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2007/11/15
【参院外防委】久間、額賀氏の接待同席 証人喚問で守屋前次官認める 犬塚、浅尾両議員追及




 参議院外交防衛委員会で15日午後、収賄疑惑を持たれている守屋前防衛事務次官への証人喚問が行われ、北澤俊美委員長はじめ、民主党・新緑風会・日本から犬塚直史、浅尾慶一郎両議員が海上自衛隊による給油量取違いの問題、政官業癒着の実態解明に向け、前次官の認識を質した。

 冒頭、北澤委員長は「問題点は3つある」と指摘し、(1)水増し請求による税金のムダづかい=国民に対する背信行為、(2)天下りによる癒着構造、(3)防衛庁の談合体質――の3点を列挙し、これらを解明しなければならないとの見解を示した。

 そのうえで、疑惑の焦点となっている2003年8月の次期輸送機(CX)用エンジン選定過程について委員長は質問。守屋前次官が装備審査会に参加し、選定に関与してきた経緯を委員長は指摘したうえで、前次官が山田洋行が米ゼネラル・エレクトリック(GE)の代理店だったことを「承知していない」と発言している点を改めて確認したのに対し、前次官は「当時の認識としてそのような記憶は一切ない」と述べた。

 また、衆議院での証人喚問の際、山田洋行の接待の席に「防衛庁長官経験者もいた」と証言している点に関して、政治家の名前を示すよう委員長が求めたのに対し、「私が大臣経験者といた会議に宮崎(*)さんがいたかどうかは確定的でない。宮崎さんに確認しないで政治家の名前を言うと名誉を傷つける。軽々に名前を申し上げるわけにはいかない」などと発言。「記憶に残っているのは2人」としたが、重ねての問いにも具体名は明かさなかった。

 北澤委員長は最後に、シビリアンコントロールの問題を取り上げ、補給艦の補給量取違いとその後の隠蔽疑惑に関して、「民主主義のもとで、シビリアンコントロールの責務を担う国会の審議を空洞化させた。これは戦前の軍部による洗脳や国策のミスリードを思い出す」と指摘。また、「防衛省においては最も重要視すべきシビリアンコントロールの意識が希薄であると、今度の事件で断ぜざるを得ない」と厳しい口調で指摘した。

 犬塚議員は、1月の訪米当時、アーミテージ元国防副長官と懇談した内容について質問。守屋証人は、海上自衛隊イージス艦の情報漏えい問題について意見交換をしたと話した。犬塚議員は、午前中に山田洋行社長の米津参考人が、アーミテージ氏が退職後に作ったコンサルティング業務の一環として、などと答弁したことを挙げて「相関がないように聞こえる」と指摘した。

 犬塚議員は、給油量の取り違え問題を発見した寺岡防衛課長(当時)が7日の衆議院における参考人招致で、守屋証人(当時防衛局長)に報告していると語った件についても見解を質した。証人は「会った記憶は無い」と否定、どちらかが違うことを言っている疑いが示された。

 続いて質問に立った浅尾議員は、山田洋行の宮崎元専務が設けた宴席に同席した政治家の名前を明らかにするよう求めた。北澤委員長や犬塚議員には「軽々には申し上げられない」と拒んでいた証人を、「『包み隠さず」という宣誓と異なる」と説得。守屋証人は「久間先生と額賀先生ではなかったかと思っている」と初めて2人の名を挙げた。

 浅尾議員はまた、次期輸送機(CX)エンジンの調達契約に言及。久間前防衛大臣が、代理店である日本ミライズを介さずに、メーカーのGEと直接契約する方法を検討していたという報道について質した。守屋証人は、退職後に久間前防衛相から検討について伝えられたことを認めたが、在職中に装備局が説明に来たという記憶は一切無いとした。

 浅尾議員はこのほか、在沖海兵隊のグアム移転経費、部下との金銭貸借問題、山田洋行の関わる口利き疑惑などについて質問した。

*「崎」は、正しくは大の部分が立。
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