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幹事長会見記録

輿石東幹事長/記者会見要旨 
2011年10月24日(月)18時03分〜18時25分 
編集・発行/民主党幹事長室 
(発言項目ごとに編集した要旨となっています。) 
★会見の模様を以下のURLで配信しています。 
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20111024koshiishi.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
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■冒頭発言 
○タイの洪水、トルコの大地震について政府・民主三役会議を開催選挙制度改革について

■質疑
○TPPについて大阪府知事選についてTPPと地方、農業政策について参議院の選挙制度改革について復興債の償還期間について政党間交流について
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■冒頭発言 

○タイの洪水、トルコの大地震について 
 
【幹事長】なんでこんなに今年は世界的に災害が起きるのかと、そんなことを思わざ 
るを得ません。トルコでマグニチュード7.2の大地震があった。タイの洪水も心配 
される。トルコもタイも日本とのおつき合いは大変親しい仲ということで、東日本の 
災害にも救援隊を送ってくれた経過を見れば、1日も早い復興をと願わずにはいられ 
ません。 
 このことについては「まだ実態もきちんと把握できていない。どういう応援をして 
もらうかも今検討中だ」、そういうお話もありますので、そういうことを勘案しなが 
ら、政府・与党一体となってきちんと支援ができるような態勢をつくってまいりた 
い。これが1点目です。 

○政府・民主三役会議を開催 
 
【幹事長】2点目の問題は今日、政府・民主三役会議を、お昼を挟んでやりました。 
当然のことながら、いよいよ28日にも第3次補正の骨格を国会に提出して、野党の 
皆さんにもご協力をいただいて真剣な審議をいただいて、1日も早い成立を図り、3 
次補正の目的であります東日本の復旧・復興等の対応をきちんとしていきたいと思い 
ます。 

○選挙制度改革について 
 
【幹事長】3点目の問題としては、特に衆議院の樽床代行のもとに選挙制度の話し合 
いを、年内をめどにきちっと結論が出るように、それとあわせて参議院でも、議長の 
もとに結論を得るべく努力していくという確認がされていますので、そんな方向でき 
ちっと対応してまいりたい。 
 
■質疑 

○TPPについて 
 
【フリーランス・横田記者】前原政調会長はテレビ番組で「とりあえず(交渉に)参加 
して、国益に反するようであれば撤退すればいい」と発言したが、慎重派の勉強会で 
外務官僚は「交渉を始めたら、抜けるのはなかなか難しい。それは政治的判断だ」と 
否定的な答えをした。これは(前原政調会長が)事実と違う虚偽の発言をテレビで流 
したように思えるが、交渉に参加して抜けられる根拠を教えていただきたい。 
 
【幹事長】今、何て言われた?“虚偽”の? 
 
【フリーランス・横田記者】事実と違う内容の発言をNHKの討論番組で前原政調会 
長はしたのではないかと。外務官僚は「抜けるのは難しい。政治的判断だ」と言って 
いる。途中で抜けるのは日米関係に影響を与えるのは明らかで、そういう非常に困難 
なことを、さも簡単にできるかのようにテレビで公言したのは問題発言で、TPPの 
本質をゆがめた、事実と違った発言をしたのではないか。 
 
【幹事長】事実と反する発言をしたのではないかと、あなたはとらえているというこ 
とですか。 
 
【フリーランス・横田記者】少なくとも党内で意見が割れている中で、党を代表して 
テレビ番組に出て、偏った見方だけを一方的に言って、しかも根拠も示さずというこ 
とは非常におかしなことだと思ったので、その辺の見解をお伺いしたい。 
 
【幹事長】私は、政調会長がそんな偏った考えを披歴したとか、そうは思っていない 
し、それは交渉事項ですから、やってみて、これは国益に反して大変なことになるな 
と思ったら、そういう場合は撤退することもあり得るでしょうと。そういう意味のこ 
とを言われたと……。 
 
【フリーランス・横田記者】外務官僚は、そういう例は1回もないという発言をして 
いるから。 
 
【幹事長】それは外務官僚としての考え方でしょう、1つの。それはそれでまたいい 
じゃないですか。 
 
【西日本新聞・河合記者】前原政調会長の、TPPに関して途中で撤退もできる、外 
交交渉によっては可能だという趣旨の発言だが、幹事長ご自身はこの考え方について 
は同調されるか。 
 
【幹事長】外国との交渉は、まず国益を考えるわけでしょう。だから前原政調会長 
も、国益に反するような事態が起きたら、そういうことはないだろうと思ってTPP 
の議論もしているのだけれども、万が一そういうことであれば、それはそのまま従う 
というわけにはいかないでしょう、そういう場合は撤退ということもあり得るでしょ 
うと、そういう仮定の話をしたので、最初から「撤退しますよ」「やってみなければ 
わからないからやるんだ」なんて、そういう意味で言ったのではない。横田さんの質 
問とも通じる話だと思います。 
 
