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1999/10/22
介護保険制度に対する自民党の負担軽減案について(談話)
民主党ネクスト・キャビネット大臣
雇用・社会保障担当 今井 澄

 来年4月実施の介護保険制度で、自民・自由・公明の与党3党により10月中に取りまとめるとしていた負担軽減案がマスコミに報じられた。
 報道によれば、同案は亀井自民党政調会長がまとめたもので、保険料徴収を1年間凍結すること、家族介護への現金給付支給などを柱とし、すでに自由党・公明党も大筋で了承したとされている。

 亀井氏は、政調会長就任直後から、介護保険制度の抜本的見直しを主張し、とくに「介護の基本は子どもが面倒みることでそれが親子の美徳だ。」などと持論を展開し、制度の骨格変更にも言及していた。もちろん介護保険制度は、社会全体で高齢者介護を支え、負担を分かち合うものであるが、その基本に家族があるのは言うまでもない。

 日本は、世界のどの国も経験したことのない少子高齢社会を迎える。乏しい介護基盤のため、やむをえず家族介護に頼ってきた現状から脱却するため、公的介護保険制度が出来たのである。亀井氏が、現在の介護レベルや家族介護だけで、超高齢社会を乗り切って行けると考えているとしたら、大きな間違いである。

 他方、保険者となる市区町村では、10月から要介護認定の申請を受け付けており、実質的に介護保険制度はスタートしているのである。そうした中での冒頭の亀井案である。1年間保険料徴収を凍結するだけで約2兆円の財源が必要となるが、一体この財源をどう賄うのか。家族介護への現金給付も、制度の骨格を大きく変えるもので、市区町村はもとより地域住民も混乱し、もはや介護保険が成り立たなくなる恐れもある。

 最終的に、10月末に自民・自由・公明の与党3党がどのような結論を得て、来年4月からどのような形でスタートさせるのか不明だが、何よりも制度の骨格を変えず、保険者である市区町村を混乱させず、住民にも不安のないよう制度を始めることが重要である。単なる、選挙目当ての保険料徴収先送りなど絶対にすべきではない。
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