次補正予算の成立を受けて 
 
【幹事長】平成23年度第1次補正予算が成立いたしました。関連法も含めて成立し 
たわけで、後は一刻も早くこの4兆円を超える補正予算が実施されること、そのこと 
をしっかりと実現していかなければいけないと改めて感じております。 
 補正予算についていろいろな審議がありましたが、すべての党が賛成ということは 
非常にありがたいことだと思っております。数日前までは自民党も含めて賛否は明ら 
かではありませんでした。そういう中でそれぞれ関係者がご努力いただいた結果、全 
党一致となったことは、被災地の皆さんに対しても非常によかったことだと思ってお 
ります。 
 やや残念だったのは、例えば阪神・淡路と比べて10日遅れたことをもって、「遅 
い」という批判がなされました。私に言わせれば、これはためにする批判であると思 
います。規模、それからそのときの状況を考えれば、阪神・淡路の際には年度内にも 
財源がほとんどない状況、今回の場合にはその(平成22年度の)予備費がかなり 
残っていた。そしてとにかく当初予算をまず成立させることで、4月1日からその 
(23年度の)予備費(約1兆円)も使えるようになった。そういう状況を無視し 
た、ためにする議論だと私には思えます。 
規模的にも4兆円を超えるもので、もちろん規模だけで論じられるわけではありませ 
んが、阪神・淡路の際の3回にわたる補正予算の合計を1回で超える規模でありま 
す。そういったことを十分に踏まえたうえでご評価をいただきたいと思っておりま 
す。 
予備費の話で言えば、この予算が成立するまでの間、(22年度予算の)予備費で3 
01億円、それから特別交付税762億円の前倒し交付も行っているところでありま 
す。 
 お手元に配付いたしました(第1次補正)予算のポイントといいますか、中身につ 
いてもっともっと国民の皆さんに伝わる努力を、われわれしなければならないと思っ 
ております。お配りした政調事務局の資料にも書いてありますが、この対策の中に 
は、各党と政府との協議の場で出たこともかなり含まれているわけであります。かな 
りきめ細かいものとなっております。例えば2枚目の「被災児童生徒就学支援等臨時 
特例交付金の創設」、あるいは「スクールカウンセラーの緊急派遣」があります。そ 
れから雇用調整助成金の拡充のための7269億円、助成金の期間の延長とか、ある 
いは個別延長給付に加えて、60日間分の延長をする特例措置を実施するとか、雇用 
に対しては相当に配慮したものになっています。 
 その他、中小企業対策も保証協会による緊急保証5兆円、日本公庫・商工中金によ 
る「東日本大震災復興特別貸付」2.25兆円とか、中小企業に対しても非常に手厚 
い対策になっております。 
 それから前も申し上げましたが、漁場の処理機能や生産力の回復に必要な漂流・漂 
着・堆積物等の回収のために、漁業者1人当たり1日1万2100円を支払う制度。 
これは漁業を1日も早く進めるための対策であるとともに、当面漁業に出ることがで 
きない漁業者の皆さんの生活を支える意味も持ったものであります。 
 それから最後のページにありますように、災害対応の特別交付税を1200億円増 
額いたしました。これは福島原発事故対応にもできるというものであります。 
 そういったところをごらんいただくと、かなり幅広く必要な予算が計上されている 
ことはご理解いただけるのではないかと思っております。政府としても、そして与党 
としても、そういった中身がしっかりと伝わるように、今後、努力していかなければ 
いけないと感じているところであります。 

