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幹事長会見記録

輿石東幹事長/記者会見要旨
2012年5月28日(月)18時02分〜18時32分
編集・発行/民主党幹事長室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://www.ustream.tv/recorded/22913849

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■冒頭発言
○国会対応野田総理と小沢元代表の会談について
■質疑
○野田総理と小沢元代表の会談について原子力規制庁設置法案について衆議院の選挙制度改革について社会保障制度の国民会議について社会保障と税の一体改革について「国会事故調査委員会」での菅前総理の発言について重要法案の審議について節電対策本部の設置について尖閣諸島についての鳩山元総理の発言について
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■冒頭発言


○国会対応

【幹事長】6月21日の会期末まで4週間を切って、今週金曜日には月も変わ
る。実質審議ができるのは21日を入れても19日間。この会期内に「何も決
められない政治・決めない政治」というお叱りもいただいています。「先送り
」という言葉も最近だいぶ活字に載っているようであります。絶対先送りので
きない、きちんと答えを出さなければならないものとして、社会保障と税の一
体改革はもちろんのことですが、その他、原発再稼働の問題をどうするか、そ
れにかかわって規制庁の法案、予算があっても執行できない状況を避けるため
に特例公債法案、国家公務員の給与削減とセットで考えなければいけない労働
4法、この辺の問題がまだたくさんありますが、予算関連もあるけれども、ど
んなことをしたって6月21日、会期内にきちんと答えを出していかなければ
ならない問題がある。これにきちっと答えを出すべく対処してまいりたいと思
っています。


○野田総理と小沢元代表の会談について

【幹事長】今週中には総理と小沢元代表と、私がそれに、三者会談ができるよ
うに汗をかきなさいというご指示に従って、これも実現しなければなりません。
この問題は、明後日30日、11時から党本部で行います。
 私からは以上です。

■質疑


○野田総理と小沢元代表の会談について

【NHK・長谷川記者】総理は先ほど内閣記者会のインタビューで、基本的に
は乾坤(けんこん)一擲(いってき)、一期一会の考えでやりたいと。つまり1回
で終わらせたいという考えを示したが、幹事長はどのようにお考えか。

【幹事長】それはやってみなければわからないでしょう。

【読売新聞・小坂記者】会期末が迫り、社会保障と税の一体改革に答えを出さ
なければいけない中で、この三者会談の位置づけ・意義についてあらためて伺
いたい。

【幹事長】位置づけというか意義というか、それは一言でいえば一致結束、そ
して「国民の生活が第一。」という、与党の責任、政権政党の責任を果たそう、
そういう意味合いでしょう。

【朝日新聞・田伏記者】総理は先ほどのインタビューで、社保・税一体改革の
方針について、これまで長い時間をかけて議論して積み上げてきた党の方針で
ある、その党議を実現するのが基本路線だ、と述べられた。一方、小沢元代表
のほうは「平行線だ」という話もある。折り合えない場合は、幹事長としては
どのように対応されるお考えか。

【幹事長】「場合は」とか「たら」「れば」という言葉にコメントする必要は
ないでしょう。

【共同通信・河内記者】総理はインタビューで、腹を割って話し合うことで理
解していただくことを目指したいとおっしゃったが、小沢さんは増税反対の姿
勢を変えていない。理解してもらうためにはどういう対応が必要だと幹事長は
お考えか。

【幹事長】それも会談をする前に「こういう案がある」とか。私がその中に入
るということであって、総理と元代表がまさに腹を割って話すということでは
ないですか。
そこにここでいろいろ注文をつけたり解説することのほうがおかしいのじゃな
いですか。

【時事通信・市川記者】何回か継続的に話をするとして、6月21日の会期末
までに2人の間で何らかの結論を得たいとお考えか。6月21日がタイムリミ
ットになるのか。

【幹事長】タイムリミットがどこにあるかなんていうことは、ないでしょう。

【岩手日報・佐藤記者】この会談で幹事長の立場はいわゆる行司役のイメージ
なのか、立ち位置を教えていただきたい。

【幹事長】私の立ち位置って、総理が小沢元代表と会って腹蔵なく胸襟を開い
て話し合いをしたいと、だからそういう環境をつくってくれないかと、そうい
うことから出発していますから、私はそういう立ち位置ですね。で、小沢元代
表に「そういう総理の要望を受けてもらえますか」「じゃあ受けましょう」と
いうことで30日になったということですから。それが行司役なのか、「立っ
ている位置」というのは、小沢さんのほうに立っているのか総理のほうに立っ
ているのか、何かをやろうとする立ち位置ということを言っているのか、そん
なことは別に。お二人とも、私にも立ち会ったほうがいいよということですか
ら、立ち合わせていただく。それ以上でも以下でもありません。

