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幹事長会見記録

輿石東幹事長/記者会見要旨
2012年5月7日(月)18時16分〜18時41分
編集・発行/民主党幹事長室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://www.ustream.tv/recorded/22422932
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■冒頭発言
○連休中の事故・災害について総理と意見交換小沢元代表の党員資格停止処分について

■質疑
○小沢元代表の党員資格停止処分について国会運営について衆議院の選挙制度改革についてギリシャ・フランスの選挙結果について
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■冒頭発言

○連休中の事故・災害について

【幹事長】大型連休も明けました。この間、関越道でのバス事故や、昨日は茨
城県つくば市や栃木県益子町での竜巻などで、尊い命を亡くされたり被災され
た方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 何が起きるかわからないという状況で、もう一度各分野において危機管理、
安全基準をきちっと決めていかないと大変なことになる、そのことを痛感した
連休明けでもあったと思います。

○総理と意見交換 

【幹事長】いよいよ連休も明けて、野田政権・民主党も正念場を迎えたと思っ
ています。ご案内のように、きょう総理とも官邸で20分ほど意見交換をいた
しました。
 社会保障と税の一体改革、議員定数削減等にもう答えを出していかなければ
なりません。わけても……だからこそ、と言ったほうがいいですかね、「国民の
生活が第一。」という原点に立ち返って挙党一致、心合わせをきちっとしていく、
そのことが今あらためて問われているのだろうと思っています。

○小沢元代表の党員資格停止処分について

【幹事長】後ほどご質問が出るでしょうから先に申し上げると、きょうの役員
会で真剣にみんなで議論をし、小沢元代表の党員資格停止処分を解除するとい
う問題について、異論もありましたが、最終的に私に一任すると。こういう決
定を受けて、明日の常任幹事会で、その方向で党内手続きに入ってまいります。

■質疑

○小沢元代表の党員資格停止処分について

【NHK・長谷川記者】きょうの役員会で、幹事長からどのような理由・根拠
で解除の手続きに入りたいという提案をされ、異論というのは具体的にどうい
うものだったのか。

【幹事長】私からは、昨年の2月に党員資格停止処分を党の役員会・常任幹事
会で決定して1年3ヵ月がたち、一審判決・無罪という結果が出ました。しか
し、その決定は裁判が確定するまで、終わるまでという決定をしていることも
事実であります。そのことを踏まえてきょう議論をし、先ほど申し上げた「私
に一任する」ということになりましたので、党内手続きに入ると。
 どういう異論があったのかと。この点について触れますと、裁判が最終確定
するまで、これは10日が控訴の締め切りですから、それを見て、控訴されな
ければそこで最終結審ということになるでしょう。それ以前に明日手続きに入
るという点ですね。それを見てからでもいいのではないかという意見もありま
したし、1つの裁判が終わるまでという決定を、ここで解除という手続きに入
るということですから、じゃあ、あのときの決定とちょっと違う判断というこ
とになるので、それはいかがなものでしょうかと、そういう意見がありました。
 それ以外の方は、ここは一致結束、社会保障と税の一体改革をきちっと成立
させるという意味で、幹事長の提案に賛同してもらえると、こういう意見だっ
たということです。

【朝日新聞・田伏記者】今おっしゃる異論というのは何人くらいから出たのか。

【幹事長】それは、幾人だったということは必要ないでしょう。そのうちにわ
かるでしょう。

【読売新聞・小坂記者】「判決が確定するまで」としていた決定を、今回、確定
前に手続きに入る論拠は何か。どこの部分が変わって決定を一部覆すことにな
ったのか、その説明を詳しくお願いしたい。

【幹事長】そんなに細かい説明が必要なの?

