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幹事長会見記録

輿石東幹事長/記者会見要旨 
2012年1月23日(月)18時10分〜18時36分 
編集・発行/民主党幹事長室 
 
★会見の模様を以下のURLで配信しています。 
http://www.ustream.tv/recorded/19953822
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■冒頭発言
○本日の役員会と与党党首会談について

■質疑
○衆議院の選挙制度改革について与党党首会談について大阪維新の会について社会保障と税の一体改革について議員歳費の削減と公務員制度改革について郵政改革について年金改革の全体像について新党大地・真民主との統一会派について25日の両院議員総会について
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■冒頭発言 

○本日の役員会と与党党首会談について 
 
【幹事長】与党の党首会談がちょっと延びまして、遅れたことを申しわけなく思いま 
す。 
 ご案内のように明日、通常国会が開会されて、6月21日までの150日間、総理 
自身が大会でも申し上げていますように、「避けて通れない大きな歴史的課題に、き 
ちっと真正面から挑戦していく」。そのことを受けて今日、役員会も行い、内閣改造 
に伴う党人事も補強していかなければいけない。そんな確認をしながら、政権与党と 
しての責任と使命をみんなできちんとやっていこう。最近「心合わせ」という言葉が 
はやっていますが、そういう心合わせをさせてもらったということかなと思います。 
与党党首会談では、亀井国民新党代表から郵政改革法案、1日も早く成立させるよう 
もう一段の努力をと、こういうことが主なことだったのかなと思っています。 
 あとは皆さんのご質問を受けながら、お答えできればと思っています。 
 
■質疑 

○衆議院の選挙制度改革について 
 
【朝日新聞・二階堂記者】城島国対委員長は22日のテレビ番組で、衆議院の比例代 
表定数を80削減する民主党案について、「固執するわけではない」とおっしゃった 
が、幹事長のお考えは同じか。固執しないという考えであれば、今後の野党との交渉 
でどの程度まで下げるとかお考えか。 
 
【幹事長】NHKのテレビ討論、その前に岡田副総理も「80にはこだわらない」と 
いうニュアンスで話されたこともお聞きしています。この前の記者会見でも同じご質 
問があった。これは参議院議員会長としての会見でしたか、その折にも申し上げたよ 
うに、私たちはマニフェストで国民の皆さんにお約束したのは、比例80削減してま 
いりますと、こういうお約束ですから、現時点ではそれが党の方針であり決定です。 
 しかし、この問題は、再三私が申し上げているように、われわれ国会議員の身分に 
直接かかわる話でありましょうし、野党からも幹事長会談でお話がありました、民意 
をきちんと反映する選挙制度を考えていかなければいけないと。そういう意味では、 
比例だけで80というのは乱暴だと、こういうご意見もあります。だったら各党も、 
民意が反映できて、「一票の格差」もきちんと解消できる、そういう案を持ち寄って 
いただいて、よりよいものをつくっていけばいいということだと思っています。それ 
が私の考えでもあります。 

○与党党首会談について 
 
【読売新聞・小坂記者】国民新党の亀井代表は、民主党大会のあいさつでもあったよ 
うに、消費税率の引き上げに慎重な考えを示されている。党首会談の中では亀井代表 
からそういった話はあったか。それに対して総理はどのようにお答えになったか。 
 
【幹事長】17時半から始まった党首会談ですから、総理ご自身は亀井代表のお考え 
をお聞きしたことに終始したということです。今、亀井代表からそういうお話があっ 
たというふうに、私の聞き間違いでなければ、野田総理は有史以来の大変な課題を背 
負う宿命にある立場だ、だからしっかりやってほしい。「有史以来の難題だ」と。特 
に社会保障と税の一体改革はこれからの大きな課題であることは共通理解できてい 
る。消費税というものは非常に一方的に、国民の皆さんにもまだ十分理解されていな 
い、それで大丈夫かね、という意味だったと思います。 

○大阪維新の会について 
 
【時事通信・市川記者】大阪維新の会の代表である橋下市長が、国政に進出する意欲 
を示された。民主党と選挙区で競合することになると思うが、協力を模索するのか、 
それとも対決していくことになるのか、お考えをお聞きしたい。 
 
