2001/03/15
「住宅金融公庫法の一部を改正する法律案」への対応について
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民主党ネクストキャビネット
社会資本整備担当大臣
前原 誠司
住宅金融公庫のあり方については、以下の観点から業務体制の見直しを図るべきであり、既存制度の維持・拡大を指向する「住宅金融公庫法一部改正案」については反対する。
(1)住宅金融の供給総額に占める住宅金融公庫融資の割合は約4割にも達し、住宅金融公庫が民間金融機関を著しく圧迫している状況がうかがえる。とりわけ民間金融機関にとっては、貸し倒れ懸念の少ない個人向けローン分野に対する要望が高く、公庫が大規模な直接融資を行っていることに対する批判の声は大きい。また民間の住宅ローン市場がより活性化することで、競争原理が高まり、金利面における競争や新たな商品の開発など、ユーザーがより利用しやすい環境が整備されるものと考えられる。今後は民間を中心に住宅ローン供給を行う体制に改めるとともに、それを補う形での利子補給・減税措置などへ住宅政策を転換するべきである。
(2)住宅金融公庫法第1条は、「銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通すること」としており、業務範囲を政策的に限定する旨を規定している。しかし実態は、融資対象者に所得制限を設けていないなど幅広い融資業務を行っている。今後は第1条で謳われている精神を活かし、低所得者・障害者・高齢者・シックハウス症候群患者など、特別な事情があり民間金融機関から融資を受けることが困難である者に対してのみ融資を行うなど、業務の範囲を限定したものに改善していくべきである。
(3)住宅金融公庫をはじめとする特殊法人については、昨年末に閣議決定された行政改革大綱において「廃止・整理合理化・民営化などの措置を講ずる」とされており、すべての特殊法人についてゼロベースからの見直すという方針が明らかにされている。住宅金融公庫についても同様に、将来の民営化を視野に入れて業務範囲の縮小・整理合理化を推進するべきである。
なお今後の住宅金融公庫のありかたついては、前述のとおり特別な事情があり民間から融資を受けることが困難である者に対する融資機関としての位置付けを明確にするべきであると考える。
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