ニュース
ニュース
2008/01/21
【衆院本会議】「本当に危機にあるのは自民党ではなく日本」と古川議員指摘
民主党政権をスタートすることで真の改革を実現させるとの決意を表明




 古川元久議員は、21日午後に開かれた衆議院本会議で代表質問に立ち、年金、税制改革、国民本位の行財政といったテーマを柱として、福田首相の見解を質した。

 古川議員ははじめに、年金改革について政府与党が現行制度の維持に固執、今後も10年以上にわたって年金保険料を引き上げ、給付も抑制しようとしていることを指摘。それに対して民主党は、提案する所得比例年金と最低保障年金とで、高齢者に最低補償額以上の年金給付を約束するとして、全国民が等しく加入する制度こそが時代にそぐうものだと主張した。その前提として、公的年金制度の信頼回復のためには「消えた年金」問題の解決が不可欠であるとの認識を明示。今後の対策、及び解決に向けた見通しについて福田首相の見解をたずねた。

 福田首相は、今後に対しては事務処理の誤り防止対策の強化、来年4月以降、現役加入者全員に送付するねんきん定期便、第三者委員会の委員の増員などを列挙。「ひとつひとつ着実に粘り強く取り組む」と答えたが、演説で述べられた「国を挙げての取り組み」とは程遠く、抽象的な内容に終始した。

 次に税制改革について、これまで税制論議が政府与党中心に「為政者」の立場で決められ、失政による膨大な財政赤字という借金が、増税という形で国民に負担を強いていることを問題視。民主党政権では、納税者の視点に立って、国会での議論のうえ税制を根本から作り直すとして、その際には人口減少・超高齢社会という国内の社会変化と、グローバル化した世界への適応を十分に考慮に入れていく方針を明らかにした。

 消費税については、社会保障制度の抜本的な改革を行う中で必要と判断した場合には、選挙の際に引き上げ幅や使い道をマニフェストで明らかにして国民の審判を仰いだうえで実行すると明示。福田首相に対して同様の対応を求めたが、消費税の引き上げについては可能性を示唆しつつも「現時点でうんぬんを申し上げる段階にない」と明言を避けた。

 さらに、道路特定財源について改めて「緊急措置」として半世紀以上も前に創設、道路整備を加速するために暫定税率が上乗せされてから34年が経過していることを説明。道路整備の重要性に理解を示したうえで、時代は大きく変化したとして、「特定財源として聖域扱いする根拠はない」と述べ、必死に維持しようとする合理的な理由を示すよう求めた。福田首相は、「地方の自立活性化には欠かせない」と道路整備の必要性を頑なに主張。環境対策、開かずの踏み切り対策などを列挙し、利益者負担の観点からも財源確保の必要性を訴えた。

 これに関連する自動車関係諸税の見直しについても、古川議員は抜本的な見直しを検討すべく平成20年度においては暫定税率をすべて廃止することを明言。原油高騰に伴う物価上昇が国民生活に深刻な影響を与えていることを理由として述べたうえで、福田首相にこの事態、および地球温暖化対策として税率を維持すべきとする声が突然出てきた点に対して見解を質した。福田首相は、予算措置を含めた具体的な政策パッケージをとりまとめたと主張。実施段階にあるとして、「国民の生活に目配りをした対策を講じていく」と強調した。地球温暖化対策との声については「時代に逆行していて国際的に理解されない」と説得力に欠ける答弁となった。

 古川議員はそのほか、国民本位の行財政をとの視点から肝炎対策における医療費助成を含む法整備、税金のムダづかいをなくすための徹底的な情報公開、独立行政法人改革などの必要性を訴えた。

 古川議員は最後に、自民党大会での福田首相の「結党以来最大の危機」との発言について言及し、「本当に危機にあるのは自民党ではなく日本である」と述べ、「このように危機に陥れたのは自民党の長期政権である」と指弾。民主党政権をスタートすることで真の改革を実現させるとの決意を表明して質問を締めくくった。
記事を印刷する