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1998/09/11
自由民主党提出「債権管理回収業に関する特別措置法案」(いわゆるサービサー法案)に対する修正案の概要
民 主 党
平 和・改 革
自 由 党

民主党、平和・改革、自由党の三会派は、弁護士法の特例として債権管理回収業を行う「債権回収会社」(いわゆるサービサー)を認める「債権管理回収業に関する特別措置法案」について、

(1)破綻金融機関の不良債権処理は、三会派提案にかかる「整理回収機構(日本版RTC)」によって対処することを基本とすべきである。

(2)悪質な取立行為を防止し、債務者の人権を擁護するには規制・罰則が不十分である。

(3)中長期的には、日本版ビッグバンを視野に入れたサービサーの必要性は認めるが、今回は、現下の金融不良債権の早期処理のための立法とすべきである。

と考える。

したがって三会派は、立法目的の限定、取扱債権の範囲の限定(金融機関の債権と「日本版RTC」からの委託に限定)、業務規制・罰則の強化など、より限定的にサービサーを導入するよう修正案を提出する。

修正案の概要

(1) 立法目的の限定(第一条関係)
本法の立法目的が、金融機関等の不良債権処理が喫緊の課題となっている状況に対応するためであることを明記する。

(2) 取扱債権の範囲の限定(第二条第一項関係)
サービサーが取り扱うことができる債権のうち、リース・クレジット債権、貸金業者が有する貸付債権、その他政令で定める金銭債権の3つは削除し、金融機関が有する貸付債権のみを取り扱うことができることとする。
なお、金融機関と同列に扱われるべき、整理回収機構(日本版RTC)、信用金庫連合会、労働金庫連合会、農林中央金庫、商工組合中央金庫、信用事業を行う協同組合連合会・農業協同組合連合会・漁業協同組合連合会・水産加工業協同組合連合会その他が有する貸付債権を取扱債権に加える。

(3) 業務範囲の限定(第十二条関係)
法務大臣の承認により所定の業務以外の業務を行うことができるとする規定を削除する。

(4) 業務に関する規制の強化(第十八条関係)
悪質な取立行為を防止するため、業務規制として以下の項目を追加する。

ア)利息制限法が定める利息制限額を超える利息を伴う債務等については、その履行を要求することを禁止する。

イ)偽りその他不正の手段を用いることを禁止する。

ウ)貸金業者から借り入れて債務を弁済することをみだりに要求することを禁止する。

エ)債務者と密接な関係を有する者(親族等)に対し、債務者に代わって債務を弁済することをみだりに要求することを禁止する。

オ)債務者から、その債務の処理を弁護士に委託した旨の通知があった場合は、債務者に対し、訪問し又は電話をかけて、債務を弁済することを要求することを禁止する。

(5) 罰則の強化(第三十五条及び第三十六条関係)
暴力団員等の使用(第十八条第一項)、虚偽広告(同条第二項)、白紙委任状の取得の禁止(同条第三項)について、罰則を新設する。

(6) 弁護士会の関与の強化(第五条第四号及び第六条第二項関係)
営業許可基準の一つに、常務に従事する取締役のうちに弁護士を置くことを義務づけ、その適格性について法務大臣が日本弁護士連合会の意見を聴取することとしているが、これを、常務に従事する取締役のうちに「所属弁護士会の推薦する弁護士」を置くことを義務づけるよう改める。これに伴い、日本弁護士連合会からの意見聴取は不要になるため削除する。

(7)役員規制の強化(第五条第七号ト関係)
許可が取り消されたサービサーの役員が、新たなサービサーの役員になることを制限する規定において、該当する役員の定義が、「取消しの日前30日以内」にそのサービサーの役員等であった者としているのを、「取消しの日前六月以内」にそのサービサーの役員等であった者とする。

(8) 見直し条項の新設
法律施行後5年を目途として、実施状況等を勘案して検討を加え、必要な措置を講ずることとする条項を新設する。
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