【AERA・本田記者】三者会談を前に、自民党からは「総理が小沢さんを切
る覚悟で会談を仕切るのだったら、増税法案に協力しないでもない」みたいな
話が出ている。そういう民主党内の分裂に期待する野党側の声についてはどう
お考えか。

【幹事長】それは野党が言っていることだから、いいじゃないですか。お聞き
しておきます。

【読売新聞・小坂記者】折り合えなかったらどうかという心配が党内外にある
のは事実だ。総理と小沢さんがそれぞれ自分の考えを言って終わるということ
では、合意形成できたことにはならないと思うが、この2人が合意形成できた
という形を、目に見える形でどのようにやっていくか。例えば記者会見をされ
るとか。どういう決着の仕方を幹事長は想定されているか。

【幹事長】それは「やってみなければわからない」と、ずっと言っているじゃ
ないですか。皆さんも一緒に冷静に見ていただければいいのではないかなと思
っています。


○原子力規制庁設置法案について

【電気新聞・山田記者】明日の本会議で実際に趣旨説明は行われるのか。

【幹事長】今、来ながら聞いたけれども、もう本会議を立てるという方向で決
めたようですよ。

【ロイター通信・金子記者】明日にも国会審議入りということだが、最終的な
法案成立の見通し、政府案と自公案の協議の行方はどのようにごらんになって
いるか。

【幹事長】代案として、それも出してもらったらいいじゃないですか。政府案
とやって、とにかく協議しなければ結論は出ないわけですから。6月21日ま
であまり時間がないので、ここは急がなければならんと思っている。政府は、
政府案をまず議論していただきたいと言って出してくるのが筋道じゃないでし
ょうか。そうしたら自公案も出していただいて、どちらがいいか議論していた
だくと。そういう順番になろうかと思っています。


○衆議院の選挙制度改革について

【毎日新聞・高橋記者】今週中に幹事長・書記局長会談を開催する予定だった
と思うが、日程はどうなっているか。自民党側が、新しい案を提出しない場合
は会談に出ないという話もあり、それについて幹事長は富山での会見で、石原
幹事長に直接話を聞きたいとおっしゃっていたが、その後どうなったかも教え
ていただきたい。

【幹事長】自民党さんのほうから、幹事長・書記局長会談については国対委員
長を通して連絡をくださいということですから、それは城島国対委員長から岸
田(自民党)国対委員長経由で今やってくれているでしょう。
 そしてなにかマスコミの一部の皆さんも、23日火曜日の幹事長・書記局長
会談で私がまた、その案じゃだめだという樽床私案を再度出したと、そういう
報道も一部あるやに見ているわけです。私は出した覚えはない。樽床座長には
、今度は幹事長・書記局長会談になるので、今までの経過を正しく報告してい
ただきますと。報告を聞いてこの幹事長・書記局長会談で、再度協議会に戻す
ことなく、6月21日までに結論を出しましょうね、それについてどういう運
営をしたらいいのか協議をしてくださいというのが私の提案。そして「きょう
は報告を聞くのが主ですから、来週また開かせてもらう。引き続き協議をして
まいりたい」と言ったら、今高橋さんが言うような、その話が出てきたという
ことでしょう。それが確かかどうかも確かめなければなりませんし、野党が来
てくれないというのに1人で座っているわけにもいかないでしょう。そういう
ことですね。

【テレビ東京・宇井記者】違憲状態の解消を目指すのは当然のこととしても、
それに加えて、どのような視点を持って制度設計をしていくべきだとお考えか。
例えば、経済が活力を生むように意思形成がすぐにできるようなものにすると
か、そういった考え方もいろいろあるかと思うが。

【幹事長】何をするように?

【テレビ東京・宇井記者】経済が活力を生むように意思決定ができるようなも
のにするとか、今後ふえていく高齢者の民意が酌めるような制度設計にしてい
くとか、そういった考えは何かお持ちか。

【幹事長】ちょっと後半のご質問の趣旨がよくわからないが。「0増5減」で
違憲状態ぐらいはまず解消しなさいと、その辺はわかる。だけど、その後質問
された、定数削減をどういうふうにするかによって、民意が反映できるような
選挙制度にしなさいと言っているのか……。そういう意味ですか?

