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2007/11/15
【参院外防委】大久保勉、犬塚両議員、米津山田洋行社長に参考人質疑
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参議院外交防衛委員会で15日午前、東京地検特捜部に逮捕された防衛専門商社「山田洋行」の宮崎(*)元専務と、その過剰接待を受けた防衛省の守屋前事務次官との不適切な関係をめぐり、疑惑解明に向けて山田洋行の米津社長の参考人質疑を行った。
北澤俊美委員長はじめ、民主党・新緑風会・日本を代表して大久保勉、犬塚直史両議員が質疑に立ち、米津参考人から聴取した。
北澤委員長はまず、宮崎元専務と守屋前防衛事務次官との関係について質したのに対し、米津参考人は社内では以前から両者は相当親しいとの共通認識はあったが、接待については「山田洋行が指示したわけではない」と回答。また、山田洋行の米国子会社による裏金づくりについては「全く知らない」と関与を否定。さらに、宮崎元専務の守屋前防衛事務次官へのゴルフ接待費については、の平成10年から18年までの8年間で計300回、使用金額は1500万円以上であることを明らかにしたうえで、「この費用についてはゴルフ場からの請求金額を山田洋行が支払っている。それ以外は把握していない」と発言し、ゴルフ接待費以外の金銭の授受が行われたかどうかは知るところにないとした。
北澤委員長が、宮崎元専務による「日本ミライズ」設立までの経緯を質したのに対しては、「山田洋行の多くの社員を引き抜くこと、海外の有力企業の販売代理店を奪取することで山田洋行の倒産を考えていた」と述べ、営業妨害を訴えて損害賠償を求め、現在係争中であることを明らかにした。
続いて大久保議員は、山田洋行の水増し請求疑惑をめぐって追及。「マークアップ」の言葉の意味を質問したのに対して米津参考人は承知していると述べたうえで「適切なマージンを乗せて販売するのが企業形態」だと答え、水増し請求のための書類偽装が慣例化していた実態はないかとの大久保議員の重ねての問いには慣例化の実態はないと否定した。
大久保議員は、山田洋行から防衛省に示された請求書に添付された見積書についてレターヘッドが変更されていたり、サインが違うように見受けられるとして、書類偽装が疑われる実態を指摘した。同時に大久保議員は「水増し請求の疑義がある」以上、山田洋行としては取引き先に対して情報開示に協力を要請すべきであるとして前向きな対応を求めたが、米津参考人は「検討して対応する」と答えるにとどまった。
また、大久保議員が防衛省の天下りの実態をめぐり、「自衛隊への売り上げ10億円に当たり1人」との取り決めがあった点を指摘すると、「OBの受入れは宮崎元専務と人事だけが担当していた。私から申し上げることはない」と米津参考人は答えた。さらに、ゴルフ接待の際、守屋前防衛事務次官が「1万円を支払った」と証人喚問でも発言している点をめぐっては、「そのような入金処理は一切されていない」と米津参考人は述べ、山田洋行への入金はないとした。
続いて質疑に立った犬塚議員は、「業界で『マークアップ』という言葉は、まさに水増し請求ということになる」と指摘。「水増し請求問題の流れ」と題する資料を提示して、同一製品に2倍の単価が付けられた状況に関する山田洋行の経費処理を質した。米津参考人は「資料が手元に無い状態。状況はまだ調査できていない」と答弁、犬塚議員は早急な調査と委員長宛ての資料提出を求めた。
犬塚議員はまた、見積書問題について「山田洋行は見積書を偽造していたか」と質したが、参考人は「当時の当事者ではない。偽造かどうかは知らない」などと答弁。営業部門の担当者が退職しており、調査は困難だとした。守屋前防衛事務次官への働きかけについても「初めて知った」と答弁するのみだった。犬塚議員は「国民と同じ視点に立って、この問題を一緒に、徹底的に追及していただきたい。結果的にそれが会社を守ることになる」と主張、調査を要求した。
山田洋行オーナー親族の結婚式に出席した前防衛大臣らが「お車代」を受け取っていた問題について、米津参考人は「オーナーの個人的なこと。山田洋行は一切関知していない」と断言、犬塚議員は「この件は引き続き調べる」と表明した。
*「崎」は、正しくは大の部分が立。
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