輿石東幹事長/記者会見要旨
2011年10月3日(月)16時01分〜16時25分
編集・発行/民主党幹事長室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○与野党幹事長会談について
■質疑
○与野党幹事長会談について
○朝霞公務員宿舎の建設凍結について
○小沢元代表の発言について
○世論調査の結果について
○野田総理の情報発信について
○野田政権1ヵ月の評価について
○TPPについて
○公務員宿舎の建設凍結について
○選挙制度改革について
○政治資金規正法改正案について
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■冒頭発言
○与野党幹事長会談について
【幹事長】先ほど平野国会対策委員長に、自民・公明両党の幹事長、それから各野党
のみなさんに、ぜひ明日にも3党幹事長会談、続けて与野党幹事長会談を開催させて
いただいて、今後の協議に入りたい、そういう申し入れをしてもらうように指示をい
たしました。
なお、もう1つ、前回緊急に野党のほうから要請があった与野党幹事長会談の中
で、各党個別に党首会談を行いたいという要請がありましたので、そのことも含めて
今週中には、総理や各党の党首のご都合もあるでしょうが、党首会談も実現できるよ
うにお願いすると、こういう中身で今、平野国対委員長が各党に折衝というかお願い
をしていると思います。
■質疑
○与野党幹事長会談について
【時事通信・市川記者】確認ですが、3党幹事長会談を要請されているのは、明日の
午後ですか、午前ですか。
【幹事長】できるだけ早く、で。今日お願いして今日と言ってもとても無理だと思う
ので、明日以降ということで、こちらは他党の皆さんに極力時間を合わせたい。た
だ、明日は午前中、連合の定期大会があって、私自身もその出席要請がありますの
で、その旨はお伝えしました。こちらの都合を言えば、明日の午後のほうが都合がい
いと。
【毎日新聞・横田記者】3党協議や与野党協議に関しては、自民党の谷垣総裁が「予
算案を国会審議前にすべて固めてしまうのは、国会の議論を形骸化させるものだ」と
いう考えを示している。幹事長としては、予算案の提出前に野党と合意したうえで出
したいお考えか。
【幹事長】谷垣総裁の言われた意味がもうひとつわかりませんが、あなたの発言をお
借りすれば「国会審議を形骸化することになるから受けない」、そういう意味だった
ら、それは少し違うのではないか。
私どもと自民党さんと公明党さんの3党合意、これは経過があって、復興基本法の
一番根っこにある財源をどうするかというところで、この未曾有の復興財源は復興債
で賄おうというのも3党合意の中から出てきた話でして、その継続として今後も協議
を続けたいということですから、国会が始まっての「国会審議の形骸化」になるとは
一概には言えないのではないか。継続性もあるので、ぜひ協議に入っていただきたい
と思っています。
【読売新聞・小坂記者】自民党が明日の3党幹事長会談に応じないという回答をして
きた場合、その後の与野党幹事長会談は、3党幹事長会談をせずに、するということ
もあるのか。
【幹事長】(自民党が)「だめだ」と言って3党の幹事長会談が成立しないから与野
党全党の幹事長会談が開催できない、ということではないので、それはそういうお返
事が来たときにまた考えてみたいと思っています。
○朝霞公務員宿舎の建設凍結について
【NHK・長谷川記者】凍結方針が決まったが、自民党の大島副総裁が、「野田総理
は、財務大臣のときにゴーサインを出して、批判を受けると凍結というのは、ぶれる
政治だ」と批判している。このあたり幹事長はどのようにお考えか。
【幹事長】それを「ぶれた」と、そういう理解をされるかどうかは別にして、財務大
臣のときに「建設に入る」という野田現総理の発言は、3月11日以前のことだった
ので、こういう未曽有の災害が起きたということが1つ。それから与野党含めて、公
務員住宅について少しぜいたく過ぎるのではないか、優遇され過ぎるのではないかと
いうご批判もある。こういうもの2つを勘案して総理の決断になったと理解していま
す。
○小沢元代表の発言について
【朝日新聞・二階堂記者】今日、小沢一郎元代表が自ら主宰する政治塾で、「今、総
選挙をしたら、どの政党も過半数を取れない」という認識を示されたが、幹事長も同
じような認識をお持ちか。
【幹事長】同じ認識かって、選挙をやってみなければ結果はわからないが、私も、小
沢元代表が言われるように今、衆議院選挙をやっている時期ではないと。未曾有の復
旧・復興に全力投球し、円高・デフレが全世界の経済に連動して、世界恐慌にもつな
