輿石東幹事長/記者会見要旨
2011年11月21日(月)17時59分〜18時20分
編集・発行/民主党幹事長室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○第3次補正予算成立について
○オウム裁判終結について
■質疑
○社会保障と税の一体改革について
○大阪府知事選・市長選について
○郵政改革法案について
○選挙制度改革について
○国会日程について
○国境の離島について
○第4次補正予算について
○TPPについて
○公務員給与関連法案について
○八ツ場ダムについて
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■冒頭発言
○第3次補正予算成立について
【幹事長】今日、参議院本会議で、おかげさまで12.1兆円の第3次補正予算を成
立させていただきました。わが会派を代表し、石橋通宏議員も賛成討論の中で「まも
なく寒い冬を迎える被災地の皆さんの気持ちを思うと、この予算が確実に執行される
ように、関連法案のご協力も」と、こういう討論をしてくれました。私もまさにその
とおりと思います。
野党の皆さんにもご協力いただいて、関連法案も間もなく成立できるだろうと思い
ますが、12月9日までの国会日程はタイトであります。全力で、国民の皆さんの生
活が第一という原点に返って、国会対応もしてまいりたいと思っています。
○オウム裁判終結について
【幹事長】今日の夕刊各社とも、16年前のオウム真理教の判決について報じていま
す。1日も早く、安全で安心な日本、元気な日本を取り戻さなければいけない。あら
ためて身も引き締まる思いでもあります。
■質疑
○社会保障と税の一体改革について
【朝日新聞・二階堂記者】前原政調会長が、マニフェストで公約した「最低保障年
金」と「年金一元化」の法案を平成25年に提出すると、先日の番組で明言された。
これを実現するには消費税を10%に引き上げてもまだ財源が足りないが、実現する
ために消費税をそれ以上さらに引き上げることに国民の理解が得られると、幹事長は
お考えか。
【幹事長】社会保障と税の一体改革、これは議論がこれから連日のように行われてい
くでありましょう。わけても年金問題はかなり大きな課題ですから。
二階堂君の質問の中身は、仮に段階的に消費税を10%に上げていったところで、
この問題はもっと足りなくなるのではないか、その上にまた消費税を上乗せして増税
をしていくのではないか、それは国民の理解を得られますかと、そういう趣旨の質問
だと思っていますが、今まだどのぐらいかかるかという青写真も試算も出てこない段
階で、それに対していろいろコメントすることのほうが、これからの協議の妨げにな
ると思います。
【NHK・長谷川記者】消費税引き上げをめぐっては党内に多くの反対意見を抱えて
いるが、党として年内中の取りまとめを目指す考えに変わりはないか。
【幹事長】先ほど申し上げたように、これからその問題を、夜を徹してもやっていく
という方向性は変わらないでしょう。
【共同通信・河内記者】消費税増税については、総理は「年内をめどに結論が出るよ
うに議論を深める」としているが、党内議論をまとめる際に、増税の実施時期や引き
上げ幅は明示されるのか。
【幹事長】今からそういう問題も含めて協議するというのに、明示しますとか、しま
せんとか、税率を幾らにしますということをコメントするほうが協議の妨げになるの
ではないですか。先ほど申し上げたとおりだと思います。
【朝日新聞・二階堂記者】消費増税のほかにもマニフェストにない負担増が議論され
ているが、党内に異論がある中で、来月中にまとめるために幹事長としてどのように
対応されるお考えか。まとまらない場合、年明けに先送りすることもあり得るか。
【幹事長】そういう党内での全員対象の協議もこれからでしょう。それを始める前
に、まとまるとかまとまらないとか、そういう仮定でコメントするのはいかがなもの
かと思っています。
【NHK・長谷川記者】基礎年金の国庫負担2.5兆円を支えるための「年金債」と
いう案が一部報道で出ている。これは政府が決める話かもしれないが、幹事長は、1
つのアイデアとして検討する価値があるとお考えか。
【幹事長】これはさっきの二階堂君の質問ともかかわってくるでしょう。年金2分の