【テレビ東京・宇井記者】どういった制度設計にするのが望ましいか。定数是
正をしたうえで、今後の選挙制度改革で、という意味合いですが。

【幹事長】だから「0増5減」というのは「一票の較差」の解消ですね。「定
数削減」というのは「隗から始めよ」、「国民に消費税をお願いするならば、
あなたたちも身を切りなさい」、そういうご要望がある、それにもこたえてい
かなければいけないということでしょう、1つは。
 それであなたが今言っている意味は、どういう制度設計があって民意が反映
できるかということになると、選挙制度そのものになるわけでしょう。今の選
挙制度ではなくて中選挙区にしなさいという意見もあるし、少数政党は少数政
党の民意が反映できるようにしなさいという意見もある。それは「抜本改革」
になるでしょう。それはかなり時間がかかるんじゃないですかということ。そ
の制度設計を、今、輿石東が出してみろと言ったって、それはなかなか難しい
のじゃないですか。

【テレビ東京・宇井記者】「一票の較差」の是正ということで地域格差に焦点
が当たっているかと思うが。

【幹事長】地域格差?

【テレビ東京・宇井記者】ええ、地域の格差。
 倍率が違うということで問題になっているかと思うが、日本の議員の平均年
齢が諸外国に比べるとやや高いという指摘もあって、世代間格差については今
どのようにお考えか。

【幹事長】「選挙制度」と「世代間格差」というのはすぐ直結するかね。最初
の「0増5減」だと過疎県、山梨もそうだけど、入っちゃったんだが、「地方
を元気にする」「地域主権」という標語を掲げている民主党が、地方の民意が
どんどん薄れていくような、反映できんようなことをやっても大丈夫かと、そ
ういう意味ですか?質問されていることがちょっとよくわからない。私の答弁
がおかしいのかな?

【中日新聞・岩崎記者】これまで実務者で16回やってきて、各党が自分の意
見を主張して堂々めぐりの観がある。幹事長会談の進め方として、自民党にも
妥協案を出してもらうとか、民主党から「80削減を幾つまで下げればいいの
か」という投げかけとか、お互いに歩み寄れるような進め方は何かお考えか。

【幹事長】政権与党とすれば、そういうことも考えていかなければならんでし
ょう。でも、なかなかこれは簡単にいく話ではないでしょうと、そういう意味
のことを言っているので。協議に入ってくれないというのだから、これも困る
わね、それが事実だとすれば。だけど、皆さんは「輿石はすべてに先送りをや
る男だ」、こう書いてくれてもいますし、報道もしていただいている。これは
ありがたいのかありがたくないのか私自身にもわかりませんが。できるだけ打
開策を見つけていこうと思っています。


○社会保障制度の国民会議について

【NHK・長谷川記者】自民党が提案している社会保障の「国民会議」に対し
て、岡田副総理や前原政調会長は前向きだが、樽床幹事長代行は「一体改革の
先送りにつながるのであれば慎重にしたほうがいい」と、党内で若干意見が割
れている。この国民会議について幹事長の考えはいかがか。

【幹事長】超党派でじっくりと時間をかけて、国の将来にかかわることだから
やりましょうというのが「国民会議」を提案する発想じゃないかと思っていま
す。まあ、そうでないかもしれないが。そうだとすれば、1年2年かかります
ねという話になりかねない。そこで樽床代行はどういう意味で言ったか、富山
で言ったとか聞いていますが、まだ本人に確認したわけではないが、私たちは
「社会保障と税の一体改革」と言っているので、消費税をお願いする場合でも、
社会保障の中の年金はこうします、子ども・子育てはこうします、医療・介護
はこうしたい、財政規律もきちっとやってギリシャのようにしないようにしま
す、そういうことが全部国民に理解されたうえで、消費税をお願いしますと言
わないと、消費税だけお願いします、年金や医療は1〜2年待ってくださいと
いうのでは、国民から見るとちょっと話が違うじゃないのと言って、理解して
もらえるかという意味合いかと思うわけです。
 今の長谷川君の言葉を借りれば、副総理と政調会長はそれに前向きだが、樽
床代行はなにか腰が引けていると思えるような質問だったので、それはよくわ
からないと。またあらためて協議したいと思っています。


○社会保障と税の一体改革について

【読売新聞・小坂記者】一体改革の審議協力をめぐっては、自民党からいわゆ
る条件がいろいろ出されていると思うが、谷垣総裁や大島副総裁が言っている
条件がなかなか一致していない部分もあると思う。自民党がいろいろ条件を出
してきている状況について、幹事長はどうごらんになっているか。

【幹事長】それはせめて、同じ党ですから、1つにまとめてもらわないと。民
主党にばかり「バラバラだ」「違うんじゃないか」と言われても、ちょっと困
っちゃうなと。

【テレビ朝日・澤井記者】社会保障の関連法案が今7つ一体で審議されている。
最低保障年金など今国会での成立は比較的困難と見られている法案がある中で、
一体での改革にこだわる幹事長として、今国会での消費税法案の成立に変わり
はないか。

【幹事長】ちょっとわかるような、わからないような質問だと思うね。7つの
要素があるこの一体改革の法案、年金や医療にもかかわっている。それを一体
でもってやるんでしょうと言っているのか、消費税増税だけを7つのうちから
引き出してやろうじゃないかという、そういうものに応じるのか応じないのか
とか、そういう意味で言っているのか、ちょっとそこがわからない。どっちで
すか?

