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2007/11/19
【参院決算委】防衛利権の真相究明へ 大久保勉議員額賀財務相追及




 参議院決算委員会で19日午後、大久保勉議員は民主党・新緑風会・日本を代表して質問に立った。

 大久保議員ははじめに、テロ特措法に関連したインド洋に給油燃料調達に関して、平成14年から公募により納入業者を決めているにも係らず、これまで6回の入札においてA、B2社しか応募がないことを指摘。実際の燃料調達をこの2社と随意契約で調達していることもあわせて、公募方法に問題がなかったか見解を求めた。

 小川防衛参事官は、公募に先立つ原料供給能力審査の結果、2社に絞られたとの経緯を説明し、契約が適正であったことを主張。大久保議員は、書類上での取引を行っただけのA、B2社の平均利益率が約5.6%(為替の利益が約0.8%、燃料調達に関しての利益が4.8%)にも上がることを問題視し、随意契約で購入した燃料価格の適正さの検証がほとんどなされていないこと、商社が為替で不当に利益を得ていること等を取り上げ、「これこそ防衛利権ではないか」と批判した。

 次に、守屋前防衛事務次官の証言に言及し、防衛商社元専務の宴席「ジェイムズ・アワー氏を囲む会」に同席していた防衛庁長官経験者の1人として名前が挙がった額賀財務大臣に質問。額賀財務相は、防衛省から報告された2005、2006年の元米国防衛省に本部長ジェイムズ・アワー氏と日本国内での防衛省幹部との会談の回数と日時を確認したうえで、ジェイムズ・アワー氏から「面識はあるが会食はしたことはない」との証言を得ていることを強調した。事務所の日程表、防衛庁長官時代の日程表等を調査したとして、会談があったことは認めるものの「日米関係及びアジアの情勢について意見交換した」と述べ、守屋氏の証言を否定。大久保議員は改めて、ジェイムズ・アワー氏との面会日前後の防衛庁公用車の運行記録及び支出証拠書類の提出を要求した。

 山田洋行との取引に関しては、メーカーの見積書を改ざんして防衛庁に水増し請求していた事件について追及。小川防衛参事官は、2001年当時契約書が変更、最終承認された経緯を説明したうえで、信頼性に疑義がある以上、当時の判断が適正であるかを含め調査の過程を詳細に調べ、事実関係を確認することを約束した。大久保議員は、この山田洋行の不正に気づいた当時NY駐在の防衛庁鈴木専門官の存在を明示。鈴木氏がこの指摘後にNYから帰国させられ、担当者から外されたことについて調査を求めるとともに、政府参考人として召集することを要請した。

 
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