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2007/11/15
官僚主導政治にNOを 会見で菅代表代行


 菅直人代表代行は15日午後、党本部で定例会見を開いた。

 はじめに菅代表代行は、参院外交防衛委員会での守屋前防衛事務次官の証人喚問に言及。山田洋行元専務、宮崎容疑者による接待の宴席に久間、額賀両防衛庁長官経験者が同席していた事実が明らかになったことについて「衆院での(両氏の)証人喚問の証言およびこの間の発言との整合性を精査し、両氏には国民に対して説明していただく必要がある」との考えを明示。(1)従来の発言との矛盾(2)同席したことの意味(3)前次官不在のときにも同様の接待を受けてきたのではないか――等の問題について追及する意向を述べ、「防衛庁時代から続くこうした問題の真相を明らかにすることこそが国会の大きな意味であると強く感じた」と語った。

 次に、国会同意人事において56年ぶりに3人に対して不承認の決定が成されたことに関連して、「戦後ほとんどの期間、役人が挙げてきたリストを与党は認めてきたことになる」として、慣例とされてきた従来のやり方に驚きを表明。そのうえで、「官僚主導の政治に対して、天下り的な審議会の活用にNOという意思を56年ぶりに発揮できたのは、参議院での与野党逆転を国民の皆様によって与えてもらった力である」と、その意義を語った。重ねて、実質「官僚内閣制」の現在の日本の内閣を「国民内閣制」にしていく必要性を強調。今回の同意人事の不承認は、「官僚のお膳立てに政治家、閣僚、場合によっては与党が乗せられた行政が運用されている現実を、根本から変えていくひとつの大きな突破口と見ることができる」と語った。

 これに関連して、汚染された血液製剤「フィブリノゲン」の投与でC型肝炎に感染した疑いがある418人の症例リスト問題について、亡くなった方の存在が明らかになったにも係らず、遺族を含む関係者に通知をしていない事実を指摘。人命よりも保身のために責任回避を図ろうとする厚生労働省の態度を厳しく批判したうえで、「厚生労働省、さらにはその姿勢を正すことのできない大臣の力量を含めて官僚主導による政治を突破できていない実態がある」と批判。民主党は「官僚の無責任体質を絶対認めるわけにはいかない、とのスタンスで臨んでいきたい」との決意を述べた。
 
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