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2003/07/02
イラク人道復興支援特別措置法案に対する修正案 趣旨説明
民主党・無所属クラブ
民主党副代表 伊藤 英成

ただいま議題となりました「イラク人道復興支援特別措置法案」につきまして、民主党・無所属クラブを代表し、その趣旨をご説明申し上げます。

民主党は、イラクの大量破壊兵器問題に対し、徹底的な国連査察を通じた平和的解決を訴え、米国等によるイラク攻撃に反対しました。しかしながら、イラク国民がこれ以上の災禍に見舞われることを回避するとの人道的見地のほか、イラクの安定が及ぼす中東和平ひいては中東全体の平和と安定への影響、国連安保理決議1483号の採択、同盟国たる米国からの支援の要望等に照らし、わが国は、イラク復興支援に積極的に取り組んでいくべきとの見解をすでに明確にしています。この立場から、先月、民主党はいち早くイラクに調査団を派遣し、現地のニーズをつぶさに検証してきました。

民主党は、現地のニーズ、憲法上の問題、対イラク・対中東政策に関する戦略、そして米同時多発テロ以降、多様化する世界の脅威に対し、国際社会の安定した枠組みをいかに構築していくかのヴィジョンなしに、政府・与党が「自衛隊派遣ありき」で、この政府案をなし崩し的に通過させようとしていることは、日本の国益にとって禍根を残す事態であり、断じて看過できないと考えます。とくに、政府がイラク攻撃を支持する理由とした大量破壊兵器は、未だ発見されていないどころか、米英両国では情報操作の疑惑が指摘されています。つまり、政府がイラク攻撃を支持した前提が崩れかねない状況にあります。

民主党は、イラク国民に対する人道支援及び復興支援を第一義的な目的とする修正案を提出します。その具体的内容は、お手元に配布した修正案の通りでありますが、以下、その概要を申し上げます。

第一に、イラク攻撃の正当性の根拠として、法目的に挙げられている安保理決議第678、687及び1441号を削除することです。

第二に、「戦闘地域と非戦闘地域」、「戦闘員と非戦闘員」の峻別は困難であり、海外での武力行使、武力行使との一体化の可能性も生じ得るのに加え、自衛隊でなければ果たせないニーズが特定できない等の判断から、自衛隊の活動に関する項目を削除することです。

第三に、施行から4年を経過した日に失効するとありますが、流動的な現地の状況から2年の期限に短縮することです。

委員各位におかれましては、本修正案の趣旨につきまして十分にご理解を賜り、慎重にご審議の上、速やかにご可決あらんことをお願い申し上げます。

以上
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