【フリーランス・横田記者】日本の「国益」とおっしゃったが、TPPに参加してメ 
リットがある、21分野のうちの2〜3分野を挙げていただきたい。具体的にどうい 
うメリットがあるのか教えていただきたい。櫻井充さんはテレビ番組で「21分野の 
うちメリットがあるところに限定して参加すればいいのではないか」とおっしゃって 
いるが、この条件つき参加についてのお考えも伺いたい。 
 
【幹事長】交渉が始まる前に、21分野で「この問題は日本にとって有利です」「こ 
れはマイナスになるから」という前提条件をつけて……、交渉というのはこれから 
やってみなければわからない分野が非常に多いわけですから。だからこそ前原政調会 
長の発言になっていると思います。だから、私が具体的に「21分野の(うち)日本 
が利する問題はこの分野だ」とか、参議院の櫻井政審会長の「そういう不利なところ 
はやらなければいい」という意見もある、そういうもろもろの意見を総合して交渉に 
臨んでいくわけですから、これからの議論の結果を待ちたいと思っています。 
 
【通信文化新報・園田記者】郵政特別委員会の質疑が明日から始まるが、かなり(郵 
政改革法案の)成立の機運は高まってきていると見ておられるか。また、TPPが郵 
政に与える影響も指摘されているが、そういう問題も絡めてどのようにお考えか。 
 
【幹事長】郵政改革法案とTPPの関係はどうかということですか。あなたが質問し 
ようとしているのは、TPPに対して国民新党さんが反対されている、その影響はな 
いのか、という意味でしょうか。中身ではなくて。 
 
【通信文化新報・園田記者】国民新党がというよりも、民主党の会合で配付された外 
務省の資料の中に、郵政の問題も21分野の中に1つの項目として入ったことで若干 
影響があるということが。今回はそんなに問題になっていないとは思うが、法案の成 
立に少し影響してくるのかと。 
 
【幹事長】TPPの範囲は、単なる農業問題ではなくて、医療分野や郵政の問題にも 
かかわっていると。それが、影響がないかというご質問ですね。 
 そういうことも含めて、今、TPPに対して夜を徹しても議論を行おうとしている 
ので、そこも見守っていかなければならんだろうと思っています。 

○大阪府知事選について 
 
【朝日新聞・二階堂記者】大阪府知事選に民主党は候補者を出す予定だが、自民党・ 
公明党と相乗りで戦う方針に変わりはないか。 
 
【幹事長】自民党、公明党と相乗りでやっていきますということは、誰も提案もしな 
いし、そういう発言はしていないはずです。 
 
【読売新聞・小坂記者】民主党の公認候補を擁立する方針に違いはないか。 
 
【幹事長】大阪府連、これは平野国対委員長が府連代表でもありますから、今真剣に 
結論を出すべく府連として検討している状況だと思います。 
 
【毎日新聞・高橋記者】橋下知事や維新の会は、大阪市を解体して特別自治区に再編 
するという都構想を掲げている。一方で、政令市の権限を強化すべきだという声もあ 
るが、都構想についてどういう見解をお持ちか。また、今後大都市のあり方をどのよ 
うにしていくべきか、教えていただきたい。 
 
【幹事長】都構想とか大都市をどういう姿に変えていくかというのは、大都市だけを 
視野に入れて日本の国づくりはできないでしょうから。どういう国のあり方、今後、 
道州制にするのかしないのかも含めて、そういう議論は、それは維新の会の1つのお 
考えだととらえています。 
 
【時事通信・市川記者】投開票日が近づくに従って、大阪府知事選と市長選の話題が 
大きくなっている。ちょっと気が早いが、この結果が中央政界に与える影響について 
はどうお考えか。 
 
【幹事長】まだ選挙も始まっていないし、結果も出ていないのに、そのことにコメン 
トするほうがおかしいと思います。 
 
【産経新聞・坂本記者】公認候補擁立については検討中だということだが、相乗りで 
はなくて民主党として独自候補を擁立したほうが望ましいとお考えか。 
 
【幹事長】そのことを含めて、いろいろな要素を含めて、今、府連を中心に検討して 
いるということですから。しかし、時間的制約もありますので、間もなく結論を出し 
てくれると思っています。 

○TPPと地方、農業政策について 
 
【フリーランス・横田記者】先ほど「大都市のためだけの政治ではない」とおっ 
しゃったが、TPP参加によって農業が壊滅的な打撃を受ける、山田正彦議員が視察 
に行った韓国でも「7割ぐらいが壊滅的打撃を受けた」という指摘をしている。小泉 
政権時代のように、地方・農村部を切り捨てることにならないのか。 
 
