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2002/10/31
公立の小中学校等における地震防災上改築又は補強を要する校舎等の整備の促進に関する臨時措置法案要綱
民主党

第一 目的


 この法律は、公立の小中学校等の校舎等について地震防災上緊急にその安全性を確保する必要性が生じていることにかんがみ、教育の分野において一括交付金の制度が導入されるまでの間の当面の措置として、地方公共団体に対してその設置する小中学校等の校舎等に係る耐震診断の実施及びその結果等の公表を義務付けるとともに、当該校舎等の改築又は補強の速やかな実施及びこれに要する経費に対する国の負担又は補助の割合の特例等の措置等について定めることにより、当該校舎等に関する地震防災上必要な整備の促進を図ることを目的とすること。(第一条)


第二 定義


 一 「小中学校等」とは、学校教育法に規定する小学校、中学校、中等教育学校の前期課程並びに盲学校、学校及び養護学校の小学部及び中学部をいうこと。(第二条第一項)
 二 「校舎等」とは、校舎及び屋内運動場をいうこと。(第二条第二項)
 三 「地震防災上改築又は補強を要する校舎等」とは、地震防災上改築又は補強を要するものとして文部科学大臣の定める基準に該当する校舎等をいうこと。(第二条第三項)
 四 「耐震診断」とは、文部科学大臣の定める方法により地震に対する安全性を評価することをいうこと。(第二条第四項)


第三 耐震診断の実施及びその結果等の公表


 一 地方公共団体は、その設置する小中学校等の校舎等であって地震防災対策特別措置法第二条第一項に規定する地震により著しい被害が生ずるおそれがあると認められる地区に存するもののうち、新耐震設計基準(昭和五十六年)の施行前に建設されたものについて、耐震診断を実施しなければならないこと。ただし、耐震診断の実施を義務付ける必要がないものとして文部科学大臣の定めるものについては、この限りでないこと。(第三条第一項)
 二 地方公共団体は、一の耐震診断の結果等を取りまとめ、これを公表しなければならないこと。(第三条第二項)


第四 校舎等の改築又は補強の速やかな実施


 地方公共団体は、その設置する小中学校等の校舎等のうち、第三の一の耐震診断の結果等に基づき地震防災上改築又は補強を要する校舎等であると認められるもの(以下「要整備校舎等」という。)について、速やかにその改築又は補強を実施するよう努めなければならないこと。(第四条)


第五 国の負担又は補助の割合の特例等


 一 国は、第三の一の耐震診断の実施に要する経費について、その全部を補助するものとすること。(第五条第一項)
 二 地方公共団体が実施する要整備校舎等の改築又は補強に要する経費に対する国の負担又は補助の割合は、当該改築又は補強に関する法令の規定にかかわらず、次のとおりとすること。(第五条第二項)

 1. 要整備校舎等の改築に要する経費 二分の一
 2. 要整備校舎等の補強(3の校舎の補強を除く。)に要する経費 二分の一
 (政令で定める基準に該当する地方公共団体が実施するものにあっては、三分の二)
 3. 要整備校舎等の補強のうち、小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程の木造以外の校舎の補強に要する経費 三分の二


第六 地方債についての配慮


   地方公共団体が要整備校舎等の改築又は補強に要する経費に充てるため起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとすること。(第六条)


第七 私立の小中学校等の校舎等についての配慮


   国及び地方公共団体は、この法律の趣旨を参酌し、私立の小中学校等の校舎等について、地震に対する安全性の向上が図られるよう配慮するものとすること。(第七条)


第八 施行期日等


 一 この法律は、平成十五年四月一日から施行するものとすること。(附則第一項)
 二 教育の分野における一括交付金の制度の導入
   国は、この法律の施行後速やかに、教育の分野において一括交付金の制度を導入するため、法制上の措置その他必要な措置を講ずるものとすること。(附則第二項)
 三 失効
   この法律は、平成二十年三月三十一日限り、その効力を失うこと。ただし、その日より前に、二の措置に係る法律が施行されるに至ったときは、当該法律の施行に併せて廃止するものとすること。(附則第三項)
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