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2000/04/04
民主案・政府案について活発に討論=交通バリアフリー法案参考人質疑
民主党と政府がそれぞれ提出している「交通のバリアフリー法案」について、4日の衆院運輸委員会で参考人意見陳述が行われ、玉置一弥・高木義明両議員が質疑に立った。

 参考人の東洋大学工学部の高橋儀平助教授は、バリアフリーの基本的な理念として、(1)国民のだれもが利用できる(2)自動車よりも歩行者を最優先するなどを列挙。さらに「駅にエレベーターを!福祉の街づくり条例を!大阪府民の会」の尾上浩二事務局長は、「バリアフリー化にあたっては、障害者や高齢者など当事者の検討段階からの全面参加が不可欠だ」と強調。「障害を持つ人の権利」の川内美彦代表理事は「駅員に頼まないと(列車などを)利用できないのは日本の遅れの象徴。米国では障害者への差別と見なされる」と指摘した。

 玉置議員がこれを受け、「民主党案は既存の駅でのバリアフリー化を義務付けている」と説明すると、高橋助教授は「エレベーター設置を優先に、義務化することが望ましい」と支持。さらに高木議員が、各自治体が作成するバリアフリー化の基本指針に国会の承認を義務付けた民主党案への見解を求めた。尾上事務局長は「自治体間の取り組みの格差をなくす上で、国の役割は重要」、川内代表理事は「中央からのチェックは必要だ」と述べた。
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