【幹事長】この問題は(先日の)全国幹事長・選挙責任者会議の中でもそういうもの 
が出てきました。そういう見方があるよと。今、横田さんが言われるように、「『地 
方をだめにし、日本の農業をだめにするのが民主党・野田内閣ではないか』という見 
方や見られ方があるので、ここはきちっと慎重に、真剣に対応してもらったほうがい 
いよ」というご指摘もあります。まさにそのとおりだと。そういう心配があるから、 
「なんでそんなに急ぐんだ」ということでしょう。 
 そのことも含めて今、私どもが今日の政府・民主三役会議で確認したのは、このT 
PP問題を契機に、とりわけ日本の農業が壊滅的な状況になるだろうというJAの皆 
さんのご心配、萬歳章会長以下「これ、絶対認められないよ」という声もあることは 
確かですから、なおのこと、これを日本農業のチャンスととらえて、まず農業政策を 
どうするかということを中心的な課題にして議論をやっていこうと。今そういうこと 
でやってもらっていると思います。 
 私たち自身も、農林省や経産省の官僚の皆さん、担当の皆さんとも議論をして、お 
互いに対立ではなくて、この機会にどちらも共生できる、両立できるような方向を考 
えていこうということで、議論を深めていると思います。 
 
【フリーランス・横田記者】農業再生のプランができて、これで日本の農業は大丈夫 
だというコンセンサスが得られてから(TPPに)参加表明するかどうかを決めると 
理解してよろしいか。 
 
【幹事長】農業政策の、「こういうものであれば日本の農業は再生する」というもの 
があれば、半世紀以上、日本の農政はもう少し何とかなったと思いますので。そんな 
にきちっとしたことができるはずもない。しかし、そのことを契機に日本の農業を本 
当に再生させるチャンスにしていこう、こういう議論をしていこうということであり 
ます。 

○参議院の選挙制度改革について 
 
【時事通信・市川記者】参議院の選挙制度改革について、議長のもとに各党でつくる 
協議会があるが、議長が今体調を崩して休んでいる状況で、開会のめどについてはど 
のように見ていらっしゃるか。 
 
【幹事長】そのような、市川さんのご心配はないと思います。このあいだ、西岡議長 
自身もそのことが一番の避けて通れない議題ということで、ちょっと公邸へ来てくれ 
ということで、私自身もその話し合いをしてきました。 

○復興債の償還期間について 
 
【日本経済新聞・黒沼記者】3次補正をめぐる協議の中身について、先ほど党の役員 
会で前原政調会長からご説明があったと伺っているが、償還期間は15年で固まった 
という理解でよろしいか。 
 
【幹事長】これは「15年で固まった」「10年で固まった」という話ではなくて、 
政調会長レベルで出てきた話ということで、まだ最終的な話し合い、結論が出たわけ 
ではありません。途中経過の話ということです。前原政調会長が、償還期間を長くす 
べきだという自民党さんや公明党さんのご意見に対して、「じゃあ15年ではいかが 
でしょうか」と。この15年ということは役員会でも議論した経過があります。 

○政党間交流について 
 
【朝日新聞・二階堂記者】新体制になって党間交流を進めようという考えだが、今進 
める目的と狙いをお聞きしたい。また、アメリカ、ロシア、韓国とは今後具体的にど 
のようにアプローチして、何を期待しているのか。 
 
【幹事長】党間交流の目的というのは、外交というのはいろいろな形で、党間交流も 
あるでしょう、議員間交流もあるでしょう、それから正式に外務省マターの外相会議 
とか、いろいろな形がある。そういういろいろな形の上に人間関係を積み上げ、信頼 
関係を構築して外交というのは成り立っていく。その一環としての党間交流、目的は 
そういうことだと思います。 
 今ご指摘のあったアメリカもロシアも韓国も、中国も含めて、来年はトップがかわ 
る、リーダーがかわる。まあ、アメリカは別にして、あとの3国は間違いなくトップ 
リーダーがかわっていく。そのときに日本もどういう外交をしていくのか、今からき 
ちっと、TPPの問題もあるでしょう、いろいろな問題があるので、そういうことは 
必要だ。 
 それぞれにどういう対応を、アメリカに対して、韓国に対して、ロシアに対して、 
どういう交流の仕方があるか。それは2国間で、全部同じじゃないわけですから、 
ケース・バイ・ケースできちっと対応していくことになろうかと思います。 
 
【朝日新聞・二階堂記者】党として政府をサポートするという考えだと思うが、政府 
側・党側とで二元外交になる心配はないか。 
 
【幹事長】それは、全く心配は要らないと。今日もそういうことで政府・民主三役会 
議でも確認しているわけですから。
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