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2002/01/30
【参院予算委】小川議員、BSE問題で農水相の責任追及
 30日、参議院予算委員会で、民主党の小川勝也議員は、BSE(牛海綿状脳症)問題をめぐる農林水産省の責任問題を中心に約1時間の質疑を行った。

 小川議員は冒頭、小泉首相の方針である一内閣一閣僚の仕組みが田中外相の更迭によって崩壊したことを受け、「国民が望んでいるのは、田中外相ではなく、武部農林水産相の罷免ではないのか」と指摘。BSE問題を深刻化させた農水相並びに農水省の責任について首相の認識を質した。しかし首相は、「農水相の更迭で牛肉の消費が上がるわけではない」と被害の深刻さを全く理解していない答弁に終始した。

 小川議員は、肉骨紛の使用に関して、1990年代からWHO勧告や農水省の家畜飼料検討委員会委員の指摘によって、その危険性が指摘されてきたこと、また1997年には米国、カナダ、オーストラリアが法的規制に踏み切ったことを取り上げ、「この3点を知っていて、(法的規制を)見逃したのか」と行政の危機意識の欠如と不作為を痛烈に批判した。

 農水相が「今にして思えば、法的規制をすべきだった」などと答弁したため、小川議員は、「そんな他人事の答弁をしているから消費者は納得しないのだ。生命に関係ある重大なことを訊いているのだ」と厳しくその責任を追及。農水相は、「当時の行政の対応に問題があった。その真相を究明するため、現在、第三者委員会を設置し検証している」などと答弁した。

 小川議員は、BSE被害の拡大について「農水省がその発生にどう対応すべきかのマニュアルを用意していなかったからだ」と危機管理の欠如を指弾。農水相は、「行政の縦割りの弊害が露呈した」と自らの失政を認める答弁に追いこまれた。

 小川議員は、BSE問題によって自殺者が相当数出るなど社会が大混乱に陥っているにもかかわらず、農水相が無責任極まりない答弁を繰返していることを批判。「国民が(こんな答弁で)納得すると思うのか」と農水相並びに農水省の責任を首相に厳しく迫った。首相は、「こういう事件を起こさないようにすることが責任の取り方だ」と答弁するにとどまった。
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