○諸課題に対する党の取り組みを再始動 
 
【幹事長】連休が終わりますと、この3月11日の災害前に党として考えてまいりま 
したいろいろなことについても順次進めていかなければならないと考えております。 
 そういった観点で、まず5月4日、5日、沖縄協議会として、私自身が、隣におら 
れる(司会役の)藤本祐司さん(広報委員長、沖縄協議会事務局長)もそうですが、 
沖縄県をお訪ねし、知事はじめ関係者の皆さんと意見交換をしてきたいと考えており 
ます。 
この間、この災害が前面に出ることで沖縄の問題がやや扱いが小さくなったかのよう 
な印象を与えておりますが、沖縄の振興は非常に重要な課題でありますので、沖縄協 
議会としてしっかりと受け止めさせていただきたいと考えております。 
さらには、党改革推進本部、昨日長妻さんとお話をして、党規約や綱領の見直しなど 
について議論を再開していただきたいと。それから政治改革推進本部も議論を再開す 
るようにとお願いしたところであります。また、マニフェストの検証委員会も、つ 
くったところでこの大震災が起こりましたので少し時間を置いておりますが、状況を 
見ながらこれも立ち上げていかなければならないと考えているところであります。 
 もちろん、中心はこの大震災への対応、特に1次補正の実施と2次補正に向けての 
様々な準備になりますが、それだけではなくて幅広く党としても取り組んでいかなけ 
ればいけないと考えているところです。 
 
■質疑 

○第1次補正予算について 
 
【毎日新聞・野口記者】第1次補正予算は4兆円というかなり大きな規模になった。 
この額によって、瓦れきの除去や仮設住宅など復旧についてはほぼ十分賄えるとお考 
えか。また、2次補正は緊急に必要とお考えか。 
 
【幹事長】それは補正の中身をごらんいただければわかることでありますが、仮設住 
宅あるいは応急住宅については10万戸分の予算が計上されております。ですから、 
予算的にはこれで手当てされておりますので、後は、それをきちんと土地を確保して 
建設していくことに尽きると思います。予算的にはこれで対応できる。瓦れきの除去 
につきましても、基本的にはそのために必要な予算は計上されておりますので、もち 
ろん、必要があればまた2次補正等でも対応していくことになるかと思いますが、基 
本的には今回の補正でかなりのことができるということであります。 
 したがって、そういう緊急対応的なものについてはこの第1次補正で相当部分がカ 
バーできていると、そうお考えいただければいいのではないかと思います。 
 ちなみに、瓦れき処理、全体で3519億円計上しておりますが、阪神・淡路のと 
きには343億円ですから、その10倍規模のものが計上されているところでありま 
す。 
 
【世界日報・山本記者】自民党が第1次補正予算に入れてほしい項目として、太陽光 
発電を各家庭に早期に充実するための予算、あるいは工場等での自家発電設備の充 
実・補修を提言していたが、それについては一切考慮されていないように見える。そ 
の辺の判断はどのようなことだったのか。 
 
【幹事長】まず自然エネルギーにつきましては、基本的には、固定価格買取制度を早 
く法制化することが最も効果的な対策であると思います。われわれとしてはそういう 
ことを提案しておりますので、ぜひ早く国会できちんと議論していただき、法律を成 
立させていただく、そういったことで新エネルギーがかなり本格的に入るということ 
だと私は思います。 
 その他の問題、自家発電に限らず、今回の予算の中には漁業者をはじめとするいろ 
いろな影響を受けた施設に対する支援策は、融資に限らずかなり盛り込まれておりま 
すので、そういうものがあることをご承知いただきたいと思っております。 
先ほど言いました保証協会による保証とか、あるいは政府系金融機関による特別貸 
付、事業規模2.25兆円、そういったものが準備されているということでありま 
す。 
 
【朝日新聞・南記者】1次補正成立にあたって自民・公明と3党で結んだ合意(文 
書)について伺いたい。その中で特例公債法案についての記述があり、自民党側はマ 
ニフェストの見直しを前提にして成立に向けて進めていくという話だが、民主党とし 
ての認識は、特例公債法案の成立に向けて一歩前進という認識か。 
 
