参議院厚生労働委員会で1日夕、民主党提出の年金保険料流用禁止法案が、党をはじめとする野党の賛成多数で可決された。
岩本司委員長が、午後6時前に委員会の再開を宣言、発言者がないことを確認の上、質疑の終局を宣言し、政府に意見の表明を求めた。舛添厚生労働相は、「新たに2000億円の費用が生じ反対である」と意見表明した。
賛成討論に立った、中村哲治議員は、「国民の年金への不信、不安は高まり深刻な状況にある。信頼なくしてどのような制度も運営するのは困難」とした上で、年金事務費は元々、税財源で賄うのが原則だったことを指摘し、「(年金を)国が責任をもって運営するという強い意思の表明で、制度創設当初の国の意思に立ち返るべきだ」と主張した。
また、国民の「年金保険料がムダに使われるのでは」との疑念を払拭できるとした。最後に、「この法案の成立は、国民の年金への信頼回復の第1歩となる。それは政治家の決断で実現できる」と訴えた。
なお、与党は反対討論を行わなかった。
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