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2007/11/28
【参院本会議】武力のための給油より民生支援を 藤田議員、新テロ特措法反対表明




 海上自衛隊のインド洋での給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法案は28日午前、参院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、民主党・新緑風会・日本を代表して、藤田幸久議員が反対の立場から質問に立ち、「給油よりも民生支援を」と訴えた。

 藤田議員はまず、対テロ戦争の正当性をめぐり、テロの定義について「テロは犯罪か、それとも戦争、武力紛争か」と、福田首相の見解を質した。首相は正当化できず、断固として非難されるものだとして、テロ行為に該当するものは犯罪とし、法的に処罰すべきものだと答弁。藤田議員はあわせて、アメリカによる先制攻撃は、勝手な言い訳で他国を攻撃することを認める危険性があるとした。

 藤田議員はまた、テロとの闘いが、誰の誰に対する闘いかが不明確であるが故に、不朽の自由作戦(OEF)が、無差別・報復的になり、市民に対する「大量破壊戦争」と化したと問題視。対テロ戦争のあり方の検証と見直しが必要だと指摘した。

 藤田議員は続いて、米国によるイラク戦争の開始を契機に中東全体に拡大した反米・反西欧の憎しみの連鎖、アフガニスタンにおける自爆テロの増大を挙げ、ふたつの戦争とも「アメリカの、アメリカによる戦争」という実態が明らかになったとの見方を示した。また、「カルザイ政権誕生」にふれ、OEFの活動は、アフガンに再び過激派を台頭させないため、カルザイ政権を支える活動に転換すべきだと語った。

 そうした認識を踏まえて藤田議員は、「テロ対策新法には、国連の直接的な決議と実効的な国会承認が必要と考える」と強調。「活動の種類及び内容を給油及び給水に限定し、派遣先の外国の範囲を含む具体的な実施区域が法案に盛り込まれたので国会承認の必要はない」とする政府の主張を、詭弁ではないかと指摘した。

 藤田議員はまた、「復興支援活動では、給油活動の肩代わりはできない」としてきた政府の主張を本末転倒だと批判。そのうえで藤田議員は、民主党の復興支援策に関して、「武力のための油よりも、生活を支える水を」「遠い海上よりも、陸上で民衆と共に」を基本的考えとしていると提示し、復興支援の土台となる治安構造の改革(SSR)こそが最優先だと主張。「今こそ日本がSSRを主導し、その政治的意思を内外に示すためにも、SSR担当大使を派遣することも一考に値する」として、農業や医療などの民生支援の必要性を訴えた。首相は「テロは国際社会が一致してとりむべき問題。国際社会と連携して取り組む」とかたくなに述べた。

 さらに藤田議員は、防衛専門商社「山田洋行」宮崎元専務との宴席同席問題に関連して、額賀財務大臣について「任命したのは首相だ。疑いを否定する確証を得るべきだ」と述べ、首相の対応を求めた。
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