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2007/10/03
【衆院本会議】解散こそ福田首相の最初の仕事 鳩山幹事長




 鳩山由紀夫幹事長は、3日午後の衆議院本会議で代表質問に立ち、「福田総理、あなたの最初の仕事は衆議院を解散し、総選挙において、自民党福田内閣か、民主党小沢内閣か、国民の審判を仰ぐこと」と早期解散を求めた。福田首相は、「まず所信表明の実行」として、早期の解散を否定した。

 また、鳩山幹事長は、政策課題として、民主党が提出している被災者生活再建支援法の改正案、年金保険料流用禁止法案、障害者自立支援法の改正案(1割負担廃止法案)への賛成を首相に求めた。しかし、首相は適切に対処、与野党で協議などあいまいな答弁に終始した。他の質問にも、所信表明の言葉を繰り返すだけで、何ら具体的な答弁はなかった。

 幹事長は、最後に「一日も早く『国民の生活が第一』とする『小沢マニフェスト』を『まともな政治』で実現するために、政権交代を国民の皆さんとともに目指していくことを表明」して質問を終えた。

 主なやり取りは以下の通り。

■政治の理念
幹事長 小泉・安倍政権のニセ「改革」は、弱肉強食の競争至上主義で弱者を切り捨て、様々な格差を拡げ、国民生活を厳しくし、まさに社会の「希望と安心」を壊してきた。路線は変えず、小手先の修正をすればこれらは解決できる問題との認識なのか。基本路線そのものが間違っていたのではないか。
首相 景気は回復、雇用は拡大している。時代にあった制度、組織にしなければならない。改革を続行していく。

幹事長 参議院選挙で自民党が政権与党の責任で示した「安倍マニフェスト」はどうするのか。総理の理念や政策に合致するのか。
首相 自民党として約束したもの。私の理念・政策と大きく異なるものではない。

■国会の機能
幹事長 強行採決はせず民意に従うのか。党首会談の前に党首討論を。
首相 国会での討論は、党首討論を含め大いに。より良い結論を出すことが国民の負託に応えること。

幹事長 隠蔽体質を改め必要不可欠な事実の公表、情報の提供を。
首相 必要な情報は可能な限り要望に応じ開示する。

■政治とカネ
幹事長 福田総理、あなたご自身が代表を務める自民党群馬県第4選挙区支部および関係政治団体の政治資金収支報告書、自身の選挙会計報告で、2003年以降、添付されている領収書コピーの宛名が103枚も改竄されていると報じられている。そして、03年と05年には国と請負契約を結んでいる清掃業者から違法な200万円の寄付を受けている。これは明確な政治資金規正法違反、公職選挙法違反ではないか。
首相 領収書は手間を省いたもの。200万円の寄付は知らずに受けた。いささかも疑問を生じさせないように努める。

幹事長 政治資金の透明化、全ての政治団体が1円からの領収書を添付すべき。国民にどのように提案するのか具体的に。
首相 チェックする機関を作ることを検討する。与野党で協議し結論を。

■年金制度 
幹事長 民主党の年金一元化案を今日まで否定してきたが、責任ある与党案を国民に示すべき。
首相 与野党の立場を超え、透明で建設的な議論を。

■天下り、官製談合
幹事長 与党が強行採決した「政府公認天下りバンク法」に象徴されるように天下りや官製談合を放置するのか、明確な方針を。
首相 先の法案は天下りを根絶するもの。官製談合はあってはならない。

■消費税
幹事長 消費税を当面上げるべきでない。引き上げるべきと考えるのか。
首相 消費税を含む税体系の抜本的改革で、消費税だけの方向性を言う状況にない。

■外交
幹事長 インド洋上で海上自衛隊が米補給艦に給油したのは約20万ガロンではなく、実際はその4倍の約80万ガロンだったと訂正した。この油が米空母キティホークに再給油されイラク作戦に使われたのではないかとの国会質問に対し、当時官房長官だった福田総理は、20万ガロンはキティホーク一日分の消費量でイラク作戦への転用は「現実的にありえない」と述べ、国会でも同様の答弁をした。官房長官や防衛庁長官が国民を騙したことになる。自衛隊の活動実態を隠さず明らかにすべき。
首相 事務的な誤り、誠に遺憾。

幹事長 アフガンで展開する国際治安部隊(ISAF)の活動延長に関する新たな決議文の前文に、「不朽の自由作戦」の参加国への「謝意」が示されたが、これにでも国連の活動として規定されたわけではなく、本質的な状況は変わっていない。異論があれば答弁を。
首相 海上阻止行動が評価されたもの。

幹事長 米国内でさえイラク撤退論が強まっている。民主党は、イラク特措法廃止法案を出す。政府も片意地を張らず、意味を失った自衛隊を撤退させよう。
首相 イラクの復興は道半ば。航空自衛隊の撤退は考えていない。
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