【幹事長】「一歩前進」というのは何を起点に考えているかによりますが、いずれに 
してもあの合意(文書)に書いてありますように、子どもの手当とか、あるいは(高 
速道路の)料金割引(利便増進事業)、これは実は高速道路無料化ではないのです 
ね。料金割引というのは、われわれ無料化実験はすべてなくしたわけですから。今 
回、一時凍結して予算上はゼロですから。あとは料金割引という自民党が始めたもの 
についても、自民は反対されましたが、土日上限1000円というのを廃止いたしま 
した。最後まで自民党は反対されましたが。さらに深掘りをしたいと考えておりま 
す。 
 こういうことは必ずしもマニフェストではなくて、従来からやってきた政策です 
が、私の決意はそういったこととか、あるいは公共事業の(執行の)5%留保とか、 
公務員給与の引き下げとか、ODAもやりましたが、様々なことについてもう一度き 
ちんと見直しをして、財源として出せるところは全部出すという考え方でおります。 
公務員給与につきましても、一部の新聞で数字などが出ております。私はあの数字が 
正しいとは思いませんが、ただ、公務員給与を引き下げることについては、私は従来 
からこの場で何回も申し上げました。どなたもそれについて質問していただけません 
でしたが、最初から決意を持って申し上げているところであります。 
 
【日経新聞・恩地記者】1次補正の編成過程では、例えば2.5兆円の年金財源を 
使った経緯があったが、これについて党内議論が尽くされていなかったという声も党 
内にはある。2次補正に向けてはさらに税というシビアな議論が控えているわけで、 
一応、政府・与党という政策決定の仕組みではあるが、党内の積み上げの議論は必要 
であるとお考えか。 
 
【幹事長】それは大いに行うべきだと考えております。いろいろな、例えば雇用保険 
(特別会計)にかかわる、そこにあるお金を何兆円か使えばいいという議論も、党内 
にもありますし、みんなの党などは盛んに主張するわけです。私は、雇用対策はこれ 
から非常に重要なのに、それを別の目的で取り崩すことは非常に考えにくいことだと 
思いますし、そもそも雇用保険特別会計のお金は、雇用対策ということで働く人々の 
給料から差し引いているわけで、一般財源ではありません。そういうものを一般財源 
的に使うことは相当な議論が必要です。ですから、そういうこと1つ1つについてき 
ちんと議論して、そして党内的にも理解・納得を得ながらやっていくことが重要では 
ないかと思っております。 

○第2次補正予算について 
 
【産経新聞・宮下記者】先週、公明党の井上幹事長が会見で、2次補正については今 
国会中にやるべきだとおっしゃった。7月に編成がずれ込むという話もあるが、今国 
会中に2次補正をすべきかどうか、また、延長の可否も含めてお考えを伺いたい。 
 
【幹事長】現時点では何も決まっておりません。大事なことは、今日1次補正が成立 
したわけです。4兆円という非常に重要な中身を持った補正予算ですから、これを早 
く実施していく。そういう中でどこが足らないのか、そして本格的な復興のために何 
が必要なのか、そういうことをきちんと議論していくことが重要で、まず延長なしと 
か、ありとか、何月にということではないと私は思います。 
予算は組んだら終わりではなくて、それをいかに本当に被災者の皆さんの役に立つよ 
うに使っていくかということが大事なので、当面はそのことに重点を置くべきだと思 
います。それ以上のことは、少し時間がたって、おのずと見えてくるのではないかと 
思っています。 
 
【毎日新聞・野口記者】昨日の予算委員会で、野田財務大臣が「税と社会保障の一体 
改革の成案がまとまらないと、2次補正はつくれない」とおっしゃったが、幹事長も 
同じ認識か。 
 
【幹事長】税と社会保障の一体改革と2次補正とは直接リンクしたものではないと私 
は思います。ただ、税と社会保障の一体改革は、6月に一定の結論を得るということ 
で政府としてはお進めいただいていると思いますので、おそらくそれが先行するのだ 
ろうなとは時系列的には思いますが、直接リンクするものではありません。 

○ビンラディン容疑者の殺害について 
 
【読売新聞・末吉記者】今日アメリカが、同時多発テロの首謀者ビンラディン容疑者 
を殺害したと発表した。この発表についての受け止めと、民主党政権になって昨年1 
月には新テロ特措法が延長されずに、インド洋での海上自衛隊の給油活動が終了し 
た。テロとの対決のあり方について、党としてこれまで一貫性のある対応ができてい 
たか、幹事長の受け止めを伺いたい。 
 
