1998/09/09
長銀に対する資本注入について(談話)
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民主党緊急金融・経済対策本部
事務局長 伊藤 英成
民主党は、政府が現在準備している長銀救済――公的資金投入――スキームには明確に反対であり、これを容認したり、黙認したりするものではない。
この長銀救済スキームは、長銀の経営実態を隠蔽し、不良債権(不良資産)を過少に見積もったうえで、公的資金を逐次投入するやり方であって、政府に何らの統治能力もないことを示し、マーケットから激しく撃たれ、失敗し、結局のところ、国民に多大かつ不必要な負担を押しつけることになりかねない。
これまでの金融安定化に関する特別委員会の審議で明らかになったことは、長銀の関連ノンバンクやペーパーカンパニーに対する回収不能債権は少なくとも1兆5000億円は存在し、常識的には2兆数千億円の不良債権(資産)は100%償却もしくは引き当てを要すると思われる。すなわち、正しく債権・資産査定をするならば、長銀はすでに自己資本の倍の1兆5000億円以上の要償却資産があることは、民主党が国会審議で追及したとおりであり、適切な引き当てを行えば、債務超過、実質破綻の状態にあることは容易に推測される。
長銀は、野党3党の法案にもとづいて「管理された破綻」処理を行わせるべきである。すなわち、我々が主張しているとおり、預金者等を全面的に保護し、パニックや混乱を惹起しないよう管理したうえで、17兆円の特別業務勘定を効率的に使用しながら、整々と整理手続を進めるべきである。
なお、政府が、国民や民主党をはじめとする野党の長銀救済=公的資金投入反対の声に背を向け、これを強行するならば、我々はその政治責任を厳しく、徹底的に追及する。
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