1998/05/07
民主党「行政改革基本法案」概要
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1. 中央政府の権限・財源を「地方へ・市場へ・市民へ」
中央政府の役割を明確に限定列記し、これ以外の仕事は地方分権により地方自治体へ、規制緩和により市場へ、市民活動の促進により市民(NPO等)へ振り分ける。過度に中央政府に集中している権限の分散こそが、行政の「透明性」「効率性」「機動性」を向上させるために不可欠であり、又中央政府の役割を限定することにより、その大幅なスリム化、定員の削減を実現する。
2. 国と地方の収入割合を1:2に
現在の国と地方の財源割合は収入面で国:地方=2:1、支出面では国:地方=1:2となっている。実質的な地方分権を進めるためには、これを収入の段階から支出に見合った割合にすることが必要である。包括補助金制度も一つの手法ではあるが、中央政府の役割の限定に応じた、より思い切った地方財源の拡充こそが求められており、これにより地方分権の推進や中央政府のスリム化が不可避となる。
3. 国の規制を「サンセット方式」に
規制は一度作ると既得権者が発生するため、その必要性が無くなっても、なかなか撤廃できない。そこで全ての規制を時限性として、延長する場合は、その理由を行政が明らかにする責任(アカウンタビリティー)を義務付ける。
4. 公共事業関係長期計画に、国会のチェックを
今回の政府提案では、無駄の多い公共事業は無くならない。公共事業関係の長期計画に対する国会のチェックを行うことにより、公共事業の透明性を向上し、国民意見の反映を図り、公共事業に対する責任体制を明確にする。
5. 副大臣制の導入
政府案の内閣機能強化は、現行法でも運用で可能である。問題はなぜ今まで出来なかったか、である。複数の副大臣及び政務補佐官の導入により、政治家がグループで各省庁をコントロールし同時に政府部内の調整を行う。こうして内閣の運営を政治家が実質的に行うことにより、政治のリーダーシップが確立できる。
6. 2年以内に行政改革調査会で結論を
行政改革を官僚に依存することが根本的に間違っている。行政改革の実現は、将に立法府の責任であり、これを果たすため国会に行政改革調査会を設置し、2年以内の時限を持って、抜本的な行政改革を実現することとする。
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