ニュース
ニュース
2002/01/30
「道路交通法施行令の一部を改正する政令試案等」に対する要請書
警察庁 田中節夫長官殿
衆議院内閣委員会 大畠章宏委員長殿
参議院内閣委員会 佐藤泰介委員長殿 


「道路交通法施行令の一部を改正する政令試案等」に対する要請書


民主党ネクストキャビネット
内閣府担当大臣 枝野幸男
人権・消費者担当副大臣 石毛えい子





 2001年6月の道路交通法改正により運転免許に関する障害者の欠格事由について見直しが図られ、その政省令改正が最終段階を迎えています。このことに関して法律の施行にあたり附帯決議において「免許の拒否等の基準を定めるに当たっては…障害者団体を含め広く各界の意見を十分聴取すること」「補助手段の開発を急ぐとともに補助手段を用いた障害者の運転免許制度について見直しを行うこと」「運転免許の適性試験・検査についてはこれが障害者にとって欠格事由に代わる事実上の免許の取得制限や障壁とならないよう…」等と定められたところであり、この趣旨を生かした政省令の策定が望まれるところです。

 以下、障害者の運転免許取得を規定する政省令の策定に関してつぎの事項を要請いたします。

1. 免許の拒否や取り消し等の基準に関して試案の具体的基準が機械的に適応されるとすれば、現在運転免許をもち、実際に運転をしている障害者の免許剥奪にもなりかねません。また、免許取得を狭めるおそれも予測されるところです。

(1)障害名や病名をあげて制限範囲を定めることをやめ、障害や病気の有無によってではなく、いかにしてその人の安全運転を可能にするか、個々人の状態と補助的手段の活用などを公正に判断するようにすること。

(2) 適性相談窓口をあらゆる障害者が免許取得が可能となる方向で充実し、相談体制を整備すること。相談マニュアルを新規に作成することとし、その作成にあたって障害当事者の意見や体験を入れること。

(3) 免許の拒否、保留、停止、取り消し等の決定の際は、異議申し立てが十分に機能するよう手続き規定を整備すること。

2. 病状申告制度は免許取得不可の予測から必ずしも正確に申告されるか不明であり、また、障害者に抑圧的に作用する懸念ももたれることから導入しないこと。適性相談窓口の充実により障害者が障害を自主申告しうる方向を推奨すること

3. 試験の適性基準検査(聴力基準など)の見直し、補助手段の開発、交通環境の整備を推進するため、警察庁交通局運転免許課と障害者団体のあいだで定期的協議の場を設け、かつ情報公開を行うこと。

以上
記事を印刷する