2002/08/30
道路関係四公団民営化推進委員会・中間整理について(談話)
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民主党政策調査会長
岡田 克也
1. 本日、政府の道路関係四公団民営化推進委員会が中間整理を行った。未開通区間の高速道路の扱いについて「凍結・規格の見直しを含む再検討」とされているほか、全国料金プール制の廃止や民間経営者の登用、新規職員の採用停止、役員退職金の廃止が盛り込まれるなど、その内容は一定の評価ができるところである。
2. しかしながら、「上下分離」方式による民営化、すなわち新会社から道路資産および債務を分離し「保有・債務返済機構」に引き継がせる点については、新規路線の建設抑制や債務償還の促進の観点から懸念が生じるといわざるを得ない。とりわけ「保有・債務返済機構」が、新規路線の建設に際し資金負担をできる旨が盛り込まれた点については、「債務総額を原則増加させない」という但書きがあるものの、本来なるべく早期に償還すべき債務について、その進行を著しく遅らせる結果を招きかねない。
さらに、新規路線の建設決定については、整備新幹線方式を参考にしたうえで、新会社が主体的な判断に基づいて行うとされているが、その過程はあいまいな点が多い。整備新幹線の例を見るまでもなく、政・官の過度な干渉を防ぐ手立てを講じる必要があると考える。
3. 民主党は、昨年11月に決定した「民主党・道路関係四公団の改革方針」において、現行の整備計画の建設をすべて一時凍結するとともに、「上下一体」方式で分割・民営化すべき旨を明確にした。これは、約40兆円弱にも及ぶ債務の償還を新規路線の建設よりも優先すべきであるという考え方に基づくものである。政府においても、新規路線の建設については、極めて厳密な基準を適用して絞り込むことによって、債務償還を優先する旨を明確にすべきであると考える。
4. そして、最も重要なことは、今回の中間報告が自民党始め与党のなかでどのように受け止められるかということである。報道される与党の考え方と中間報告のギャップはあまりにも大きく、このままでは中間報告は骨抜きにされ、結局絵に描いたモチになりかねない。小泉内閣のリーダーシップが問われている。
以 上
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