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2000/04/24
「これでは真空首相の継承」菅政調会長、森首相と予算委で激論


森首相が初めて出席する予算委員会が衆院で24日、開かれた。民主党からは菅直人政調会長と横路孝弘副代表が質問に立ち、森首相誕生までの数々の疑惑や首相の歴史認識、雇用・福祉政策、財政再建ビジョンなどについてただした。

 菅会長は、まず「長年議員をやっているわりには首相のイメージが鮮明でない」と述べ、(1)中国と台湾を「国と国との関係だ」とした李登輝台湾総統の発言についての見解(2)日中戦争は侵略戦争か(3)警察改革をどうするのか(4)医療の抜本改革をどう進めるのか、などをただした。 

 これに対し森首相は、「(李総統発言については)当事者同士で平和的に話し合ってほしい」、日中戦争については「歴史のなかでみなが判断すること」と答弁。警察改革についても「できるだけいい法案をつくる」、医療改革は「国会でやるべきこと」とすべて先送りの姿勢を示した。

 これを受けて菅会長は、「森首相には自分の考えがあるのか。これでは真空首相の継承だ」と批判。小渕前首相入院直後から「情報の操作・ねつ造があった」として、「自民党の村上参院会長が『後継首相は森でいい』と言ったとき、(あなたは)そばにいたか」とただした。しかし森首相は「いない。自分のいるところで森云々の話はない」と答えた。

 また菅会長は、「青木官房長官は憲法70条の『首相が欠けたとき』にあたるというので首相臨時代理になったが、『欠けた』とだれが判断したのか。それを示す診断書はあるのか」と追及。官房長官は「私と医師の信頼関係で話したので間違いない」と強弁し、診断書については明言を避けた。

 菅会長は、「官房長官は前首相と1人で会って『万事よろしく頼む』と言われたので臨時代理になったと述べ、しかも病状は自分が聞いたというだけで『欠けた』と判断しろという。だが、証明するものは何もない」と指摘。ところが首相は、「青木さんの名誉のために言うが、(2日夜に)私が『臨時代理になり、対処したらいい』と言うと、彼は固く固辞した」と、これまでの官房長官の説明と完全に食い違う答弁をし、さらに疑惑を深める結果となった。

 このため菅会長は、島村予算委員長に、前首相が入院している病院の医師の参考人招致を要求。島村委員長は「理事会で適切でないと判断した」と拒否したが、菅会長が重ねて抗議した結果、「理事会で改めて協議する」と回答した。
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