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2007/05/21
【参院本会議】教育問題の抜本的解決をはかる民主党4法案を示す




 21日午前の参議院本会議で、民主党提出の日本国教育基本法案と教育関連3法案(学校教育力の向上3法案)が議題となり、佐藤泰介議員が趣旨説明、神本美恵子議員が代表質問を行った。

 佐藤議員は、前年の臨時国会で改正された教育基本法ではなく、日本国教育基本法案が明示する新しい時代に対応した新たな教育の理念の下で、「民主的自立的な運営を行うための地方教育行政の抜本的改善」「教育職員の資質向上を図るための養成段階からの教育職員免許制度の改革」「学校現場の環境整備のために必要な安定的な財源の確保」が不可欠だと指摘、法案の内容を説明した。

 神本議員は、教育への現状認識、免許更新制の目的、教員定数措置などについて質問。「教育再生を論ずるとき、なぜ真っ先に現場の子どもたちの声を聞き、保護者や教職員の意見を求めないのか。教育の専門家や学者の研究成果を活かし、実態を学問的・客観的に分析し、課題と対策を明らかにすることに役立てないのか」として、学校現場を無視した改革が、現状を悪化させ教育の現場をかえって疲弊させる可能性を示唆した。

 神本議員の質問に対し、民主党案の発議者である西岡武夫、森ゆうこ、鈴木寛各議員が答弁に立った。西岡議員は「学校教育の中心課題は、いかにして教師に優れた人材を得られるかの一点に尽きる」と指摘。「教員養成制度の充実、研修の充実、教師の処遇のために、国の資源をいかに多く投入するか、これこそが政治の責任である」として、民主党案の十分な審議を求めた。

 森議員は「真に教育現場を良くしていくためには、学校や教師が正面から生徒児童と向き合い、その時間とエネルギーを子どもたちに注ぎ、保護者や地域住民が支援することが重要だ」と述べ、優秀な教員の確保や監督など、民主党案の学校教育制度の内容を説明した。

 鈴木議員は、教員の資質能力について、わずか2〜4週間の教育実習で年間20万弱の免許状を交付している根本的な問題には手がつけられていないことなどを例に挙げ、有名無実の政府案は現場教師のやる気をそぐだけの内容などと厳しく批判。「国民の皆さんの理解と合意を取り付け、必要な予算確保に財政当局を指導する政治的リーダーシップと気概」の差が、政府案と民主党案の最大の違いであると述べ、「教育改革の王道は、教育現場に優秀な人材を大量に投入し、子どもに対してその力を存分に発揮してもらうこと以外にあり得ない」と主張した。
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