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2002/01/16
アフガニスタン難民等支援募金を内外の13団体へ託しました
 民主党は、これまで街頭募金や寄付などで集めたアフガニスタン難民・避難民支援のための募金総額は25,208,793円(今年1月7日現在)となりました。この中から1月16日までに、内外のNGO13団体に約1800万円を手渡し、アフガニスタン国内や周辺国での活動に役立てていただいています。また、募金活動も継続して行っています。

 このうち、約1000万円は、パキスタンとアフガニスタンで難民・避難民の緊急食糧支援や医療活動を行っているNGO「ペシャワール会」(中村哲代表)に託しました。昨年12月15日に鳩山代表が福岡市の同会の本部を訪れ、目録を手渡しました。

 また、12月21日には、現地で活動している日本のNGOであるJEN、ピースウィンズ、難民を助ける会、JVC、JIFF、セーブ・ザ・チルドレンの6団体にそれぞれ5000ドルずつを託しました。

 さらに、12月26日にパキスタンのペシャワールで民主党が開催した「アフガニスタン支援NGO会議」で出された約60の提案の中から、第一弾として、6つのNGOのプロジェクトに対して、約5000ドルずつを支援することを決定。パキスタンを訪問していた羽田特別代表がペシャワールでこれらの団体の代表に会い、小切手と目録を手渡しました。残りの募金についても、支援先を引き続き検討しています。
 6つの団体は次の通りです。

1.OMAR
(Organization for Mine clearance and Afghan Rehabilitation)
金額:5,000米ドル
地域:アフガニスタン全域
テーマ:地雷への対処についての住民教育

 アフガニスタンは世界で最も地雷の被害の大きな国のひとつです。地雷の除去と被害を減らすための教育はこの国における緊急課題です。
 OMARは、1990年以降地雷の被害を最小に抑えるための住民教育を、すでに550万人の人々に対し実施してきました。このプロジェクトでは、難民や帰還民、国内避難民など、地雷の被害に遭遇しやすい人々を対象として全国各地で教育活動を行うために使われます。代表のFazel Karim Fazel 氏は地雷問題に関してはアフガニスタンを代表する活動家です。
 
2.WDO
(Welfare and Development Organization)
金額:5,210米ドル
地域:ペシャワール近郊難民キャンプ
テーマ:女性の自立支援

教育、衛生、井戸掘り、学校建設、麻薬問題対策など、復興に向けた多岐にわたる活動をしていますが、今後は特に、女性の経済的・社会的自立をサポートする活動に力を入れる予定です。今回のプロポーザルは難民キャンプ内の最も弱い立場にある女性に収入増加のためのトレーニングを実施することを目的としています。カブール、ジャララバード、アサダバードにも拠点を持ち、アフガニスタン各地でも様々なプロジェクトを展開しています。

3.UMCA
(United Medical Center for Afghans)
金額: 4,950米ドル
場所:ナンガハール州
テーマ:産婆の養成・再教育、公衆衛生

 タリバーン統治下のアフガニスタンにおける大きな問題のひとつは女性の教育・就職の権利が認められていないことでした。産婆は伝統的に女性の職業ですが、正しい知識を持つ継承者が激減し、出産時の死亡率を高める原因になっています。正しい知識を持つ産婆を育成し、出産に伴うリスクを軽減する事は急務となっています。
 このプロジェクトでは、100人の女性が産婆としての知識を得ると共に、昨年教育を受けた40人に対し再教育を施す事を目的にしています。非常に緊急度の高いプロジェクトです。

4.ACBAR
(Agency Coordinating Body for Afghan Relief)
金額:5,000米ドル
地域:アフガニスタン全域
テーマ:アフガニスタンのNGOの活動調整

 アフガニスタンのNGOについて情報の提供や国際機関、外国機関との調整を行う機関のひとつがACBARです。アフガニスタンへの援助を効率的に行うことや、政策提言を行う上でACBARが果たす役割は大きく、そのキャパシティービルディングは大きな意味を持ちます。アフガニスタン支援NGO会議を成功に導く上で大きな貢献をしてくれた団体です。

5.NCRA
(Narcotic Controland Rehabilitation of Afghanistan)
金額:4,920米ドル
地域:ジャララバード市近郊
テーマ:麻薬問題対策としての代替農作物(野菜)生産

 1993年に設立され、ジャララバードを拠点に、国連機関から支援を受けて、砂漠化が進む地域に、アヘンに代わる農作物生産技術を提供することにより、アヘン栽培に依存していた農民の生活を、より持続可能なものにしていくことを目的として活動しています。このプロジェクトにおいては、市場価値の高い代替農作物の生産により、720人に農民として職に就く機会を提供すると同時に、アヘン栽培がもたらす問題について地域住民に伝える活動も併せて行う予定です。
 タリバン崩壊後の農村地域復興にとって極めて重要な問題に取り組むプロジェクトです。

6.HAWA
(Humanitarian Assistance for Welfare of Afghans)
金額:4960米ドル
地域:カブール市
テーマ:伝統音楽の復興と教育

 12月26日の会議で、もっとも人々に共感を与え、聴衆の拍手喝采を何度も浴びたのがこのプレゼンテーションでした。
 タリバーン支配時代、音楽は禁止され、人々はリラックスする時間を楽しむことも許されませんでした。このプロジェクトは伝統音楽をアフガニスタン社会に復活させ、若い世代に教えることで、破壊された文化を次世代に継承する効果が期待できます。カブールでの教育・訓練の後、全国各地で演奏会を実施することで戦争に傷ついた人々の心を癒し、トラウマを解消することに貢献することができます。
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