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2007/11/30
楠田議員、いじめ自殺の記録開示求め、法務大臣に要望書提出




 楠田大蔵衆議院議員は30日午後、福岡県筑前町で昨年11月にいじめを苦に自殺した少年(当時13歳)の両親・森順二さん、美加さん夫妻とともに法務省を訪れ、鳩山法務大臣あての審査請求書と「全面開示による要望書」を人権擁護局長に手渡した。

 「息子はなぜ死ななければならなかったのか」と、真実を知りたい一心で追い求めてきた森さん夫妻は、いじめに関する調査記録の公開を申請。それに対して福岡法務局は13日に個人情報保護法に基づき調査記録を部分開示した。

 開示対象となったのは、人権侵犯記録と題する計441枚分だったが、福岡法務局は「開示されれば調査に支障が出る恐れがある」として、遺族からの聴取部分を除き、約9割が黒塗りの状態で開示。このため、聴取内容はまったくわからないに等しい結果となった。

 これを受けて森さん夫妻は今回、鳩山法務訟相あての審査請求書と「全面開示による要望書」を提出するに至った。審査請求書では「開示を求めているのは最愛の息子がどうして死を選ばなければならなかったかについて、その原因を明らかにする上で必要不可欠な情報」だとし、他方で「福岡法務局長が危惧するような事態は、保有個人情報全体を不開示とせずとも、個人情報のみを不開示とすれば、回避することは十分可能」と指摘した。
 
 会見の席で森さんは9割以上が黒塗りで、まさにほとんど真っ黒の開示資料を手に、「個人名を特定したいわけではなく、事実関係を知りたいだけだ」と強調。同時に、この問題を受けて、情報を共有することで、すべての子どもたちに今なにが起こっているのか、何が問題なのかを共通認識として把握することで、いじめ問題への対策を探る手がかりにしてほしいとの一心であることを明らかにした。さらに、記録開示のあり方を社会全体で見直していくべきと問題提起した。
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