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2002/11/29
4野党共同 補正予算編成の要求について
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4党幹事長・書記局長会談
4野党共同 補正予算編成の要求について
民 主 党
自 由 党
日本共産党
社会民主党
小泉内閣の経済政策の破綻はすでに明白であり、平成14年度の財政運営も歳入欠陥を含めて内閣の公約が破棄されたことは明らかである。国民経済を危機的な状況まで追い込み、公約を次々と破棄する小泉首相は、自らの責任を明確にすべきである。国民生活の破綻を回避するためには口先だけではない、わが国社会の抜本改革を行うことが必要であり、雇用・失業対策、中小零細企業対策を中心とする補正予算を今国会で成立させることが不可欠であるが、小泉首相がこれを先送りしたことはきわめて遺憾である。
野党4党は、小泉内閣の政策破綻・公約破棄の責任明確化および以下の政策的課題を盛り込んだ的確な補正予算編成を行うよう、強く要求する。
1.雇用・失業対策
(1)雇用保険制度の財政基盤安定化
雇用保険財政の基盤を強化するため、一般会計より必要額を繰り入れること。同財政の不安定化の原因は政府の経済失政にあり、そのツケを国民に押しつけることは許されない。
(2)失業者の生活を守る
非自発的失業者の生活基盤を守るため、健康保険料の軽減、子弟の教育費対策、住宅費対策、創業支援策などを講じること。
(3)就職支援体制の改善・強化
官民の教育訓練機関を通じた能力開発実施体制の整備・強化等求職者の能力開発を推進し、実際の雇用に結びつくような失業給付制度の改善を行い、給付期間の延長を図るとともに、そのための財源の安定確保を図ること。
また学卒未就業者を含む若年層に対する就職援助措置の充実、求人開拓部門の強化、自営業者などに対する教育訓練の拡充などを実施すること。
またきわめて厳しい雇用環境にある母子家庭の母、障害者等の雇用対策を強化すること。
(4)「緊急地域雇用創出特別交付金事業」の改善・積極的活用
きわめて厳しい雇用状況に早急に対応するとの観点から、「緊急地域雇用創出特別交付金事業」を、雇用期間の延長、更新制度の創設、NPOの活用など住民および自治体にとってより活用しやすい制度へ改善をした上で、積極的に活用すること。
(5)労働行政の充実
サービス残業是正のための対策強化、年齢・性別差別解消の推進、個別労使紛争等への対応強化等を含む相談体制の拡充を行うこと。
2.中小企業対策
(1)「特別信用保証」の復活等
不良債権の処理加速化に伴い、今後中小企業の資金環境が一層厳しくなることが予想されるため、時限的に「特別信用保証」を復活させるとともに過去の債務についても返済猶予措置・リスケジュール等を講ずること。また政府系金融機関の積極的活用を図ること。
(2)連鎖倒産の回避等
売掛債権の回収不能などによる連鎖倒産を回避するため「セーフティネット保証制度」を拡充すると共に、保有債権を担保とする融資制度の運用改善を図ること。また中小企業の債務負担を軽減するために、借り換え融資制度等の自治体による支援策や金融機関における中小・中堅企業の債務の株式化等の積極活用を円滑にすすめる環境の整備を行うこと。
(3)地域に貢献する民間地域金融機関への適切な対応
民間の中小企業金融を支える地域金融機関を強化するため、大銀行と一律の査定となっている地域金融機関の査定の仕組みを、融資実績等を勘案したものに改め、体力を強化して中小企業金融の充実をはかること。
また地域の住民や産業に対する与信状況、地域経済に対する貢献度等に関する情報の公開を金融機関に義務づけるなど法体系の整備を図ること。
(4)公的金融機関等における個人信用保証の廃止等
信用保証協会の保証融資、政府系金融機関融資における中小企業経営者の個人保証を廃止すること。民間融資においても個人保証を行う経営者へのセーフティネットの導入等を進めること。
(5)起業に対する強力な支援
ベンチャー企業の実情により即した社債発行制度への改善、創業時の信用保証協会の与信要件の緩和等総合的な起業支援策を講じること。
NPO支援税制法制を大胆に拡充し、営利法人のみならず、非営利法人の育成も強化すること。
(6)留保金課税の廃止
中小企業の競争力強化と自己資本蓄積による体質強化を図るため、同族会社の留保金課税の中小企業に対する適用を廃止すること。
(7)不当な下請け圧迫の防止
下請代金支払遅延等防止法を改正し、サービス産業への適用拡大、罰則の強化などを図り、併せて監視体制の強化を行うこと。
3.国民負担増の凍結
政府は経済失政によって我が国経済を危機的状況に陥れるばかりか、本年10月に続き来春にも医療保険、介護保険、雇用保険の国民負担を増大させ、まさに国民生活を破綻に追い込もうとしている。国民の不安をさらに増大させる、このような政府の姿勢は断じて許されるものではない。
小泉政権の経済無策と失政のツケを国民に押しつけることなく、政府自身が不要不急の経費節減、公共事業入札の改善や補助金の一括交付金化、天下り解消を含めた特殊法人改革等、自らの痛みをもってこれらの社会保険制度の財政基盤安定化を図るべきである。
以上の措置を講じるために、政府は即座にムダな公共事業の中止、冗費の節減等平成14年度当初予算の見直しをすすめ、組替・振替を含めて財源を確保し、速やかに補正予算を編成の上、今国会に提出すべきである。
以上
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