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2007/11/07
【衆院テロ特】渡辺、大島議員、防衛省の体質・体制改善の必要性指摘


 衆議院テロ防止・イラク支援特別委員会で7日午後、集中審議が行われ、渡辺周、大島敦両議員が質問に立った。

 渡辺議員は冒頭、「ねじれ国会」の位置づけについて、そもそもは、「民主党が民意を得たことによるねじれ」だとして、参院選で示された民意を反映した結果だと分析。にもかかわらず、福田首相はじめ与党議員らが「不幸にしてねじれた状態にある」などと発言している点について、「民意に唾することだ」と指摘。「不幸にして」との表現は与党側の勝手な言い分であり、それを多様することで「不健全だ」といった間違った印象を国民に与えているとして、首相に発言撤回を強く求めた。

 続いて渡辺議員は「友人の友人はアルカイダ」発言に続き、テロリストに関する問題発言が相次ぐ鳩山法務大臣の姿勢を問題視し、度重なる発言は「行き過ぎた冗談」や「失言」の類で済まされず、治安を司るトップの発言として国民に与える影響も大きいとの認識も提示。政府による事実確認を求めた。同時に「法務大臣として不適切な発言」だとして、罷免の検討を首相に要求したが、首相は明言を避けた。

 渡辺議員はまた、防衛省の隠蔽体質・資料管理体制の杜撰さについて取り上げ、民主党がインド洋での海上自衛隊補給艦の活動記録を示すよう求めたのに対し、「記録はない」としていたものが、一転して公開されるに至った事案に言及した。この点について石破防衛大臣は「非開示情報でありながら、非開示の処理を怠っているものがあった」と答弁し、本来ならば非開示情報であったものが誤って公開されたことを明らかにした。

 こうした状況等を踏まえて渡辺議員は本来保管期間であるべき資料を「誤って破棄した」などとする不祥事が続発するなど、「防衛省の資料管理、原本管理は信用できない」と批判。同時に「組織ぐるみで隠しているとしか思わざるを得ない」と断じた。

 続いて質問に立った大島議員は、防衛庁の局長クラスを対象にGPS付き携帯電話の携帯を義務付けようとしている点に関して、「その決意は変わらないか」と質問。それに対して石破防衛相は「危機管理にあたる省庁、危機管理の任にあるものは居場所を明らかにするのは当然」との見解を示し、GPS付き携帯電話導入への前向きな姿勢を改めて示した。

 大島議員はまた、自衛隊の海外派遣については特措法によって場当たり的に対処するのではなく、「一般法をつくってフレームを用意して」、国際貢献のあり方を事前に整理しておく必要性を主張した。

 さらに、防衛省内の監督・査察、取り締まりなどを行う防衛監察本部のあり方について質問。大島議員は十分に機能するか疑問だとしたうえで、報告書を公開するか確認。石破防衛相は「公表を必要な範囲で行っていかないといけない」と答弁し、自衛隊のユーザーは国民であるとの認識を示し、明らかにする必要があるとした。
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