1、3分の1という問題も出てくるでしょう。この問題について、消費税をきちんと
国民の皆さんにもご理解いただいて、収入源として社会保障の分野に消費税が使える
日がいつ来るのかと。そこまでのつなぎという意味でそういうアイデアも出てくるか
もしれません。これは今後の課題として、党で議論しなければならない時期になった
ら、きちっと党と政府と一体的に議論していけばいいのだろうと思っています。
○大阪府知事選・市長選について
【読売新聞・小坂記者】投票日まであと1週間を迎えて、現在の情勢をどのようにご
らんになっているか。
今日の参議院議員総会の中で尾立源幸議員から、当初は民主党色を薄める方向で
いったが、そうは言っていられないのでよろしくお願いしたい、というようなお話が
あったようだが、今後、党本部として例えば幹事長が応援に入るとか、関与を強めて
いくお考えはあるか。
【幹事長】選挙は間違いなく結果が出るわけですから、それはもう勝ちに行くという
ことで、できるだけのことは党としてもやっていきたいと思っています。
○郵政改革法案について
【通信文化新報・園田記者】かなり会期が厳しくなっているということで、今国会で
どこまでを目指していらっしゃるか。また、現在の自民党との調整はどのような状況
にあるのか。
【幹事長】郵政改革法案もこの国会で何としても成立させたい、その基本は何ら変
わっていません。タイトな日程になっているというのは、そういう重要法案も含めて
どうしていくかということをこれから検討してまいりたいと思っています。
他党、とりわけ野党の皆さんですね、それぞれこの問題に対する立場も異にしている
面もあろうかと思います。できるだけ協力していただいて、成立するように努力して
まいりたいと思っています。
○選挙制度改革について
【毎日新聞・高橋記者】先週の参議院議員会長としての会見の中で、与野党合意がで
きない場合は「一票の格差」の是正が遅れることもやむを得ないという趣旨の発言を
されたと思うが、選挙制度改革が遅れるということは総理の解散権を縛るのではない
かという問題にも発展するかと思うが、今国会中に成立させるのは難しいというお考
えに変わりはないか。
【幹事長】今、高橋さんが言われた指摘のとおり、野党の皆さんにも、現行の選挙制
度のままで選挙はできないという、そういう宿命にあるわけですから、お互いにどの
党も、すべての党が。だから、そのことも含めて、我々が出している提案にも耳を傾
けていただきたいと。せめて「一票の格差」のところから入ろうかと。しかし、抜本
改革でなければだめだという7党の反対もある。それを押し切って私どもの党だけ
で、あるいは民主党・自民党だけで押し切れるという筋合いのものでもないというこ
とをこの前申し上げた。
だからその辺は理解いただいて、区画審(衆議院議員選挙区画定審議会)の勧告
(期限)は2月25日、待ったなしでやってくるわけですから、そのことも含めて前
へ進んでいけるように与野党協議も進めていきたいと思っています。
【日経新聞・黒沼記者】平田議長が就任されたことで、参議院の選挙制度改革につい
て、仕切り直しの機会が必要かと思うが、協議再開のめどについてどのようにお考え
になっているか。
【幹事長】言われるとおりだと思います。早速議長は、自分が参議院幹事長時代に
(西岡前)議長とのいろいろな意見交換もしてきており、経過は誰よりもわかってい
る。今日、自民党の溝手参議院幹事長、公明党の木庭参議院幹事長、そしてうちの新
しい小川参議院幹事長とに、西岡前議長から遺志を受け継いだ平田議長が「こういう
ことです」ということを3人にお伝えをし、これから前途にもどうしていくかという
仕切り直しというか、新議長のもとでということになるわけですから、そういう第1
回目の会議も行われたと報告を聞いています。
○国会日程について
【産経新聞・坂本記者】重要法案がある中で国会はタイトな日程だというご認識だ
が、幹事長のほうでは日程の延長は視野に入れているか。また、野党との交渉状況が
あれば、可能な範囲で伺いたい。
【幹事長】国会日程、野党の交渉は国対委員長が中心にやってくれていますから、国
対委員長とはこれからは日々連絡をとって対応してまいりたいと思っています。
○国境の離島について