【テレビ朝日・澤井記者】消費税増税法案だけ先にやろうと。

【幹事長】そうなったときに、そういうことができるのかどうか、私にはそれ
さえもわからない。そうやったら、国民から「うそつき」という反感が出てこ
ないかなという心配がある。

【テレビ朝日・澤井記者】それも含めて、今国会での成立を目指すと。

【幹事長】そうですよ。だから「一体改革」というのではないですか。「切り
離し改革」とは言わないでしょう。


○「国会事故調査委員会」での菅前総理の発言について

【フジテレビ・羽山記者】きょう菅前総理が出席し、冒頭で「国の責任者とし
て、事故を止められなかったことをあらためて心からおわびしたい」と言われ
た後に、「原子力ムラ」に対していろいろ批判的なこともおっしゃった。例え
ば原子力安全・保安院の体制で専門家が少なかったなどと批判している。菅前
総理のそうした姿勢について、幹事長としてどのように感じておられるか。

【幹事長】僕も直接菅前総理のそのやりとりを見ていなかったので、いろいろ
解説するのは危険だと思いますが、羽山君は、そういうやりとりの中で前総理
がそういう批判をしたのだというとらえ方をしているようですが、私はそうは
思いませんし、単なる批判をしたのではないだろう。総理時代の実際のことを
述べられたのだろうと思っています。

【毎日新聞・高橋記者】菅前総理は、東電や保安院の対応について、情報収集
がうまくいかず、手の打ちようがなくなる怖さを感じた、と述べられた。あら
ためて東電や保安院の体制を批判しているわけだが、これについて自民党側か
ら早速「責任のなすりつけだ」とか「反省がない」という批判が起こっている。
これに対して幹事長はどう思われるか。

【幹事長】さっき羽山君が、冒頭に前総理も「おわびを申し上げたい」と言っ
て反省の弁を語ったというのですから、その都度「申しわけありません」「申
しわけありません」と言うよりも、事実関係を語られたのだろうと思っていま
す。


○重要法案の審議について

【読売新聞・小坂記者】冒頭のご発言で、国家公務員の労働関連4法案、特例
公債法案についても答えを出さなければならないとおっしゃったが、これらは
具体的にいつごろ審議入りしていくか。

【幹事長】もう(会期末まで)4週間を切りました。今週の金曜日には6月1
日を迎えるとなれば、やはり急がなければならんでしょう。そこは国対委員長
が、定例日も含めてきちっと実現できるように頑張ってもらっていると思って
います。


○節電対策本部の設置について

【朝日新聞・田伏記者】きょうの役員会で節電対策本部についてはどうなった
か。

【幹事長】申し遅れましたが、それを設置することになりました。まだ人選と
かそういうのは、政調や政府とも話し会いをしたり、国対とか国民運動とか、
幹事長室も絡んで、そういう構成になっていくと思います。


○尖閣諸島についての鳩山元総理の発言について

【フリーランス・安積記者】5月25日に鳩山元総理が中国の李副首相と会談
され、尖閣問題について「さざ波」という表現を使ったという報道があった。
日中の懸案事項だと思う尖閣について、海の中に島があるから「さざ波」と表
現されたと思うが、これについてどうお感じになっているか。

【幹事長】鳩山元総理が、尖閣をめぐって今、中国と日本にさざ波が立ってい
るという意味合いのことを発言されたということですね。それは元総理のご発
言だから。もしさざ波が立ったら、さざ波を静かな波にするようにお互いに努
力するということになるのではないですか。

【フリーランス・安積記者】東シナ海はかなり荒れている海だそうで、その中
で「さざ波」というのは本当に大したことがない、些細な問題であるという表
現だと思うが、これについていかがお考えか。

【幹事長】いやいや、ちょっとした言葉遣いで「これが問題だ」「これが問題
だ」と言っているほうが問題じゃないですか。中国に私も行きました。習近平
副主席とも東シナ海を友好・平和の海にしましょうと、そういうことで一致し
ていますので。そういう方向でお互いに努力し合うことだと思っています。
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