ニュース
ニュース
2007/06/12
【衆院総務委】具体性なく「宙に浮いた第三者委員会」を指弾 山井議員




 衆議院総務委員会で12日、民主党の山井和則議員は質問に立ち、安倍首相が表明した「消えた年金」問題に関する「第三者委員会」について、菅総務大臣に見解を質した。

 山井議員はまず、「消えた年金」の不払いの事例を紹介。「第三者委員会は、何十、何百億の予算を扱いうことになり、人生、老後が天国になるか地獄になるかを決定づけるものである」との見解を示したうえで、菅総務相にその認識を質した。菅総務相は、「極めて重要な役割であり、申し立てをしている国民の不安を解消し、信頼を回復をさせるものを立ち上げる」と表明。法律家や学識研究者など専門家による第三者委員会を6月下旬までに立ち上げる方針を明らかにした。

 そのうえで、領収書がないために社会保険庁で支払いを却下された2万0635人に及ぶ「消えた年金」の被害者について、第三者委員会で申請を受理してもらえるのかどうかを質問。「領収書がなくてもその場で証言できるかどうかを被害者は一番心配している」と訴えたが、菅総務相は平然と「わからない」と答弁。第三者委員会が被害者救済に役立つかどうか、早くも暗礁に乗り上げるかたちとなった。

 山井議員はまた、年金支払いについて、最終判断を第三者委員会がするのか、社会保険庁がするのか決定権はどちらかにあるのか、と追及。菅総務相は、「第三者委員会で判断したものを社会保険庁に申請し、そのうえで給付の決定は社会保険庁がする」との見解を述べた。山井議員は、安倍首相をはじめ、社会保険庁、柳澤厚生労働大臣が「最終判断は第三者委員会」と述べていることを挙げ、「これでは宙に浮いた第三者委員会ではないか」と指摘。あやふやな答弁を繰り返す菅総務相に再三にわたり確認をしたが、決定権について明確な回答は得られず、第三者委員会は安倍首相の思いだけが先行するものの、何ら具体性のないことが判明した。

 
記事を印刷する