【フリーランス・安積記者】先週、領土議連が「尖閣諸島の魚を食す会」を催した。
尖閣や竹島など国境の島は、単なる離島ではなく、特別扱いすべきではないかという
議論も国会内にある。会に参加した石垣市長から、尖閣の近辺は非常にいい漁場であ
るが、中国や台湾の漁船とのトラブルがあり、そういったところで補助していただき
たいという要望があった。尖閣や竹島近辺の漁場への補助について、国境の離島につ
いて、幹事長はどのようにお考えか。
【幹事長】これは大変神経質で微妙な問題を含んでいると思っています。その離島を
はじめ外国との境界線にあるような、特に漁業で生きている皆さんの生活を考える
と、何らかの補償をしてほしいというご意見もあるということですから、そのことも
含めて、これは外交問題にも発展しかねない問題ですので、慎重な上にも慎重を期し
て、皆さんのご意見もどう反映できるか検討していかなければならないと思っていま
す。
【フリーランス・安積記者】先ほど「外交問題に発展する危険性があるので慎重に検
討していきたい」と言われたが、尖閣は島なのでその周りに領海とEEZ(排他的経
済水域)が認められると思うが、その領域においては日本が漁業権を持っていると思
う。これがどうして国際問題に発展するのか、そのあたりを教えていただきたい。
【幹事長】今の部分については、わが国の領土ですから、それは当然きちっと正当な
ものとして主張をしていかなければいけないということだと思います。
それに対して、またほかの国から、それは違うんじゃないの、おまえの領土の範囲
じゃないよと、こういうことだってあり得るわけですから、そういうことについて
は、微妙な外交問題にも発展しかねないものだというのはそういう意味で申し上げた
ところです。
○第4次補正予算について
【読売新聞・小坂記者】今日の参議院予算委員会の野田総理の答弁で、追加的なもの
が必要であれば考えたいということで4次補正について言及があったかと思う。この
4次補正の必要性について、幹事長は現在どのようにお考えか。
【幹事長】なんで4次補正が必要なのか、どういう考えで4次補正をつくっていくの
かと、そういう議論を見なければわからないでしょう。
○TPPについて
【日経新聞・黒沼記者】TPPをめぐる議論で、経産省の事務次官が政府見解と異な
る文書をつくっていたという件に関して、幹事長が次官を呼んで、どうなっているの
か聞いたという話がある。この事実関係について教えていただきたい。
【幹事長】それは今日の11時半に、幹事長室に安達事務次官と担当の佐々木局長、
お二人に来ていただいて事実関係を確認いたしました。そうしましたら、それはかな
り前の資料であって、それをそこに資料としてあったと。それがたまたまカメラに
映ったということだと、そういう事実関係を把握いたしました。
そういうことであれば、そのペーパー1枚によってかなり誤解も招くので、ペー
パーの扱いというか、情報管理をきちっとしておいてほしいということをお二人に申
し上げてあります。
○公務員給与関連法案について
【毎日新聞・高橋記者】人事院勧告の取り扱いをめぐって野党側が反発しているが、
与野党協議の状況と、今国会での成立のめどについて伺いたい。
【幹事長】野党の皆さんが人事院勧告どおりこの給与法はやるべきだと、そういうご
趣旨で、政府が出しているこの法案には賛成できないという意思だということは十分
承知をしています。しかし、これまでの経過からして、私どもは予定どおり政府案を
ぜひ成立させていただきたいと、この方針に全く変わりはありません。
○八ツ場ダムについて
【朝日新聞・二階堂記者】再検証で国土交通省の関東地方整備局が、今日「建設継
続」との方針を関係する6つの都県に示した。その受け止めと、民主党内にはまだ八
ツ場ダムの建設に反対する声があるが、党内議論にどのような影響があるとお考え
か。
【幹事長】国土交通省の1つの見解として今日、八ツ場ダムの工事継続という結論を
出されたということは、前田大臣を中心にきちんと手続きをしてそういう結論を出し
たということになるわけですから、それに対して党が1つ1つ、その結論に対して異
議を申し上げたり、何かするという話では必ずしもないでしょう。1つの方針が出た
ら、それが大きく議論を要するものであれば、すぐにきちっと党で議論をすればい
い。