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2002/09/24
ホームレスの自立の支援等に関する特別立法に基づく早期の施策の実施に関する緊急申し入れ
2002年9月24日

厚生労働大臣 坂口 力  殿
国土交通大臣 扇  千景 殿
ホームレスの自立の支援等に関する特別立法に基づく早期の施策の実施に関する緊急申し入れ
民主党 NC厚生労働大臣 山本孝史
    NC国土交通大臣 樽床伸二

 先の通常国会で「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」(以下「法」という。)が制定され、ホームレスの自立の支援等に関する国等の果たすべき責務が明らかにされた。
 法を所管する厚生労働省及び国土交通省は、ホームレスの人権の尊重を最優先として、一日も早く法の理念に基づき下記の点について対応を行うよう、民主党は緊急に申し入れるものである。


                 記


1. 民間団体の協力を得て、一日も早く法第14条に基づくホームレスの実態に関する全国調査に着手し、ホームレスの総数の正確な把握等を行うとともに、法第8条に定められた基本方針の早期の策定に努められたい。


2. ホームレス本人が自立の意思を有するか否かにより、機械的に法による施策の枠組みから外すようなことがあってはならず、自立の意思が弱い又は不明である者に対しては、丁寧に心のケアを行っていくこと等により、自立の意思につなげていくことを目指して対処をされたい。


3. “人権”は数的・量的な概念ではなく、普遍的な問題であることに鑑み、広域的な枠組みにおける実施計画の策定を含め、可能な限り多くの地方公共団体において法第9条第1項及び第2項の実施計画が策定されるように、適切な対処をされたい。また、衆議院厚生労働委員会における決議に則り、実施計画を策定しない地方公共団体においても、ホームレスの自立支援等の諸施策を実施するよう努められたい。


4. 公共の用に供する施設の管理者に対して、人権を守り再起を支援することが最優先するという、法の理念及び委員会決議の趣旨を改めて徹底されるとともに、基本方針に一方的な退去指導は禁止されていることを明記されたい。


5. ホームレスの自立に向けて最も実効性ある施策は、安定した雇用の確保であることを踏まえ、法第8条の基本方針の中に、公的就労事業の大幅な拡充及びこれに連動した職業訓練の拡充等の具体策を盛り込まれたい。
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