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1999/07/08
地方分権一括法及び行革関連17法の成立にあたって(談話)
政調会長  中野 寛成

 本日、参議院本会議で一括法及び行革関連17法案が可決・成立した。民主党は、地方分権一括法案の成立を歓迎するが、行革関連法案については強い怒りをもって抗議する。

 地方分権一括法案は、長い間わが国の中央集権型行政システムの象徴となってきた機関委任事務を廃止し、国と地方自治体の対等・協力関係を踏まえ新たな事務区分を定めること等を内容とするものであり、地方自治の確立、住民自治の充実に向け大きな意義を有するものである。地方分権の観点に立った事務区分のさらなる見直し、国から地方への抜本的な税財源移譲の検討等の課題については、衆議院で民主党が中心となって修正を実現した。また、地方自治体の自治事務に対する国の関与の限定、国地方係争処理機関の中立性確保等の課題についても、参議院での審議を通じて今後の解釈・運用の指針を明確化した。国会審議でのこれら一定の成果を足掛かりとし、民主党は、地方への税財源移譲など、残された課題の達成に向けて引き続き国政・地方自治体の両面から取り組みを進める。

 一方行革関連17法案については、全く行政改革の体をなしていないと考える。国会審議において、「この法案をもって直接に行政がスリム化されると言うことではない」と本行革案を担当する総務庁長官が答弁したことから明らかなように、政府自身も行政改革と認めていない。基本理念も無く、手順は逆さまであり、この結果が「国土交通省」に代表される、およそ行政改革とかけ離れた省庁である。さらに、公党間で幾たびも合意した「財金分離」は不徹底に終わり、公務員の削減は見せかけのみであり、小渕総理自信が公約した「行政コストの30%削減」は全く中身の無いものである。この上でなお、政府がこれを行政改革と強引に言い張ることは、国民に対する裏切りと言う他はない。国民に対する背信をもたらした最大の原因は、既得権益構造の温存に終始し、官僚に依存しきっている現政権の基本的な性格である。今回の一連の審議等で、現政権では真の行政改革を実現することは不可能なことが明らかになったと考えている。

 地方分権と行政改革は表裏一体の問題であり、いずれが欠けても、国民が主役となる21世紀の我が国社会に適した行政制度の構築は不可能である。現政権において、この重大な役目を担うことが不可能であることが判明した以上、我々が新しい行政制度、さらには新しい「この国のかたち」を示し、そして政権獲得を通じてこれを実現していくことが国民に対する政治の責任であると考えている。

以 上
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