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2002/02/19
「公共事業の構造改革を」シンクネット21がシンポ開催


 19日、シンクネット・センター21主催のシンポジウム「小泉構造改革と公共事業の実態」が衆議院議員会館内で行われ、民主党からはパネリストとして参加した菅直人幹事長はじめ、多くの議員が出席。小泉構造改革の問題点を探る活発な議論に、100人あまりの参加者の熱い視線が注がれた。

 シンポジウム前半では、生態系を破壊し、住民の生活基盤を揺るがし、自治体や受益者に多大な負担を強いる公共事業の実態を明らかにする観点から、「吉野川第十堰を世界遺産にしよう」(吉野川第十堰住民投票の会・愛知大学法学部助教授 武田真一郎氏)、「川辺ダムに“緑のダム”をつくろう」(ルポライター 高橋ユリカ氏)、「長良川から“脱ダム”へ」(公共事業チェックを求めるNGO会代表・脱ダムネット・ジャパン代表 天野礼子氏)の3つの報告が続いた。

 この中で、国土交通省には、利水・治水には川の整備が不可欠とする旧態依然とした認識が前提にあり、その公共事業政策が何ら科学的分析に基づかないことが浮き彫りになった。また、「公共事業ありき」でつながる政官業癒着の構造が地方にもはびこっている実態が明らかにされた。

 後半では「公共事業のあり方を考える」として、原科幸彦東京工業大学大学院教授、五十嵐敬喜法政大学教授、福岡賢正毎日新聞編集委員、そして菅幹事長をパネリストに、3人の報告者を交えてパネルディスカッションが行われた。

 菅幹事長は「いろいろな現場を見てきたが、公共事業が環境悪化を生み出しているのは明らか。そもそもマイナスを生み出すものはやめ、逆にプラスの富をもたらすものは税を投入しても行うべき」との考えを示した。、

 また、小泉構造改革について「供給能力があるのに需要を減らすことばかりを考えていてもデフレは解消できない」と批判し、自然環境の回復、子どもやお年寄りをめぐる環境整備など、21世紀型社会が求める需要を引き出す新しい構造をつくり出さなければならないと指摘。「政官業癒着構造にどっぷりつかった自民党政権では、新しい経済構造を生み出すことはなし得ない」として、政権交代による真のニーズに見合った公共事業の推進という、民主党の主張を提起した。
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