民主党は3日、国会内で総務部門・厚生労働部門合同会議を開き、「年金記録問題検証委員会」「年金記録確認第三者委員会」について総務省、社会保険庁からヒアリングを行った。
会議ではまず、三井辨雄『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣が挨拶。続いて総務省、社会保険庁の担当職員が「年金記録問題検証委員会」「年金記録確認第三者委員会」の議事次第、議事要旨を説明した。
しかしながら、わずか7行の会議報告をはじめ、提出された資料が「不誠実」な内容であるため、出席議員は「会議でどのような議論がなされたのか具体的事例を紹介してほしい」と要請。これに対して総務省側は、プライバシーの問題を理由に説明を拒否。山井和則衆議院議員は「委員会審議のときは第三者委員会で、第三者委員会が始まったら内容は言えないでは困る。事例の類型だけでも話してほしい」と主張した。
鈴木克昌衆院議員も「事例にオープンすることによって多くの国民が気づくことになる。事例を出すことは委員会の責務であり、(総務省の対応は)国民、国会をばかにした話だ」と批判したが、前向きな回答は一切聞かれなかった。
さらに、検証委員会では議事要旨のみを公開(議事録は非公開)としている決定について、誰が決めたのかを重ねて追及。長妻昭衆院議員は、「非公開にしようと言った人すら非公開なのか」と述べ、委員会が税金で運営されていることにも言及し、座長が情報の非公開を決定しているとするならば、何の法的根拠もないとして、座長解任の必要性をも示唆した。
そのほか、野党には圧倒的に情報が不足していることを指摘。逢坂誠二衆院議員は「議論の素材がなく、耳も目もふさがれた窒息しそうな中で議論を強いられている」現状を明らかにし、その結果国会での議論が不十分であったとして、「情報公開が大原則」と強く主張した。
そのうえで、与党に対しては議論の内容を報告することがないかと確認。同時に津田弥太郎参院議員は、情報が不足していることにより地元で厳しく批判されていると悲痛な叫びを訴えた。
長妻議員は、「(情報が公開されないと)野党議員としての職責を果たせない。『消えた年金問題』は民主党が問題提起をし、政府が渋々認めた経緯もあり、委員会傍聴を希望する」と表明。「野党議員にも平等に情報をもらえないと建設的な提言も出てこない」と述べ、誠意ある情報公開を求めた。
終わりの挨拶に立った武正公一ネクスト総務大臣は、「国民の疑念を晴らす意味で設立されたという趣旨に則り、この部門会議が開かれている意義を踏まえて、資料の提出としかるべき対応を」と要請した。
なお、総務部門・厚生労働部門は、同日午後、情報公開を拒むそうした姿勢に対し、総務省行政評価局の年金記録確認第三者委員会の会合が開かれる会場に、梶谷委員長を訪ね、委員会運営に関する申し入れ(以下ダウンロード参照)を行った。梶谷委員長からは、プライバシーの観点から公開には若干問題があるかもしれないが、検討するとの見解が示された。
民主党議員は、第三者委員会で行われる議論の過程を公開することは重要と改めて指摘、委員会の開催に消極的な与党に代わり、「消えた年金隠し」が行われないよう追及を続ける方針を語った。
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