がるという、経済対策も打っていかなければならないときに、衆議院解散・総選挙は
適切でないと思っています。
○世論調査の結果について
【産経新聞・坂本記者】産経新聞とFNNの世論調査で、内閣支持率が3.9ポイン
ト減の56%と、依然高い数字であることの受け止めと、元秘書3人が有罪判決を受
けた小沢元代表に対して「議員辞職をすべき」が81.1%、「国会での説明責任を
果たすべき」が86.9%あったが、これについてのお考えを伺いたい。
【幹事長】内閣の支持率が若干低くなったということは、これはいろいろな要素もあ
るでしょうが、政権が発足して1ヵ月、まずまずのスタートだったと私は思っていま
すし、真価が問われ、国民のみなさんに野田政権の本当の力を見ていただくのはこれ
からだと思いますので、そのように理解をしております。
それから小沢さんの問題で3人の秘書が有罪になった。それを受けて「議員辞職す
べきだ」あるいは「国会での説明責任を果たすべきだ」というのが8割を超えてい
る、これについてどう思うかというご質問だと思いますが、私は常々、この種の話
は、小沢さんの裁判が終わるまで同じような質問をされれば同じような結果が出てく
るのではないかと思っています。
【フリーランス・安積記者】世論調査の数字について、幹事長は「これから国民に本
当に評価されるときだ」とおっしゃったが、岡田前幹事長は、下がっていく菅内閣の
支持率については「数字に一喜一憂はしない」という姿勢を貫かれた。今後、野田政
権の支持率が、上がっていく場合は置くとして、もし下がっていった場合は、その数
字について真剣にお受け止めになるおつもりか。
【幹事長】岡田前幹事長が「支持率に一喜一憂しない」と、そういう発言をされたこ
とと、野田内閣がこれからもし残念ながら支持率が下がっていったときには、それを
一喜一憂しないといってしまうのか、それともどう考えるのかと、そういう意味です
ね。
それはやはり国民世論の1つの参考資料ですから、きちっと受け止めていかなけれ
ばならないと思っています。
○野田総理の情報発信について
【NHK・長谷川記者】野田総理が「ぶら下がり取材にかえて、随時、会見をやりた
い」と言っている。そうすると総理大臣という最高権力者が自分の都合のいいときだ
け情報を発信する懸念もあると思うが、幹事長はどのようにお考えか。
【幹事長】そういう意味で野田総理が「随時」という言い方をしたのではないと思い
ます。「ぶら下がり取材」とか、私も経験していますが、ちょっと廊下で一緒に、私
の番記者もいろいろなことを質問してくれます。それは気楽にぽっと一言何かそれに
答えると、それがあたかも取材のように、一番の何かを言ったかのように報道される
危険もある。それが国民の皆さんに正しく伝わればいいが、そういうことでもない。
それは国民の皆さんにとっても不幸なことだ。
正しいことが正確に伝わることが報道の使命だろうと思いますので、そういう意味
で「随時」というか、記者会見はきちんとやりますと。お互いの都合もあるでしょう
から、整理をされたところできちんと自分の、また政権としての、リーダーとしての
発言をしたいと、そういう意味だと思います。
○野田政権1ヵ月の評価について
【朝日新聞・二階堂記者】幹事長は、野田政権スタートから1ヵ月で「まずまずのス
タート」という評価だが、この間、鉢呂経済産業大臣の辞任や、臨時国会の会期延長
をめぐって国対幹部が辞表を提出したり、復興増税をめぐって閣僚と前原政調会長の
間で増税総額の説明の食い違い等、続いたと思うが、それも含めての「まずまずのス
タート」という評価か。
【幹事長】その3つの事例については十分承知していますから、それも含めてなのか
と言えば、含めてであります。
それから、1つだけ。財務大臣と政調会長が対立したと言うが、それは決して対立
したのではないと思っています。11.2兆円で当初予算を組んでいかなければなら
ないというところをとらえて、「財務省が猛烈に巻き返したから、9.2兆円ではな
く11.2兆円になったんだ」という報道がありますが、その中身は違うでしょうと
いうことは、昨日のテレビ朝日でも申し上げたとおりであります。
○TPPについて
【読売新聞・小坂記者】週末のテレビで輿石幹事長は「TPPについて、野田総理が
APECで何らかの発信をするだろう」という見通しを述べられたが、党内議論のス
ケジュールとAPECでの総理の発信との関係はどのようにお考えか。
【幹事長】このTPPは、経済連携交渉にどういう態度で臨むのかという意味合いで
しょう。それは「積極的に参加します」という言い方をすると、「日本の農業はこれ
でもって崩壊してしまうのではないか」というご意見が出る。
