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2007/07/17
政府・与党の「消えた年金」対策を批判 長妻、山井両議員記者会見




 長妻昭、山井和則両衆議院議員は、本日閣議決定された「消えた年金」問題に関する質問主意書への政府答弁について、17日午後、党本部で記者会見を行った。

 本日答弁があったのは、「『消えた年金』問題の安倍総理の不作為責任等に関する質問主意書」(長妻議員提出)、「自民党HPでの消えた年金対策ビデオの内容について質問主意書」(山井議員提出)ほか2件。

 まず長妻議員は、先に安倍首相が「年金記録問題を認識したのは昨年暮れ」と答弁したことを受けて、国会での「不安を煽るべきではない」「大部分の記録は真正である」という発言がどういう認識・考えにもとづくものかを質問した。しかしこれに対する説得力のある回答は示されず、長妻議員は、「答弁があまりにも不十分だ」と感想を述べた。

 他方、長妻議員に対する答弁によって、政府は、オンライン上の未統合の記録の中に、氏名が収録されていない記録が含まれていること、そして氏名がない記録であっても統合された例があることを認めた。この点について長妻議員は、「氏名がなくても処理されてしまうシステムだ。ここに重大な欠陥がある」と指摘した。

 また長妻議員への答弁書の中で、公務員共済の年金記録については、すべての資料が保存されていることを認めた。一方、国民年金記録の普通台帳の破棄命令が出されていたことについて、政府はこれを是認する見解を示した。国民の年金記録がずさんに扱われてきた一方で、公務員の年金記録だけはしっかりと管理されてきた実態と、そうした管理の仕方の誤りを認めようとしない政府の姿勢が明らかになった。

 山井議員は、自民党のHP上に掲載されている年金問題の解説ビデオに関する質問をした。このビデオは、「政府・与党が一体となって、1年間で問題を解決する」と説明しており、国民に誤解を与える内容となっている。山井議員は、政府は自民党に訂正を求めるべきではないかと質問したが、政府は「訂正を申し入れる立場にない」と回答。これについて山井議員は、「国民に虚偽の説明をし、それを改めようともしない。公職にある者の態度として許されない」と強い口調で批判した。

 また、「年金記録確認第三者委員会」について、会議も資料も議事録もすべてが非公開となっている現状や、先ごろ、記録訂正が認められた15件が公表された一方、却下された案件については何ら情報が示されないことについて、「すべての情報を開示することが問題の解決につながる。政府は本当に問題を解決する意思があるのか」と、政府の姿勢に疑問を呈した。
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