2003/12/20
04年度予算 財務省原案について(談話)
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民主党政策調査会長 枝野幸男
民主党ネクスト財務大臣 藤井裕久
1. 本日、財務省より04年度予算の原案が内示された。その内容はまさに芸術的ともいえる「既得権益」と「数合わせ」の組み合わせであり、論外の一言に尽きる。特に土壇場で、族議員と霞が関官僚機構が、国民生活も経済状況も顧みず、既得権益維持に汲々とした姿には、唖然とするほか無い。その結果が、わが国史上かつてない国民負担増という壮大なしわ寄せであり、強い憤りを禁じ得ない
2. このような事態を招いた責任は、ひとえに小泉総理にある。総理は2年半余に渡って雄叫びとすりかえのみを繰り返し、総選挙においてさえ何らビジョンを示さなかった。年金も地方分権も、議論すら先送りした結果、予算編成に歪みが集中して統制不能な状態に陥り、族議員の跳梁跋扈を許す結果となった。自らの見栄えと米国への配慮ばかりに気を遣う人物が国家のリーダーであることに、恐怖感さえ抱く。
3. 04年度予算は、表面上の国債発行額こそ前年度並みとしているが、これは借金返済の先送りなど隠れ借金の賜物であり、既に財政状況は破綻に直面している。国債の市場消化を心配し、隠れ借金をしてまで、名目の国債発行額を抑制しようとする政府の姿勢が、そのことを如実に表している。
4. 年金についても、全くの論外である。空洞化が深刻な国民年金の改革は置き去りに、厚生年金という狭い世界だけでの数字合わせを行っているに過ぎない。これで国民の年金に対する不信が解消できると考えるなら、政権担当能力は皆無と言わざるを得ない。
5. 意味不明な「所得譲与税」で4000億円の税源移譲を行うとは言うものの、一方で1兆円の補助金削減、1兆円の地方交付税削減を行う「三位一体」とは、一体何を目指しているのか理解不能である。
6. 今回の予算案は、すりかえ・先送りによるごまかしが限界に達し、その矛盾を国民に押しつけようとするものである。このままでは、政治に対する信頼は回復できないほど失墜し、必要な改革さえ出来ないままに、わが国が崩壊への道を辿る羽目になりかねない。これを回避するために、民主党は真の改革という選択肢を国民に提示する責務があることを肝に銘じ、国民生活・経済の回復に全力を尽くしていく。
以上
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