しかし、世界経済の流れを取り込んで、そして日本もきちっと経済発展していく、
そういうことを視野に入れていかなければならんとすれば、これはどちらかを優先す
る、しないという話ではなくて、両立するようにどのように理解を図り、どういう対
策を練っていくかということを、11月のAPECまでにわれわれも真剣に議論し、
それを受けて総理も国際舞台で発信してくれるだろうと思っています。その発信の中
身はまだわかりません。
【読売新聞・小坂記者】11月のAPECまでに、党としての議論の方向性はある程
度まとめていくべきだとお考えか。
【幹事長】これからどこまで議論が詰まるかはわからない点があるが、それはAPE
Cで必ず議題になるでしょう。だから総理お一人に任せておくという話ではなくて、
それこそ400人を超える私たち与党の議員が、真剣にその問題を議論する必要はあ
ると思っています。
○公務員宿舎の建設凍結について
【北海道新聞・小川記者】朝霞以外の公務員宿舎についても今後、計画を中断する、
または廃止するお考えについて、幹事長はどう思われるか。
【幹事長】これは財務大臣が、中央区、港区、千代田区、3区内の公務員宿舎をもう
1回洗って、そして危機管理上どうしても必要なもの以外は売却というか整理をする
方向で検討に入りたい、そういう方向も示されています。そういう方向で検討してま
いりたいと思っています。
【時事通信・市川記者】公務員宿舎の廃止を朝霞以外にも検討されるのは、臨時増税
を控えて政府側からも身を削る部分を具体的に示すというお考えなのか。
【幹事長】国民に増税という形で負担をお願いするのには、政も官も自ら身を削る、
そしてみんなで負担を分かち合うという、その範を政も官も示すべきではないかとい
う国民のみなさんのお気持ちも大事にしなければいけない。
そういう意味で、かなり私どもはやっているつもりです、税金のムダ遣いの問題
も。しかし、なかなか国民のみなさんにも見えてこないし、マスコミのみなさんも
「こういう努力をしている」という報道はしてくれないので、そういう1つ1つをき
ちっと目に見えるようにしていくことも必要だろうということで、そういう判断をし
ております。
○選挙制度改革について
【朝日新聞・二階堂記者】衆議院の選挙制度改革について、昨日、自民党の谷垣総裁
はテレビ番組で「次の臨時国会で結論を出すべきだ」という認識を示された。次の臨
時国会でとなれば、早急に政党間協議の議論が始まると思うが、どのように進めてい
くのか、そのスケジュール感を伺いたい。
【幹事長】今、谷垣総裁のご発言もありました。復旧・復興に限らず、一票の格差の
是正なくして次の衆参の選挙は最高裁をクリアできない宿命にありますから、これは
全国会議員が真剣に考えなければならない問題。いずれも2年後には必ず選挙がある
という時期でもある。
だから、できるだけ早く始めることはいいことですが、各政党間、置かれた立場に
よってなかなか議論が1つにパッとまとまっていく保証もない。まず、それぞれの党
内できちんと議論していただくことが必要であり、そういう意味からも与野党協議の
必要性が高まっている。
だから「この問題はできないよ」「この問題は急げ」というのではなくて、選挙制
度も復興問題も経済の問題も、与野党で協議をし、この国難をどう乗り切っていくか
ということに尽きると思いますので、早くやれるところからやっていくことになろう
かと思っています。
私の感覚で言えば、臨時国会で与野党協議に入れればいいけれども、なかなか難し
いのではないかと思っています。
○政治資金規正法改正案について
【日経新聞・黒沼記者】公明党が主張している、政治家の秘書に対する監督責任の強
化を盛り込んだ政治資金規正法の改正案について、党で改めて検討を指示される考え
はお持ちか。
【幹事長】この間から、幹事長会談でも、昨日の日曜討論でも申し上げた、小沢元代
表の問題は、先ほどご質問がありましように、この種の質問をしていただくと、説明
責任にしろ証人喚問にしろ、その問題はいつも8割ぐらいのところは出てくると。そ
ういうものを繰り返し繰り返しやっているよりも、今後、「政治とカネ」の問題が国
会で議論されなくてもいいというふうにならなければ。国民の皆さんもそれを願って
いるでしょう。
そうすると、そういう事態にならないようにするために、現行の政治資金規正法を
少し洗ってみる、見直してみる。その1つの材料として公明党さんから、政治家の監
督責任を盛り込んだ法案が出ているので、これの審議をしようではないかというご提
案があるから、政治資金の問題、「政治とカネ」の問題の再発防止に向けての1つの
提案でもありましょう。そのことも含めてみんなで協議していきたいということを私
は申し上げているのであります。