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2007/06/26
年金第三者委でも判断は難しい 年金被害者自らの実態即し発言
 民主党は26日、「消えた年金記録」問題の被害者を党本部に招き、鳩山由紀夫幹事長、松本剛明政調会長はじめ、衆議院厚生労働委員会で質問に立つなど、この問題を追及し続けている社会保険庁改革問題担当主査の山井和則議員、政策調査会長代理の長妻昭議員が面談。深刻な被害実態を聞くとともに、党としての取り組み姿勢を示した。

 冒頭、鳩山幹事長は党本部まで足を運んでくれたことに謝意を示すとともに、「被害を受けられた方々の気持ちを勉強させてもらいたい」と表明。同時に、政府がこの問題自体を葬り去ろうとしているのに対し、執拗に食い下がっていくとの考えを強調した。また、「政争の具にしたいわけではない」と述べたうえで、解決を目指していく考えを示した。

 来党してくれた被害者の被害実態は、30歳になって経済的余裕もでき、「今からでもいい」という気持ちで年金納付に訪れた役所で、「遡って納付できる特例納付」の制度を案内され、夫婦揃って遡って一括納付した10年分の納付記録が消えてしまったというもの。

 被害者の方は「鳩山さんの言葉にほっとした」と開口一番述べ、3年ほど前に届いた60歳向けの案内で、一括納付した10年分の年金記録が消滅していることを知り、社会保険庁に問い合わせたが、領収書等の証明書類がない限り、納付は承認できないとの回答を得て今日に至っていることを明らかにした。結局、証明は不可能と考え、追加で年金保険料を払っているとの説明もあり、そうしたなかにあって安倍首相らの「1年間ですべてを明らかにする」といった発言をはじめ、事態を軽んじる政府の姿勢を前にして「政治家の方々が話すのがとても軽い。あまりに納得できない」との思いで、民主党の「消えた年金記録情報募集」あてに、自分の情報をFAXし、今回の面談となったとした。

 意見交換からは特例納付に関する記録が消滅するケースが全国的にも多く見られることが明らかになった。同時に、被害者の口からは年金保険料の納付記録や領収書がない人に対する納付の可否を判断する「中央第三者委員会」に関して、「第三者委員会はどういう方がなっても判断はむずかしいと思う」との見解が示された。「何もないものは出せないのです」と重ねて語られ、何ら証明がないために何ら解決できずに本日を迎えているのが実態であって、首相がいう「1年間での解決」など到底考えられないとの見方が示された。
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