【幹事長】私どもは政権与党として、どの野党にもご協力をいただかなければ日本の 
政治は成り立っていかない。そういう現実がありますから、何でも対決すればいいと 
して対決していくのか、それとも市川君の言葉を借りれば、一緒にやっていくのか 
と。そういう意味合いでしょう。対決はしません。だから橋下市長の大阪都構想の考 
え方もきちっとお聞きして、どう対応していくかはこれからじゃないでしょうか。 
 
【朝日新聞・二階堂記者】大阪維新の会とは、選挙協力ないし都構想も絡めて緩やか 
な支援も将来あり得るというお考えか。 
 
【幹事長】今の市川さんへの答えと同じで、まだ私たちが橋下市長の考えを十分理解 
も消化もしていないレベルで、どうするということは今言うレベルではないでしょ 
う、ということです。 

○社会保障と税の一体改革について 
 
【NHK・長谷川記者】先日岡田副総理が、年金の抜本改革をした場合に、消費税は 
10%増からさらに増税する必要があるというお考えを示され、官房長官も同様の考 
えを示された。これについて幹事長のお考えはいかがか。 
 
【幹事長】年金の組み立て方がまだ明確でない、政権与党・民主党としてきちっと年 
金の問題あたりも出してこいと、こういうこの間の幹事長会談の中身でもあったわけ 
ですから、今、その年金問題を精力的に党としてきちっと、方向性も含めて、いつ、 
どのようにしたら、どうなるということを、スピード感を持って結論を出そうという 
ことを確認し合っているところであります。長谷川君の質問は、年金にきちっと手を 
つけていけば、今の財源では、年金はどんな形にしろ、最低月7万円ということも不 
可能になるのではないですかと。そういう意味も含めて、新たな財源をどこかに求め 
なければならないことは避けて通れないでしょう。そういう場合には、増税をさらに 
お願いしなければならない事態が来るやもしれないという意味でしょう、副総理も官 
房長官も。それはそれでいいのではないですか。 
 
【読売新聞・小坂記者】民主党としての年金、社会保障の全体像を近く示すと幹事長 
会談でもおっしゃっていたが、時期的なめどは今、幹事長のお考えにあるのか。ま 
た、こういう年金制度にしたら新たな増税をお願いするかもしれない、幾らぐらい増 
税しなければいけないかも含めて、野党に近く提示するということか。 
 
【幹事長】結論的にはそのとおりです。社会保障と税の一体改革もそうでしょう。再 
三野党の皆さん、とりわけ自民党の皆さんから「いつ、どれだけ、どうしていくのか 
を出さないで、野党に協力を求めるとは何ごとだ」と言うから、繰り返して申し上げ 
ますと、昨年の12月29日に、日付が変わるまで、みんなで議論して結論を出し 
た。これが今度の案でしょう。素案として出したわけです。 
 それと同じように年金の問題も、社会保障というのは範囲が広い。しかし、その最 
大の問題とすれば年金があるでしょうと。だから年金から、まず象徴的なものからき 
ちっとやっていきたい。それが、小坂君が言うように、いつから、どのくらい、どう 
すれば、どのくらいの財源が必要かというのは、そう綿密なものでなくともきちっと 
示さなければ、それは年金の案として通用しないでしょう。それを1年後だ2年後だ 
と言っていられないわけですから、この通常国会の中で提示していくのを前提に取り 
組んでいると、そう思います。 
 ちょっとお断りしておくと、私がやるわけではないから。そこをお断りしておきま 
しょう。 

○議員歳費の削減と公務員制度改革について 
 
【フリーランス・安積記者】議員歳費の削減について幹事長は、「議員にも生活があ 
る」「マニフェストには議員定数の削減が書いてある」と消極的な態度を示された。 
先ほどの党首会談でも「避けて通れない歴史的な課題に対処しなければならない」 
「有史以来の難題」と消費税増税についておっしゃっている。国民の側からすると、 
マニフェストに書いていなくても、議員歳費の削減はむしろ歓迎されるのではないか 
と思うが、これについてはどうお考えか。 
 
