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2003/01/29
「もんじゅ」行政訴訟控訴審判決に対する談話
民主党経済産業部門会議
「原子力の安全性に関する検討委員会」
座 長  大畠 章宏


 核燃料サイクル開発機構(旧・動燃)の高速増殖炉「もんじゅ」(95年12月のナトリウム漏れ事故で運転停止中)の安全性をめぐり、周辺住民らが国を相手に原子炉設置許可の無効確認を求めた行政訴訟の控訴審で、名古屋高裁金沢支部は27日、請求棄却をした一審判決を取り消し、許可処分を無効とする判決を言い渡した。

 民主党は、京都議定書における我が国の国際公約を達成するため、エネルギ−供給の太宗を担いうる代替エネルギ−の開発・実用化までの橋渡し(過渡的エネルギ−)として、原子力発電を重要なエネルギ−源と位置付け、その開発・利用にあたっては、安全確保と国民の信頼と安心を最優先に、慎重に推進されるべきと主張してきた。

 こうした中、今回の判決は、商業炉とは異なる研究開発施設に対する判決とは言え、原子力施設の建設・運転を巡る訴訟において住民側の主張が初めて受け入れられ、原子炉設置許可に係る国の安全審査に看過しがたい過誤、欠落があったとして、国の安全審査のあり方そのものに警鐘を鳴らすとともに、核燃料サイクル政策をはじめとする我が国の原子力政策に大きな影響を与えるものであり、極めて重く受け止める。今後国民の立場に立ち、裁判経緯を含め事実関係の調査を行う。

 もとより原子力施設の建設・運転は、国の責任のもとに許認可が行われるものであり、これまで推進機関と規制機関を明確に区分せず、緊張感無き原子力行政を放置してきた国の責任は重い。政府は、今回の判決に対して、国民に対して十分なる説明責任を果たすとともに、原子力の安全性に対する国民の信頼回復が急務となっている今こそ、民主党がかねてより提唱してきた独立した安全規制機関の設置に早急に取り組むべきである。

 民主党は、国民の立場に立ち責任ある原子力安全行政を実行するため、先の臨時国会において、「原子力安全規制委員会設置法案」を再提出した。この法案は内閣府の外局として原子力安全規制を司るための独立した委員会を設置するものである。政府は早急に民主党提出法案の成立を図り、安心・安全を最優先した、国民から信頼される原子力安全規制体制の確立を図るべきである。

以上
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