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2001/11/28
政府は川辺川ダム計画を即刻中止せよ(談話)
民主党幹事長 菅 直人

本日、川辺川ダム計画に伴う漁業補償について、球磨川漁協の臨時総会が開催されたが、水産漁業組合法上必要とされる三分の二以上の同意を得ることができず、補償案は否決された。不当圧力に怯むことなく正当な判断を下した組合員各位の行動に最大限の敬意を表すとともに、国土交通省はこの事実を厳然と受け入れ、直ちに計画を中止するよう強く求めるものである。

そもそも35年も前に計画された川辺川ダムは、事業目的とされる治水・利水・発電いずれの点においてもその効果が疑問視されてきた。さらに先日には、国土交通省自身が発行する防災業務計画書においても、ダム計画は流域の治水にとって不要である旨のデータが記載されていることが発覚した。国自身が不要であると判断する事業に対し、国自身が数千億円もの税金を投ずることは、まさに荒唐無稽を通り越して呆れ果てる他はない。

然るに国土交通省は、補償案が否決されても強制収用を行う旨をこれまで明らかにしていた。片や強制収用の拳を振り上げ、他方で補償交渉を行うという、恫喝まがいの姿勢には言葉を失う他ないが、漁協において補償案が否決された今日、いまこそダム不要を叫ぶ地域の声に真摯に耳を傾けるべきである。決して強制収用を行うことのないよう断固として要求する。

我が国の公共事業改革が未だすこぶる不十分であり、既得権益にまみれた「抵抗勢力」に対して小泉内閣が如何に無力であるかは、この川辺川ダム計画をめぐる顛末からも明らかである。政府は直ちに既得権益の呪縛を断ち切り、無駄な公共事業の象徴ともいうべきこの川辺川ダムを即刻中止するよう、強く求めるものである。
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