【幹事長】自ら身を切る、例えば私ども国会議員の分野で言えば、当然歳費も対象に 
なるでしょう。しかし、私がこの前から申し上げているのは、これもやります、あれ 
もやりますと言って総花的に「何でもやります」とお約束して、何もやらなかったこ 
とのほうが、大変国民の皆さんへの約束違反になる。 
 歳費を削減することは、与野党で合意すれば、極端なことを言えば明日にもできる 
話ですね、何割削減するかと。ところが、国会議員の定数削減というのは、「民意が 
反映されていない」とか、「比例80削減はけしからん」とか、そういう話になっ 
て、なかなか与野党合意ができない。しかし、このまま現行制度で選挙をやれば、最 
高裁から「この選挙は無効ですよ」と、そういう現実だってあり得るわけですから。 
まずここから、難しい問題だけれどもきちっとやっていく、その上で歳費を考えてい 
けばよろしいでしょうと。私は、優先順位があるでしょうと、そういう意味で申し上 
げました。 
 
【TBS・井本記者】公務員給与の削減について、幹事長は先週の講演の中で、労使 
問題は後に回して、削減の合意を優先すべきだと発言された。協約締結権を後回しに 
して、合意を優先する真意は何か。また、自公は法案も出しているが、それを丸のみ 
する可能性もあるか。 
 
【幹事長】これも前回の質問に出たかと思っています。同じことを申し上げることに 
なりますが、日本では労働基本権を公務員に付与していない。その代償機関として人 
事院勧告制度がある。これは紛れもない事実ですね。だから、人事院勧告を政府は尊 
重して、そのとおり実施しなければならないというのが、今日までのこの問題の流れ 
だと思っています。もし人事院勧告を実施しないことになれば、代償機関がなくなる 
のだから労働基本権を付与しなければならない。この問題でしょう。片一方は、給与 
の削減は結構だけれども、もう一つ、当然与えてもらえるだろう労働基本権、これを 
与えていないのは先進国で日本だけだと、ILOもその点で指摘している。こういう 
背景があって、働く立場の人からすれば、労使が対等に交渉できるものも担保しても 
らわないと、この雇用不安のときに大変なことになるという意味から、この関連法案 
というのがある。 
 今のご質問は、そう言っているとなかなか、国民の皆さんも「消費税増税の前に、 
自ら身を切ることが先だろう」と、こういう声が大多数でしょうと。だとすれば、そ 
の国民の声にもきちんとこたえなければならないから、国会議員の定数削減、歳費の 
問題、公務員の給与削減法案というのは、そういう意味で国民の皆さんの民意に応じ 
てやっていこう。だけれども、もう一方の労働基本権にかかわる問題も、こんなもの 
は構わないよという話はできないはずです。 
 だから自公と合意ができるのは、給与を削減するところは割合前に進む。前に行く 
ものから先にやってと、そういう順番になろうかという意味で申し上げています。 
 
【フリーランス・安積記者】幹事長は、「総花的に約束して何もできなかったら、国 
民との約束を守らなかったことになる」とおっしゃったが、簡単なものからやってい 
けばいい話だ。議員歳費の削減は与野党が合意すればすぐできる話であって、過去に 
も削減したことがある。憲法は歳費の受与権について規定しているが、削減してはな 
らないとは書いていない。定数については、一票当たりの価値は憲法で規定されてい 
る。解釈はなかなか難しいが、まずやれるところからやっていくことが国民との信頼 
関係を築くうえでの必須条件ではないか。 
 
【幹事長】そういう考えも当然あります。それはやる気になればいつでもやれるわけ 
ですから、合意できれば。 
 私どもは、歳費の削減はしませんと。また、政党交付金もやめたらどうだというお 
話もあるわけです。歳費も削る、政党交付金ももらえない、そうなると、その先はも 
う政治家になり手がないという現実も出てくることもご理解いただかなければならな 
いという意味のことを言っている。政党交付金の制度はどういう背景でこれが出てき 
たのかということも、もう一度皆さんにもご理解をいただきたい。 
 私が歳費と定数の問題にこだわっていると聞こえるようですが、定数削減は、1人 
の国会議員を少なくすることは、そこにいる少なくとも5人、10人の秘書も全部そ 
の職を失うことになりますし、そういうものも大きくあります。私は、身を切ること 
の一番の大変苦労な厳しい問題は、やはり定数削減が一番大きいと。そして憲法にも 
かかわる。次の選挙を考えると避けて通れない課題だとすれば、これをまず最優先に 
解決していくことは非常に大事だと、そういう意味です。 