【読売新聞・小坂記者】できれば。

【幹事長】ちょっと乱暴な答弁だと思われてもいけないのであえて申し上げる
と、党員資格停止について党の規定は、最長6ヵ月になっている。これは今も
生きているわけですね。それを例外として「判決が確定するまで」と決定した
と。そういう例外の判断をした論拠とは、裁判が終わる時期が確定できない、
想定できない、予見できないことが1つ。その上で例外としたのは、国家公務
員法の79条2項に、刑事休職ということができるという規定がある。刑事事
件にかかわれば起訴された時点で休職にできるという規定が、国家公務員法の
79条2項。これを根拠に例外規定としたと。
 この規定には「任命権者の裁量」という項があって、ここに刑事休職という
のは係争中、まだ裁判で争いが続いている間であっても復権は可能だと。元に
戻せる。例えば、一審において無罪の判決がなされー今回一審で無罪の判決が
なされたーこれに対して検察が控訴しても、まあ、10日にならなければわか
らんですが、たとえ控訴しても、任命権者は諸般の事情を考慮して復権させる
ことができる、こういう中身です。
 これを根拠に例外規定を、判決が確定するまでというのですから、そのもと
のところを解釈すれば、今回の場合を当てはめると、一審で有罪となれば党員
資格停止どころか除籍もできる。逆に、無罪になったのだから復職も可能だと。
そういう根拠と言えば根拠ですね。

【毎日新聞・高橋記者】5日、6日の連休中に毎日新聞の世論調査が行われ、
小沢元代表の党員資格停止処分を「解除すべき」が40%、「解除の必要はない」
が53%だった。国民の中には「解除すべきでない」という声が多くあるよう
だが、受け止めをお願いしたい。

【幹事長】今、高橋さんの言われた、「解除していいだろう」が40%、そして
「いやいや、それは置くべきだ」というのが53%と。割と拮抗している形だ
わね。まあ、このくらいの数字は当然出てくると思います、今までの経過から
すれば。今でも書いているじゃないですか、「限りなくクロに近いグレー」だと
か。何をもって「限りなくクロに近いグレー」と言っているのか、そのことも
定かでない。これは、そういういろいろな背景があって、急に質問を受ければ、
「このままでいいのじゃないの」というのと「解除してもいいじゃないの」と、
両論あるということでしょう。

【日経新聞・黒沼記者】国家公務員法79条2項をひもといてのご説明があっ
たが、それがあったとしても、9日に検察官役の指定弁護士が控訴するかどう
か判断する、そこまで待たずに、あえてその前日の8日の常任幹事会で判断を
決める理由を伺いたい。

【幹事長】それは、役員会は毎週月曜日、常任幹事会は隔週ということですね。
できる限り早くこの問題を協議して結論を出すことも大事な政治判断だと思っ
たからです。

【産経新聞・坂本記者】「できるだけ早く協議して結論を出すことが大事な政治
判断」ということだが、早く結論を出す意味合いを教えていただきたい。

【幹事長】それは避けて通れない、冒頭に申し上げた社会保障と税の一体改革、
それから国会議員の定数削減や、規制庁の設置、原発再稼働にかかわる問題、
そういう問題が山積しているわけです。これをやはり挙党一致で対応していか
ない限り……まず党内が一致結束することが最優先する課題でしょう。そして
野党の皆さんにもご協力いただいて、所期の目的を達成していくことに尽きる
と思うので、いろいろな問題を1つ1つきちっと、スピーディーに結論を出し
ていきたい、そういう思いからであります。

【テレビ朝日・澤井記者】きょう幹事長が官邸に入られて、役員会で党員資格
停止解除を提起することを総理と話されたと思うが、総理も同じ考えというか、
党の判断に任せるということか。

【幹事長】それは、聞かなくてもわかるでしょう。

【時事通信・市川記者】きょうの役員会で、幹事長の提案に対して反対意見を
述べた方の名前を教えていただきたい。

【幹事長】それはコメントしません。

【NHK・長谷川記者】もともとは最大6ヵ月の党員資格停止の期間だったの
を「判決確定まで」として、今回、解除の手続きに入った。あらためて、「判決
確定まで」とした処分を振り返って幹事長としてはどのようにお考えか。

【幹事長】それはその時点で決定したことですから、決定したことはきちっと
尊重していくと。それが党や組織のルールじゃないですか。

【朝日新聞・田伏記者】野田総理が訪米先で、党員は何人たりとも方針に従っ
ていただきたいと述べられた。正式に党員として活動するにあたって、社保・
税一体改革について賛成してほしいという意向だと思うが、これは幹事長も同
じお考えか。

