ニュース
ニュース
2000/04/14
民主党提出の「犯罪被害者基本法案」審議始まる
民主党案の趣旨説明に立った北村哲男議員は、基本理念に「すべての犯罪被害者は個人の尊厳が重んぜられ、犯罪被害の状況などに応じて、適切な処遇を受ける権利を有する」と明確にうたったことを強調。そのうえで国・自治体に「犯罪被害者等の被害の回復・社会復帰を支援する責務がある」と規定したことを説明し、党派をこえた賛同を呼びかけた。

 内閣案に対する質問に立った奥田建議員は、犯罪被害者がこれまで法的に明確な位置を与えられてこなかったことを挙げ、「犯罪行為によって命を奪われ、心身に傷を受けた被害者の人権に焦点をあてた法案が国会で審議されるのは画期的で意義深いこと」と審議自体を評価。そのうえで内閣案について、(1)犯罪被害者の医療費は公費負担にすべきだ(2)加害者が不起訴なら検察官は被害者の求めに応じ、情報を「通知することができる」とあるが、通知しない場合の理由は何か(3)被害者の優先傍聴を本人または配偶者と直系親族に限っているが、対象者を拡大すべきではないかとただした。

 臼井法相は、「(公費負担を)検討する」と述べ、情報通知は「犯人の更正を妨げたり、新たな事件を引き起こす可能性があれば行わない」と答弁。さらに傍聴対象の拡大は「一般の傍聴を狭める」という理由で応じない姿勢を明らかにした。

 民主党・内閣両案に対する質問では、公明党・改革クラブの倉田栄喜議員が「被害者を単なる保護の対象とし、被害を受けた主体者としての権利を明確にしていないのでは」と質問。民主党の坂上富男議員が答弁に立ち、「基本理念として、被害者が適切な処遇を受けれる権利をうたっている」と説明した。
記事を印刷する