【幹事長】ビンラディンが亡くなったことはアルカイダの力が弱くなるということ 
で、テロのない世界を目指しているという観点からすると、そのことは大きな前進で 
あると考えております。 
 インド洋の問題は、私も外務大臣としていろいろと考えましたが、実態がどれだけ 
あるのかということもよく考えなければいけないと思います。パキスタンの艦船に対 
する(燃料の)補給がかなりの部分を占めて、一時期のように米海軍などに対する補 
給は非常に限られていた。もう1つは、これは、必ずしもアフガニスタンで活動する 
テロ組織との関連というよりは、もう少し海域的には広い範囲になっていて、本来の 
法目的を逸脱しつつあった。日本は法治国家ですから法に基づいて進めなければいけ 
ないという観点から見ても、かなり無理があると判断したところであります。 
 
【朝日新聞・南記者】9・11以来、日本も「テロとの戦い」に向き合うことになっ 
た。特にアフガニスタン等の地域に与えた影響を踏まえたときに、この対テロ戦争を 
幹事長としてどのように総括しておられるか。 
 
【幹事長】ちょっと質問が漠然としていて、非常に答えにくいのですが、「テロとの 
戦い」「対テロ戦争」というのは、非常にいろいろな意味で使われておりますので、 
簡単にコメントはできません。 
 ただ、アフガニスタンにおいて、アルカイダを中心とするテロ組織がそこを一つの 
拠点にしていたことは事実で、そういったことに対して日本としても、直接自衛隊を 
派遣はしていないものの、各国と協力しながらいろいろな対策を講じてきたというこ 
とは申し上げられると思います。 
 
【産経新聞・宮下記者】幹事長は、ビンラディン容疑者の殺害について「大きな前 
進」と言われたが、これをもって「テロとの戦い」が終わると思われるか。逆に報復 
テロが出てくる可能性も指摘されるが、どのように認識しておられるか。 
 
【幹事長】それは簡単に終わるものではありません。やはりグローバル化した世界の 
中で、いろいろな兵器なども拡散いたしましたし、例えば対戦車砲なども軍でなくて 
も持てるような状況があったりするわけですから、テロリストといわれる人たち、国 
ではなくて個人あるいは組織で国家に対抗する流れが簡単になくなるとは全く考えて 
おりません。 
一番根本はやはり貧困をなくしていくことで、今回のアフリカのTICADW(アフ 
リカ開発会議)に、松本外務大臣も出席されましたが、そういうことも非常に日本ら 
しい「テロとの戦い」の1つの姿だと私は位置づけております。 

○沖縄訪問について 
 
【時事通信・近藤記者】4日、5日の幹事長の沖縄訪問、その後7日から北澤俊美防 
衛大臣が沖縄に入られて、普天間基地の移設について理解を求めると見られている 
が、党としても普天間の基地移設について、知事などとの会談の際に理解を求める予 
定はあるか。 
 
【幹事長】会談したから理解が得られるわけでは必ずしもありません。もう少し幅広 
く沖縄と向き合う、沖縄の声に耳を傾けるというのがわれわれの沖縄協議会の趣旨で 
すので、そういう趣旨に沿って、知事はじめ皆さんと対話していきたいと思います。 

○復興基本法について 
 
【日経新聞・恩地記者】当初は政府としては復興基本法の今日(5月2日)の閣議決 
定を目指していたが、これが連休明けに延期された。野党を含めた「復興実施本部」 
の調整を続けていると思われるが、政府案から変える余地はあり得るか。 
 
【幹事長】国民新党の亀井代表や下地幹事長とも議論しながら、調整作業をしており 
ます。中身はいろいろありますが、でき得れば、復興段階で野党の協力を得ることが 
できれば、それはいろいろな意味でスピードアップできると。例えば法律一本とって 
も事前に調整できるわけですから、国会のねじれというものを克服できるわけで、全 
体について、例えば与党に入るとかいうことは非常に難しくても、復興問題について 
は与野党で協力していく態勢がとれれば非常にいいと考えております。 
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