ニュース
ニュース
2007/06/28
社保庁関連法案 組織替えで問題が拡散する恐れある 菅代表代行




 菅直人代表代行は28日午後、党本部で定例記者会見を行い、冒頭、宮沢元首相の訃報に触れ、「戦後長期に渡って政治に関わり、戦後そのものを生き抜いた政治家である」と言明。「日米関係を重視しながらもリベラルなハト派の代表として頑張ってこられた」として、「尊敬してつきあってきた政治家の1人であり、心からご冥福をお祈りする」と語った。

 国会情勢については、「時事一刻変化している中、与党の強硬姿勢を認識している」と述べ、不穏な動きを見せる社会保険庁関連法案、天下りバンク法案、政治とカネに関わる法案について「国民的に納得できる内容になっていない」と批判。社会保険庁関連法案については、「現時点で明らかになっている多くの問題解決を先決すべきである」との見解を示し、「組織替えすることで問題点が解決されないまま拡散する恐れがある」と与党の動きを牽制した。そのうえで、参議院で強行採決する事態になった場合には、「しっかりとした行動をとっていく」と強く主張した。

 また、22日から始まった民主党の政策アピールミュージカルについても言及し、「わかりやすい」「本格的だ」などと評判は上々であると報告。「特に『ふるさと再生―土と緑と水に』編は、シャッター通りの町や農村で暮らす人々にも共感を持って観ていただけたのでは」との認識を示し、自民党の政策と民主党の政策を具体的なかたちで示した内容になっており、「ミュージカルを通して理解してもらえるのではないか」との所感を述べた。

 衆議院厚生労働委員会が開かれないことについて記者から見解を求められた菅代表代行は、「ひどいの一語に尽きる」と強調。「ルールに則ってしっかり議論するのは当然」として、かかる法案があるにも関わらず、年金問題について長妻昭議員の質問を避けるために審議を拒否していると「言語道断である」と怒りをあらわにした。

 最後に、北朝鮮での会談の後に来日したヒル国務次官補が、外務省官僚のみが面会し、官房長官、外務大臣とは会談していないことを問題視。これまで報告されたヒル国務次官補の発言の中に、「朝鮮戦争を戦ってきた枠組み(米国・南北朝鮮)の中で、今後のあり方について協議をしよう」との話があったことについては「見ようによっては日本がそうした枠組みの外に置かれかねないという重大な問題が含まれている」との認識を示した。そのうえで、「こうした状況の中で官僚任せで話を聞く姿勢そのものが今の安倍政権の外交における孤立化を招いているひとつの象徴である」と指摘。「内政でも色々問題あるが外交における対応力の弱さ、展望の不確かを表している」と語った。

 
記事を印刷する