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2007/11/12
【衆院テロ特】松野議員、締めくくり質疑 野党反対するなか新テロ特措法可決




 松野頼久議員は12日午後、衆議院テロ防止・イラク支援特別委員会で締めくくり質疑に立ち、2001年12月に海上自衛隊の補給艦「はまな」が給油した米巡洋艦「アンティータム」の任務について質問。自衛隊の給油活動がテロ特措法に則ったものであったかどうかを確認するため、インド洋での給油後の「アンティータム」運航においてOEFの活動が担保される具体的活動内容を示すよう、石破防衛大臣に求めた。

 松野議員はまず、テロ特措法の下で行われた6年間794件の給油活動に対して確認された307件について石破防衛相に質問。米国で情報開示している活動内容が黒塗りで防衛省から示されていることを指摘し、「自衛隊が現場で汗をかいての活動が黒塗りはではあまりに気の毒ではないか。自信と誇りをもって働ける環境をつくることは国会の責務である」との認識を示した。これに対して石破防衛相は、「米国で出せるものは全部日本で出せるわけではない」と主張。「国益の保全」を盾に情報開示を拒んだ。

 そのうえで、松野議員はアンティータムの航行記録を取り上げ、2001年12月18日にインド洋での給油後、母港サンディエゴに到着するまでの経路について、OEFの任務を帯びていないのではないかと質問。航行記録に「帰途につく」とのみ書かれ、任務については触れていないことを指摘し、「アンティータムがOEF作戦に従事しているのか米国に確認したのか」と追及した。

 これに対して石破防衛相は、「2001年当時はどこにテロリストがいるかわからない極めて緊張した状態であった」と述べ、インド洋での補給後においても「当然任務を帯びていた」と頑なに主張。しかしながら、OEFの具体的な活動内容について米国側からの回答は示されておらず、あくまでも推測の域を脱しなかった。また、松野議員の補給量についての問いに対しては、「公表できない」と答弁。使途についても「シンガポールに着く前にOEFの活動として消費されたと考える」と憶測で述べた。

 松野議員はまた、アンティータムの活動について、給油前の活動においてもOEFに従事したといえるものがないことを問題視。「なぜそのような疑念をもつのか」と反論する石破防衛相に対して、「法律に則って運用されているかどうかを確認したい。どんなオペレーションのもとに一体いくら給油したのか担保がほしいから議論している」と再三にわたり活動内容について答弁を求めたが、議論の進展はなかった。

 最後に「法律が守られているという担保がとれず、どのようなオペレーションにも給油できるような状況は危険である」と改めて指摘。民主党としては「テロの戦いに反対しているわけではない」ことを強く表明し、締めくくった。

 なお、同法案は野党側が同意しないままの不正常な状態で採決が行われ、民主党はじめ野党が反対するなか、与党の賛成多数で可決された。
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