○郵政改革について 
 
【NHK・長谷川記者】幹事長から郵政についてのやりとりの若干のご紹介があった 
が、亀井さんに対して総理がどのように答えたかも含めて、もう少し詳しく教えてい 
ただきたい。 
 
【幹事長】それについて、総理も私も「頑張ります」ということで、それ以上でも以 
下でもないですよ。何を聞きたいのかよくわからない。 

○年金改革の全体像について 
 
【日経新聞・黒沼記者】年金改革の全体像についてこの通常国会の中で提示していき 
たいということだが、消費税の関連法案をめぐっては与野党協議を経て3月に法案を 
出したいというスケジュール感を描いている中で、3月までに改革案をまとめたいと 
いうお考えなのか、それとももう少し後ずれするというご認識なのか。 
 
【幹事長】黒沼君からいい指摘をいただいたと思う。本来ならば、社会保障と税の一 
体改革という大きな課題ですから、年金問題も一緒に、どういう年金にしましょうか 
という与野党協議をしてほしいという意味で、私どもは提案をした。だけど、「それ 
はだめだ。まず政権与党として年金をはじめとする社会保障の全体像をきちっと出し 
てこい。それからだ」というご意見が多いわけでしょう。だから、そういうふうに切 
りかえざるを得ないでしょう、そこは。 
 先ほど、「私がやるわけでない」というつまらない答弁をしましたが、じゃあそれ 
はいつまでに、年金について形を出していくのかというのは、今、政調や岡田副総理 
のもとで、社会保障と税の一体改革の担当をやってもらうわけですから、政府・与党 
一緒になって今そういう作業に入ってくれていると思っています。それが3月までか 
かるのか、それを超えるのか、そこまではここではっきり申し上げられないでしょ 
う。 

○新党大地・真民主との統一会派について 
 
【朝日新聞・二階堂記者】統一会派について、衆参でどうなったか、理由等も含めて 
お聞きしたい。 
 
【幹事長】これ、鈴木代表が先ほど樽床代行のところに来て、私にも会いたいという 
ことでしたが、役員会の直前で時間もなかったので。 
 与党として行動をともにしたいと。「統一会派を組ませてほしいというお願いもし 
たけれども、ここはちょっともう一度考え直す」と、こういう意味合いだったと思い 
ます。だから、それはもうちょっと検討してみます。 
 
【北海道新聞・小川記者】与党として一緒にやっていくことについて、幹事長はどう 
お考えか。また、統一会派を組むにあたって民主党北海道連の意見を聞きたいという 
ことだったと思うが、意見聴取はされたのか。 
 
【幹事長】統一会派を組むことになれば、当然、北海道連ともきちっと話をしなけれ 
ばいかんということで、ここは話し合いをしました。そして「結構でしょう」という 
話にもなっています。 
 与党としてやってもらえるというのに、「いや、結構です」と言う人はあまりいな 
いと思いますので。一緒にやってもらえるならば、一緒にやってもらうということで 
考えていきます。 
 
【朝日新聞・二階堂記者】会派は単独でいくということだが、参議院で横峯さん、平 
山さん、2人とも今の会派を離れて行動するということか。 
 
【幹事長】そうなるでしょう、会派で一緒にやらないということは。党を離れたわけ 
ですから。 

○25日の両院議員総会について 
 
【朝日新聞・二階堂記者】25日に両院議員総会を開くと伺ったが、なぜ開くのか、 
どういうテーマで開くのか、お聞きしたい。 
 
【幹事長】通常国会への決意と覚悟をみんなで確認し合う、それが最大の目的です。
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