【幹事長】党で決定したことを、反対してほしいなんて言う人がいるかね。

【西日本新聞・河合記者】野田総理が社保・税一体改革に賛成してほしい意向
であることを、幹事長から元代表に伝えることはあるか。

【幹事長】まだ明日の常任幹事会の決定も受けないのに、“たられば”の話はコ
メントは避けましょう。

【中日新聞・岩崎記者】野党側からは、説明が不十分だとか証人喚問を求める
声も出ている。きょうの役員会でそれが新たな火種になることを懸念する声は
出たか。

【幹事長】ないですよ。全くない。

【共同通信・河内記者】処分解除後の小沢さんの処遇について、どういう役職
で迎えたいとか、幹事長として考えていることがあるか。

【幹事長】いや、それは今考えていません。

【テレビ東京・宇井記者】処分を決定した当時の幹事長である岡田副総理と、
この件について意見交換等をしたことはあったか。

【幹事長】いや、特に。だけど岡田副総理もこういう手続きに入ることは承知
していると思います。

【産経新聞・坂本記者】役員会の中で、証人喚問を受けるべき、または国会で
説明すべきという意見はなかったのか。幹事長はこれまで、国会での説明は必
要ないという考えを示していたが、今後あらためて野党から要求があっても、
証人喚問は必要ないとお考えか。

【幹事長】きょうの役員会では、国会の中での証人喚問に応じるべきだとか、
説明をすべきだという意見は一切ありません。「国民に対して、理解を得るべく
説明する必要はあるだろう」という意見はありました。

【読売新聞・小坂記者】処分解除後の処遇について「今は考えていない」とお
っしゃったが、それは小沢さんを役職で処遇することを考えていないという意
味なのか、処分解除後に検討するので今は考えていないという意味でおっしゃ
ったのか。

【幹事長】役職に就いてもらうとか、就かせるとか、そういう言葉がすぐ出て
くるが、ご本人がどう考えるかということが最優先じゃないですか。それも聞
かないで、役職に就けます、就けませんなんていう話にならないじゃないです
か。

○国会運営について

【日経新聞・黒沼記者】社保・税一体改革について本会議での審議入りは決ま
ったが、きょう自民党は問責を受けた2閣僚が辞めるまでは委員会審議に応じ
られないという考えを示した。このことについてどのようにお考えか。

【幹事長】きょう城島国対委員長からそういう報告がありました。それは野党
さんが決めることですから、こちらで別に今コメントする必要はないと思って
います。

【日経新聞・黒沼記者】前原政調会長がゴールデンウィーク中にロシアを訪問
した際に、問責を受けた2人の閣僚について「辞めるべきだ」という認識を示
した。これは政府・民主党の方針と違うように感じるが、どういう整理づけを
すればいいか。

【幹事長】それは今、黒沼君に聞いた話で、きょうの役員会でも出なければ、
政調会長から直接お聞きもしていない。それはそれでいいじゃないですか。

【読売新聞・小坂記者】社会保障と税の一体改革の審議にあたって内閣改造を
行うべきだという声、あるいは「とげを抜くべきだ」という発言が党内から出
ているが、内閣改造の必要性について幹事長の考えをあらためて伺いたいのと、
そういう声が党内から出てきていることに関して、幹事長はどのようにごらん
になっているか。

【幹事長】内閣改造の必要はないと思います。党内からそういう声が出ること、
別に出てもいいじゃないですか。それを封殺するような圧力をかけたりいろい
ろすることのほうがおかしいのじゃないですか。

○衆議院の選挙制度改革について

【朝日新聞・田伏記者】連休前の各党協議で、連休後に幹事長・書記局長会談
で協議することが決まったが、近く予定等があるのか。

【幹事長】いや、まだ具体的にそういう日程を提起するまで至っていません。

○ギリシャ・フランスの選挙結果について

【日経新聞・黒沼記者】ギリシャとフランスでそれぞれ選挙が行われ、ギリシ
ャは与党が過半数割れし、フランスは現職のサルコジさんが敗れてオランドさ
んが勝利した。この2つに通底する話として、緊縮財政への国民の批判があっ
たと思うが、2つの選挙に対する受け止めと、これが消費税増税の議論にどう
いう影響があるかを伺いたい。

【幹事長】両国の国内事情もわからないで単に論評することは避けなければい
けないと思っていますし、どこの国でも緊縮財政に入れば縮こまってしまうと、
そういう面はあるでしょう。 だから、どういうふうにしていくのか。「地球は
1つ」という規模で経済も考えていかなければならないし、雇用の問題も考え
なければならない時代に入ったことだけは間違いないと認識しています。
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