ニュース
ニュース
2002/01/10
「最高責任者にあるまじき発言」武部農相の責任転嫁を徹底追及〜衆院農水委で鮫島、筒井両議員
 衆議院農林水産委員会は10日、狂牛病(牛海綿状脳症)に関する閉会中審査を行い、民主党の鮫島宗明、筒井信隆両衆議院議員が質問に立ち、前事務次官の退職金や、武部農相のたび重なる問題発言の責任を追及した。

 審議の中で、狂牛病の感染源となる肉骨粉の使用規制を行政指導にとどめた96年当時の畜産局長だった熊沢英昭前農水事務次官(1月8日付で退任)への退職金が8874万円にも上ることが明らかに。筒井議員は「実質的な引責辞任であり、退職金は減額すべきというのが国民感情ではないか」と迫ったが、武部農相は、「今回の人事はいわゆる定期異動。不祥事や刑事事件を起こしたわけではない」として減額せず規定通り満額支給する考えを示した。

 また、昨年末の北海道中標津町での集会で、武部農相が「感染源・感染ルート(の解明)はそんなに大きな問題なのか」などと発言した点について、事実確認を求めた筒井議員に対し、「安全性にとってルートの解明は大きな問題かと農協組合長さんたちに尋ねただけ解明は重大だと自分自身は認識している」などと弁解した。

 筒井議員はさらに、96年の行政指導が農家にまで伝わらなかったことについて、同集会で武部農相が述べた「みんなの責任だ」との発言も追及。筒井議員は「行政指導を知らなかったことは恥だとまで発言されたというが事実か」と、武部農相の責任転嫁ぶりを徹底追及した上で、「農家の方々が知らなかったのは農水省側の恥だ」と批判。発言撤回の意志があるかどうか質し、農相から「あの場で誤解を招くようなことを申し上げるべきでなかった」と答弁させた。

 終始、一貫しない発言をくりかえす武部農相に対して筒井議員は「メチャクチャな発言であることを自覚してほしい」と一喝。そうした発言をくり返すことが消費者の信頼回復を遮る要因となっている点をきびしく指摘し、農相自身の責任を追及したが、農相は「過去の責任をすべて今の大臣が負う必要はない」などと、開き直った。
記事を印刷する